〈薬剤師〉薬局長の仕事はどうなの?薬局長で大変なことは?給与は?残業は?私が薬局長として8年経験したことまとめ。

仕事紹介(薬剤師)

はじめまして。私は薬剤師として16年目を迎えるマナベと申します。

 

今の病院で薬局長として働き始めもうすぐ3年になります。以前の病院で薬局長を5年勤めたので、合計で8年近く薬局長として働いています。

 

主には

  • 現役薬剤師さん
  • 未来の薬剤師さん

に向けて、私が体験したことを記事にしていきます。

 

  • 薬局長の仕事内容は?
  • やりがいは何?
  • 給料はどうなのか
  • 残業は多いのか?

薬局長の求人も良く見かけます。私の経験があなたのお役に立てば嬉しいです。

 

薬局長に抜擢された理由とは?

まず、私がどのようなきっかけで薬局長になったかお話しいたします。

 

「薬局長だからすごい能力があったんでしょ!!」

と思われるかもしれませんが、そうではありません。

 

ものすごい実績を上げたとか、誰よりも勤勉に働いていたとか、そういうことでは無いです(笑)

 

当時の薬局長が退職し、誰かがその職に就く必要がありました。残った薬剤師の中で、一番勤続年数が長かった私(7年目)に白羽の矢がたっただけです。

 

抜擢された時は30歳。薬局長としてはかなり若く、ちゃんと出来るか不安な気持ちが大きかったです。それでもチャレンジしたい気持ちが強く、薬局長という立場を受け入れ、キャリアをスタートしました。

 

他は分かりませんが、かなり運が良かったのだと思っています。

 

薬局長の仕事内容は?

薬局によって仕事内容は変わると思いますが、私がやっていた仕事一覧です。

 

薬局長の仕事

  • 会議への参加(褥瘡委員会、感染対策委員会、薬事委員会、安全管理委員会など)
  • 麻薬や向精神薬の管理
  • 血液製剤の管理
  • マニュアルの整備
  • 卸との価格交渉
  • 勉強会や講習会の開催
  • 薬学部生の実習受け入れ

薬局が維持運営していくための業務となります。

 

これが一番大事な仕事!薬剤師のモチベーション上げる

かんたんに業務を箇条書きにしましたが、私が一番大変だと思うのはそこに書いていないことです。

 

「薬剤師のモチベーションを上げる」

これが一番大変かつ重要な仕事です。

 

薬局長に限らず、組織をまとめるリーダーは周りを引っ張っていく存在でないといけません。薬局の中でもそれは同じです。

 

同じ「薬剤師」という立場ですが考え方は十人十色。

  • 仕事に情熱をそそぐ、20代男性薬剤師
  • うまく手を抜くのを覚えた、30代女性薬剤師
  • 私生活も大変な、40代ママ薬剤師

 

考え方、興味、仕事への向き合い方、家庭の事情も異なります。この様な中で、薬剤師のモチベーションを保つことは大変です。

 

ときには、薬剤師同士がぶつかってしまう時もあります。亀裂が入らないよう薬局長が上手く取り持たないといけません。

 

仲が悪くなり薬剤師同士の連携が取れないと、薬局として成立しなくなります。

 

漢方薬剤師の給料はどう?

 

薬局長の給与

  • 月給 45万
  • 賞与 2〜3ヶ月分

年収 650万

※私の場合(38歳/薬局長8年目)

転職して2社目、現在の給与となります。

 

最初の病院では、内部昇格のため、月に3万円手当が付いただけでした。年額にして36万円。給料が増えたのは良かったですが、業務量に対しては割安な印象です。

 

その後に転職、局長の経験があるということで、好待遇で迎えいれてくれました。

 

転職活動では交渉次第でもっと上の年収も目指せると思います。薬局長の経験はそれほど重宝されるのですが。もし、チャンスがあればステップアップのため経験することをオススメします。

 

薬局長の残業は?労働時間は長い?

