先輩の命令は絶対!アルハラ!体育会系企業の上司が嫌になって辞めた体験談

パワハラ/ノルマ

「先輩の命令は絶対主義」

「アルハラ」

私はこの2点に悩まされ続けました。

 

もともとの原因は「体育会系」気質であることです。

「体育会系企業」で悩んでいる方はたくさんいます。この記事では、私が入社して体育会系気質の企業、上司に悩んだこと。アルハラが続いて、結果として退職をしたこと。これらをまとめて記事にしていきます。同じ悩みを持つ方への参考になることを願っています。

 

父が紹介したのは「体育会系企業」だった!

 

私は20代の頃、フラフラしており職を転々としていました。見かねた父は、友人が経営している会社を紹介してくれました。

 

いわゆる「コネ入社」です。

 

「恵まれているね」と思う方もいるでしょう。しかし、プレッシャーがあることを見逃してはいけません。コネ入社してうまく行かないと父の顔を潰してしまう。そして、父に頭が上がらなくなる気さえします。

 

しかし、自分自身で何をしたいのか分からずフラフラしているだけの身、当然ながら選ぶ権利がありません。トントン拍子で話が進んでいきます。

 

その会社は規模としては小さく、全社員あわせて10人程しかいません。会社の取り扱っている物は主に、マネキンやトルソーなどといった物や、什器です。

 

得意先はアパレルメーカーで、全員がしっかりと自分の顧客を持っています。それだけ社員の年齢層が高いです。40代の人が2人だけで、あとは全員が50代でした。

 

若者は私一人だけ。

 

人前で喋るのが苦手…営業にならず自信喪失

 

私についたのは「営業部長」でした。営業の「え」の字も知らなかったため、下に付いて勉強することに。「体育会系気質」のこの人物に苦しめられることになるのです。

 

まずは、営業部長が担当している得意先へ挨拶まわり。しかし、情けないことに、商談に同行してもさっぱり頭に入ってきません。そして、人前で喋るのが苦手なのもネック。意見を求められてもまともに受け答えが出来ず、四苦八苦してしまいます。

 

元々自分に自信はありませんでしたが、ますます自信を喪失していきます。

 

【50代】 8人

【40代】 2人

【30代】 無し

【20代】 1人(私だけ…)

 

仕事、職場、人間関係、何かあった時に相談できる存在は何者にも代えがたいです。それは同期だったり、同年代だったり、歳が近いことが多いでしょう。コネ入社だったこともあり、年配層に私一人だけポツンと存在。

 

「誰かに相談したい…」

そんなことを日々思っていました。

 

キャバクラで大激怒!俺に付き合うのが嫌なのか!!

 

「口答えはするな」

「新人はYESとだけ言っていれば良い」

 

それが営業部長の口癖でした。学生時代はラガーマン、入社後は会社一筋25年。バブル崩壊後、リーマンショックと数々の危機を乗り越えています。根っからの体育会系気質なのでしょう。

 

始めは優しく接してくれていましたが、だんだんと本性が出てきます。全ての問いに対して「YES」しか答えがありません。

 

部長「お前は喋りがダメだ、キャバクラに行って学ぶぞ」

私「はい、分かりました。ありがとうございます(ウソ)」

 

営業部長は人前で喋る事が苦手な私に、それを克服してもらおうと考えたのかもしれません。しかし、楽しそうに話す営業部長をよそ目に、私はひたすら黙りこくっていました。

 

「…ありがとうございます」

(…うざいな、やらなくていいよ)

 

いちいちキャバクラ嬢がタバコの火をつけます。それすらうんざり。初めて会った女性と話すことは何もありません。

 

キャバクラ嬢も営業部長も困っているだろうなとは思うのですが…

  • 慣れない仕事で戸惑いも感じているし疲れた…
  • 早く家に帰ってゆっくり過ごしたい…
  • 自分の時間を楽しみたい…

これしか頭にはありません。どうにかその場をやり過ごし、長く長く感じた時間が終わります。

 

