町中には多くの公共施設がありますよね。子育てに関するもの、高齢者の憩いの施設など。その中で最も使われているのが「図書館」だと思います。子供からお年寄りまで、たくさんの人が訪れて利用してくれています。
その図書館で働くスタッフはどのような形態で働いているのかはご存じでしょうか?このように思う方が多いのではないでしょうか。

市や区、都道府県が管理してるのだから、当然公務員でしょ?
しかし、現実は違います。以前とは違って公共施設の職員システムが大きく変わってきています。それによって、公務員ではなく派遣社員として雇われることが増えてきています。
私も図書館で数年にわたり派遣社員として働いてきました。
- 公務員なんだから当然でしょ、という勘違いした利用者の声
- 非正規であることは関係なく都合よく使われる環境

図書館の仕事辞めたのは私だ!!!
図書館の仕事とは?
誰しもが一度は利用したことがある場所ですので、簡単にだけ説明をします。図書館の開館は9時、閉館は19時~22時(場所により)と遅くまでやっています。
まずは開館準備があります。利用者が来る前に館内清掃、本の整理が必要となります。オープンしてからはカウンター業務がメインとなります。合間をぬって購入資料の選書、イベントの運営が大まかな仕事になります。
早番の場合は8:30~17:30に勤務、遅番だと12:45以降、閉館まで勤務という流れです。
責任者になっても非正規雇用
本が好きなこともあり、入社してから楽しく仕事が出来ていました。早番、遅番がある不定期シフトにも慣れましたし、非正規雇用であることも分かって入社しています。「いつか正社員になれたら良いな…」と頭の中にありましたが。
勤務しはじめて半年ほど。責任者になってほしいという打診がありました。担当者は有無を言わさず「急いでハンコを押して!」と、その場で雇用書に印鑑を押しました。ですが、後で見ると、責任者手当はたったの5000円しかありません。
そして変わらず非正規雇用。業務内容は契約社員より大変になるのですが、昇給は少なく当然賞与もありません。手取り14万を切る月もありました。ちゃんと確認しなかった私が悪いのですが…。
責任者業務は正直大変でした。報告書の作成から、勤務の確認、日々のスケジュール作成、シフトの作成等、図書館業務以外の事が増えていきます。一か月ほどで私の自律神経がおかしくなり、熱が下がらない事態が発生しました。
「じゃあ欠勤だから給料少なくなるね!」と言われ、早退もできません。実際に給料が減ると困るので何も言えませんでした。
震災時の出勤義務…公務員なんだから働け!
日本は地震大国です。いざ発生した時には「どうすべきか?」と誰しもが想定していると思います。仕事を取りやめて、帰宅を考えるのが通常ではないでしょうか。その一方で、公共施設のスタッフは帰ることが出来ません。
図書館には「緊急時開館義務」があります。どんな状態であれ出勤をしないといけない規則です。家族と離れようが、交通期間がストップしようが関係ありません。
「どんな状況でも出勤してこい」「それが責任者だ」と言われます。実際、震災があった時は帰宅もできず、家族に連絡もできず、不安な中、避難先の問い合わせに人が殺到し、それを受け入れる作業に回りました。
その際、利用者には散々なことを言われました。
- 公務員のくせに
- 税金でメシを食ってるくせに
- 対応が悪すぎる
- 金もってんだから働け
私も被災者でありながら、あまりにひどい扱いを受けました。辞めたのはこの数年後でしたが、仕事が嫌になった一つの原因です。
上がらない給料、素敵な仕事しているのに文句ある?
いろいろと不満を抱える中でも辞める決心がつきません。結局ずるずると責任者として仕事を続けていました。2年、3年と勤務を重ねていっても給料は1円も上がっていきません。
責任者手当も変わらず5000円のまま。さすがに「これはどうか…」と思い給料の打診をしましたが、一切受け入れられず。それよりも「図書館という素敵な仕事をさせてあげているのに文句あるの?」という対応でした。
更に休みもあまりありませんでした。図書館にスタッフが全く居ない日は年末年始のみです。休館日も館内整理日として出勤している事があります。私の休みは週に2日。スタッフが足りなければそれも削る始末です。それが責任者の義務だそうです…。
連休を取る事ももっての他。祝日休み、GW、お盆休みもありません。体調が悪くても休む事ができません。これで手取り14万にいかない月もあります。続ける価値はあるのでしょうか?
退職を決断!図書館の仕事は好きだけど…
給与交渉が失敗してから数ヶ月、契約更新の場で辞めることを伝えました。引き止められましたが、色々な不満がたまっていて限界でした。
「図書館の仕事は好きだけど…」が本音です。
私は図書館も本も大好きです。だからこそ、「余裕のある雇用と給料を」が切なる願いです。さらに、利用者には税金泥棒等罵られ続ける事になります。そういった間違った事実をもっと知ってもらいたいです。
辞めてから数年、娘と一緒に図書館へ行く機会があります。カウンターで座っている職員さんに「本当にお疲れ様」と心の中で声がけしています。
最後に
2018年9月、大型の台風、そして北海道で地震が相次いでありました。報道でもあるように、インフラ設備の方たちへの八つ当たりが表だっています。
現場の方々は必死で働いています。もしかしたら低賃金で働かされている、矢面にたたされているのかもしれません。安くていっぱい働ければいいという考えが少しでも見直されていってほしいです。
#図書館辞めたの私だ、これが私の叫びです。
最後に働いたとこは、非正規なのに館長並みの責任持たされるし、クレーム対応で矢面に立たされるし、ボランティアさんたちの活躍の場を作れと言われるし、施設管理も任されるし。楽しかったけど、やりがいだけじゃ無理。しかも手取り12万/月。残業しても残業代は出ず。無理。 #図書館やめたの私だ
— アンゴル=モア (@neko_kapico) 2016年3月7日
そんなわけで、戻ってきてと言われていますがあの条件では戻りません。「やりがいもあったし、勉強にもなったし。図書館奉仕の精神はどこへいったの?」と言われますが、奉仕させたいならそれだけの雇用条件を提示しなさいという話。 図書館の仕事は貸出返却だけじゃない。 #図書館やめたの私だ
— アンゴル=モア (@neko_kapico) 2016年3月7日