 

店舗によって違いますが残業は月5時間程度です。一般企業と比較して少ないと思います。

 

日常ではほとんど残ることはないのですが、年1回棚卸の時期は超過勤務が必要となりますただし、休日の電話対応は基本的に薬局長がやっています。

 

少し大変な時だと感じる時もあります。

 

休日はどう?

4週6休です。一般的な病院薬剤師と勤務体制は何ら変わらないです。病院薬剤師自体、基本的に休みが多くはありませんが、それでも有給休暇は半分以上消化しています。

 

薬局長の仕事内容を詳しく!

「お客様と向き合って薬を調合する」

これが薬剤師の仕事となります。

 

一方で、薬局長は店舗の薬剤師が適正に仕事できるよう、維持改善をしていく必要があります。また、企業利益も考えた行動が必要となります。

 

たびたびある診療報酬の改定、その際には色々なことを考えないといけません。受け身ではなく、こちらから提案する力が必要になってきます。

 

点数を取れそうなことが追加になっていれば、自分たちから発信して業務を増やしていきます。病院の利益を増やすことを考えなくてはなりません。

 

そのためには、診療報酬改定の勉強会などに参加して知識を習得する必要があります。医事課と相談して新たな業務を始めたこともあります。

 

保健所の立ち入り検査もあります。きちんと前の薬局長から引き継ぎを受けて、法令順守を徹底する必要があります。

 

また、会議によっては中心的な役割を担う可能性が高いです。

  • 薬事委員会
  • 感染対策委員会
  • 褥瘡対策委員会

この3つは中心的な役割を担う可能性が高いため、知識がない状態で参加することは許されません。

 

薬局長になって苦労したこと2点

この役職に就いて、苦労したことはたくさんあります。その中から2点紹介したいと思います。

 

1.若くしてなったので甘く見られた

 

私が薬局長になったときは30歳でした。

 

会議に出てくる医師、看護師長、その他役職、みなさんが40代から50代です。一回り年下の私は若輩者として扱われることが多かったです。

 

また、薬局内でも年上の薬剤師がいました。上司として心から認めてもらうためには、それ相応の努力が必要でした。

 

ときには悩み、苦しい思いもしました。その苦労が今の成長に繋がっているのかと思います。

 

2.慣れないパソコンに一苦労

 

最低限度のパソコンスキルが必要となります。

 

会議や棚卸の集計はエクセルを用います。今の若いみなさんなら簡単かもしれませんが…当時の私はすごく苦労しました(笑)

 

現代の薬局長業務においてPC技術は必須です。慣れれば出来るレベルの作業ですが、始めは大変だと思います。

 

薬局長になって良かったこと

待遇面はかなり上がります。前述しましたが、転職時に大幅に給与アップが狙えます。

 

また、本当にいろいろな事が経験できます。薬剤師としてのスキルは当然ながら、医師からの問い合わせ、DI業務、学生実習など。その全ての中心にならなければいけません。

 

全ての面で新しいことを身に付けていかないとならない立場。「立場が人を作る」という言葉がありますが、身をもって実感しています。

 

どんな人が薬局長に向いてる?

 

薬や治療の知識よりも、コミュニケーション能力が高い人が向いています。

 

部下と上司に挟まれることもしばしば。そんな時は、個別に面談や話し合いの場を設ける必要がありました。

 

周りを活かす、そんな動きが好きな方にはぜひトライしてもらいたいです。当然ですが、やる気に満ちあふれているのは最低条件です。

 

最後に

 

もし、薬局長につくチャンスがあれば掴み取ってください。できるだけ若いうちに経験した方が実りが大きいです。薬剤師としてだけでなく、人間としても良い経験として役立ちます。

 

ただ、そのチャンスはなかなか舞い込んでこないかもしれません。やりたいと思っても簡単にいかないことがほとんどです。

 

転職をネガティブに捉えず挑戦するのも有りです。経験が必要なことがほとんどですが、薬局長求人もよく見かけます。思い切ってチャレンジしてください。

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。何かの参考になれば幸いです。

 

この記事を書いた人
マナベ

薬剤師になって16年経ちました!女性薬局長として現役で頑張っています♪