  • 「あの態度は何だ?」
  • 「お前は俺に付き合うのは嫌なのか?」

やはり雷が落ちました。顔が真っ赤になるほど激怒しています。

 

「申し訳ありませんでした。しかし私はキャバクラに行った事もなく、ああいう場所は苦手なんです」と謝罪しその場を逃れますが…当然許してくれません。

 

「じゃあお前はもっと経験を積むべきだ!」

「明日から覚悟しておけよ!」

そう言い残して去っていきました。

 

アルハラを受ける日々、家でゆっくりしたい…

あの日から、ほぼ毎日、営業部長に飲みに誘われます。「YES」しか答えがないので断れません。いわゆる「アルハラ」を受けます。

 

アルハラ

アルコールハラスメントの略。アルコールにまつわるパワハラ全般。無理やり飲まされる、強制参加させられる等。体育会系企業にありがちな風習

 

私はお酒が好きでも得意でもありません。でも飲まないと許してくれません。その結果ずっと二日酔いの日々。そして、家に帰っても寝る時間しかないため、仕事しているか、寝ているか、しかありません。仕事が終わったら真っ先に家に帰りたいのに…それが許されない事にだんだんと苛立ちが募っていきます。

 

営業部長は結婚していましたが、子供がいないため、家に帰ってもやることがないそうです。私もやることはありません。ですが、このおっさんと過ごすよりも、有意義な時間になることは間違いありません。

 

  • 「俺がお前くらいの年齢の時は先輩の言うことは絶対だった」
  • 「飲みに誘われたら喜んで行ってた」
  • 「進んでお酌していたし、一晩中付き合うのは当たり前」
  • 「寝てる暇があれば先輩に付き合って仕事を習え!」

 

部長とは一回り、二回り、歳の差があります。価値観や考え方が全く違います。新人を入社させてこなかった小企業のため、上司が化石のまま進化していません。なにかあれば「昔」「俺の頃」はです。

 

「もういい加減にしてくれ…」

 

商品を自腹で買え!

営業マンは顧客へ商品を売って会社に貢献します。それと反対になるのが自分自身で商品を購入する、通称「自爆営業」です。もちろん「あってはいけない行為」です。強制させるなんてもっての外。

 

「お前、成績を上げれないなら自腹で買え」

 

営業部長は堂々とパワハラをしてきます。確かに営業成績は乏しく反論は出来ません。ですが、その原因の1つは「毎日飲みによる睡眠不足」にあります。この一言で、今まで我慢してきたものがフツフツわき、こらえきれないものは言葉へと変わりました。

 

  • 「私は先輩方よりも給料は貰っていません」
  • 「そんな事したら生活に支障が出ます」
  • 「毎日睡眠不足できついです、毎晩飲みに誘われるのがつらいです」
  • 「自分の時間をください」

 

「……言ってしまった」

半分は気持ちよかった、そして半分は後悔。

 

結果は…あなたが想像する通りです。

 

最後に

 

口下手だったこと、心から精一杯はやってなかった事、私にも原因はあります。営業部長はずっと体育会系の中で生きてきた人なのでしょう。私は文化系、一人を楽しむタイプです。価値観の相違が生んだ結果だった、と今では思っています。その営業部長を恨んでいるわけではありません。

 

会社を辞めてからは介護系の専門学校に通いました。そこで資格を取り就職をしています。大変なことは多いですが、それでも自分にあった仕事だと思っています。体育会系、アルハラとは無縁ですからね。

 

退職してから一度だけこの会社に挨拶にいきました。「会いたくないな…」と思っていた営業部長はそこにはいませんでした。どうやら会社のお金に手をつけてしまったことがバレて、クビになったそうです。

 

毎日使っていた飲み代は、会社のお金だったのかもしれません。そう考えると会社に申し訳ない気持ちになりましたが、あの時はどうしようもありませんでした。