私は地域包括ケア病棟で看護師として働いています。産休・育休を取得しつつ4年間同じ病棟で勤務しています。
- 地域包括ケアでの仕事
- 給料はどうなのか
- 残業は多いのか?
- やりがいは何?
「地域包括ケア病棟で働くのはどうなの?」について記事を書いていきます。看護師として働きたい方の参考になると嬉しいです。
地域包括ケア病棟てなに?
新しい種別のため詳しく分からない方もいると思います。簡単に説明すると…
地域包括ケア病棟とは?
急性期治療は終えたが、すぐには自宅へ戻れない患者さんを見る。医師、看護師、リバビリ等様々な職種で連携を取り、在宅復帰をサポートします。
「治ったから終わり!」ではなく、その後も見据えた支援を行う役目を担っています。少子化、家族形成の変化、老老介護。様々な変化が訪れているため、以前とは違う医療が求められ、出来たのがこの病棟です。
地域包括ケア病棟を選んだ理由は?
未知数の高い新しい病棟、私が選んだのはいくつか理由があります。
1つ目は、祖母が救急搬送されたことをきっかけに、在宅医療や在宅看護に魅力を感じたことです。病気を抱えながらでも、どうすれば在宅で自分らしい生活ができるかに興味がありました。
2つ目は、大のおじいちゃん、おばあちゃん子だったからです。仕事をやるなら高齢者に関わるものにしたい、とずっと思ってきました。介護士も考えましたが、医療行為も出来る看護師を優先としました。
地域包括ケア病棟、看護師の仕事内容は?
病院によって仕事内容は変わると思いますが、私がやっていた仕事一覧です。
地域ケア包括病棟、看護師の仕事
- 検温、患者さんの状態観察
- 入院、退院の対応
- 食事の配膳、食事介助
- 内服介助、内服確認
- 家屋調査、退院後訪問
- カンファレンス
- 入浴介助
- カルテ入力
- トイレ、移乗介助
- 退院支援
状態観察や介助等は他の病院と大差はないと思います。地域包括ケア病棟は診療報酬の関係で、入院期間が最長60日となっています。そのため、退院支援を行うことがメイン業務となります。

60日以内でどうすれば自宅で生活できるのか?
これをメインテーマに掲げて日々取り組んでいきます。患者さん、ご家族とコミュニケーションをとりながら、他職種を交えて方向性を決めていきます。
- 自宅、それとも老人施設のどちらへ行くか?
- その場合の介助方法は?
- どのサービスをどの程度利用すれば家族の負担が軽減されるか?
患者さん一人一人にあった退院支援をしています。難しいこともありますが、退院時の笑顔が一番のやりがいです。
地域ケア包括病棟、看護師の給料はどう?
地域包括ケア病棟看護師の給与
※私の場合 4年目
- 月給 30万
- 賞与 5ヶ月分
- 夜勤4回/月
年収 450万
夜勤がなければ4万ほど下がります。看護師としては決して高いとは言えませんが、不満に思ったことはありません。夜勤は不規則なリズムになりますが、夜勤明けで出かけることもできますし、日中行動できるので好きです。それに、看護師はみんなやっていることですからね。
ただし、私の勤めている病院の給料は安いです。給料が良いところはたくさんあります。それでも転職は考えていません。人間関係がとても良いからです。
「看護師といえば気がきつくて怖い…」というイメージがありましたが、穏やかなスタッフが多いです。これは地域包括ケア病棟ならではかもしれません。
漢方薬剤師の残業は?労働時間は長い?
急変が少ない病棟のため、ほぼ定時で帰れます。残業はあっても10時間/月程度でしょうか。また、上司が定時に帰るよう声をかけてくれます。他のスタッフと声を掛け合いながらフォローし合っているので、保育園のお迎えにも間に合います。
休日はどう?
8日/月休みがあり、夏期・冬期休暇も別にあります。シフト制なのでいつでも休みが取れるところは気に入っています。有給も取りやすい環境です。1週間休みを取り海外へ行く方もいました。
子育てとの両立は?
病院内に保育所があり夜勤も対応しています。また、保育中に子供が熱や体調不良があれば病棟の管理者へ直接連絡がいくので、帰るよう声がかかります。「子供が風邪の時にそばにいてあげたい」と働いているお母さんならだれもが思いますが、病棟の理解があるので休みやすいです。保育園の先生も私たち母親をとても理解してくれているので、心強い存在です。
また、出産前も安心です。産休・育休は取りやすい病とです。患者さんを抱えるなどの肉体労働もありますが、他スタッフがフォローしてくれます。産休・育休で1年間休み、復帰するスタッフが多いです。
患者さん一人一人に深く関われる
一般病棟で働く友人(看護師)と話すと、多くがこの悩みを抱えています。「受け持ちが多すぎて一人一人と関わる時間がない」と。自分の看護感と、現実の差がなかなか埋められず、最悪の場合退職を選ぶこともあります。
一方で、地域包括ケア病棟は穏やかな時間が流れています。慌ただしい医療行為が少ないため、一人一人に親身になって関われます。むしろ関わらないといけません。
入院患者さんのほとんどが70歳以上です。少なからず認知症を発症しているケースがあるため、スタッフの関わり方が重要となります。それ次第では、穏やかに過ごせることもあれば、反対に興奮させてしまうこともあります。
興奮した患者さんには「ただ目を見て、傾聴し、相槌を打つ」が基本です。時間はかかりますが落ち着きを取り戻してくれます。これは忙しい病棟では絶対に出来ないことです。
笑顔で退院!それが最高の喜び
笑顔で「ありがとう!」と退院していく。この瞬間を見るのが最高です。寂しくもありますが何よりも嬉しいことです。
野口さん(仮名)という脳梗塞後の後遺症で、初めは寝たきりだった患者さんがいました。リハビリテーションを行い、60日後には車いすで退院していきました。数か月後、野口さんはわざわざ私に会いに来てくれました。しかも、普通に歩いている姿で!元気になった姿を私に見せたかったと言ってくれました。
3年たった今でも忘れられない瞬間でした。
最後に
簡単にですが、私が経験していることをまとめました。地域包括ケア病棟は、病気を抱えながら在宅で生活する患者さんために、看護師として関われます。在宅復帰を目指す方々の力になりたいという思いがある方は、ぜひ検討してみてくださいね

看護師歴4年経ちました!地域包括ケア病棟で働いています。人間関係がかなり良好、仕事も楽しい。看護師になって良かったと日々実感しています♪