どんな職場、職種でも、会社の人間関係って大変だと思います。世の中にはいろんな人がいて、いろんな考え方があります。
仕事を辞める理由で最も多いのが「人間関係」だそうです。パワハラ、セクハラ、上司や同僚と上手くいかない、社内いじめ…。いろいろな問題を抱えていますね。
私が辞めた理由は「職場にサボり魔が多いこと」でした。上にあげた理由からすると何だそんなこと?と思われるかもしれません。それでも、耐えきれず退職という道を選びました。
- 「職場にサボリ魔が多くてやる気が無くなる…」
- 「サボりたいがために周りが仕事を押し付けられてくる」
同じような思いをしている方はきっといるはず。そこで思い切って私の体験談を書こうと思い筆を取りました。
イメージと違う?ドロドロ薬剤師
病院にかかった後に、薬を受け取る場所を調剤薬局といいます。誰しもが一度は利用したことがあるでしょう。そこで薬の調合、接客をしているのが薬剤師となります。
薬剤師になるには最低でも6年間薬学部に通い、国家試験に合格しなければいけません。仕事に就いてからも勉強の毎日、患者様に間違いがあってはいけないので日々慎重な作業が必要です。
そんな真面目そうな仕事にも関わらず…
私が勤めた薬局は「サボり魔」ばかりでした。
仕事に慣れた?ならどんどん仕事与えるわね
大学を卒業して調剤薬局に就職。定年する薬剤師がいたため、その補填として私が採用されました。もちろん即戦力としては期待されているはずはありません。それでも、必死に努力して成長しようと考えていました。
そんな必死な姿に「ゆっくりでいいのよ」と温かい言葉をかけてくれる先輩薬剤師さんたち。優しく色々な仕事を教えてくれました。対応の仕方、薬の調合、病気について。そのおかげもあって、入社半年で何でも出来るレベルに成長しました。
そこまでは良かったのです…先輩薬剤師たちは徐々に本性を表し始めます。「仕事に慣れたよね?どんどん仕事与えるわね」と、この一言が引き金になりました。
嘘つき残業GETする人たち
日中の営業時間、そして閉店作業まで終えると勤務が終了となります。日によっては残業になることも。
しかし、この職場にはタイムカードが存在していませんでした。薬局長が認めた場合は残業、認めない場合はサービス残業となります。この認めたか?認めないか?の基準は不明確です。気分によって付けているとの噂もありました。そして、どれくらい残業がついたのかも分かりません。
とある日、たまたま職員の残業申請が目に入りました。唖然としたのが…毎日薬局長(自分)の分だけたくさんつけていました。嘘で残業代を稼いでるのです。また、薬局長と同年代で仲良しの薬剤師さんには残業が付くんです。同じ時間勤務しているにも関わらず、残業の付き方に差がありました。
「これはひどすぎる…」
どうしたら良いかも分かりません。
さらに嫌だったのが贔屓を受けている薬剤師たちです。日中やるべきことをやらないで、定時が過ぎた後に急に頑張るのです。薬歴の記載をサボって残業として対応、薬局長と繋がっているので当然残業が付きます。
この事実を知ってから、サービス残業をして頑張ることがバカバカしくなりました。私は一切のサービス残業をやめることにしました。私自身もどんどん負に落ちていってしまったこと。それは今でも後悔しています。
気づいた人がやる、という不明確な決まりごと
何かを共有する時、決まり事があると思います。家族でも、友人でも、学校でも。決まりごとがあるのは前提で、各自が気遣いをみせることが大事ですよね。
一方、この薬局では決まりごとが不明確でした。「気づいた人がやる」というスタンスです。在庫の補充や納品の片付け、ゴミの片付け、お掃除等々、たくさんの雑務があります。
それを誰もやりません。必然と年下の私が全てをやることになります。みんな気づかない振りです。先輩たちは手があいていても、携帯をいじったりお喋りをして楽しんでいます。
「あ、ごめん。気づかなかったー」と毎回嘘を言ってきます。私が他業務で忙しく、出来ない時もあります。その時だけ「なぜやらないのか?」と言ってきます。助け合いの精神も、気遣いの心も、何もかも無い職場でした。
変な職場は、変な職員を育てる
良い職場は、良い職員を育てると思っています。逆もしかり。先輩薬剤師たちも昔は仕事に熱を持っていたのだと思います。ですが、職場の雰囲気にだんだんと染まっていったのでしょう。残念ながら悪い方向に…。
忙しくなると必ずいなくなる人
患者さんが一度にたくさん来る時間帯があります。その時に限っていなくなる薬剤師がいました。トイレに行っていた、と言うのですが明らかに嘘でした。忙しい時間帯になると携帯を握りしめていなくなります。他職員も怠慢と気づいています。怖いからか、面倒だからか、誰も何も言えません。
イライラを物に当たる人
引き出しの開け閉めの音でイライラを表す人がいました。忙しかったり、思い通りにいかないことがあると、「バーンッッッバーンッ」と音が聞こえてきます。引き出しが壊れたこともありますし、患者さんから「どうしたの?」と聞かれることもありました。これも誰も注意出来ません。
大きすぎる声でバカ話する人
私語の声が大きすぎる人もいました。待合室の患者さんたちに聞こえてるくらいの大音量、そして甲高い笑い声。ここは薬局で病人がいるのに…。不謹慎な行動から、いつ苦情がくるか怖くてたまりませんでした。
わざと動きを遅くしてサボる人
「わざとですか?」と言いたくなるほどゆーっくり仕事をする人もいました。ベテラン薬剤師なのに、1つ1つの行動が遅いんです。薬の場所がわからない時、誰にも聞かずに30分も探していたことも。パソコンも人差し指だけで入力、間違いを「天然だから」と片付けたりします。
ほぼ全員「サボりたいオーラ」出しすぎ
そして、ほぼ全員が働きたくない負の感情が出まくってました。受付から一番遠い奥の席に座っています。受付近くにいるのは、私と年の近い先輩の二人だけ。
必然的に私たちの仕事量が増えます。奥の席からは患者の有無も見えず、私たちが患者対応をしている事も分かりません。みんな休憩して携帯いじいじ、お喋りです。言葉は悪いですが…職場全体が腐っていたと言えます。
ストレスで体調を壊す人も
このひどい状況に苦しんでいたのは、私だけではありませんでした。一番年の近かった先輩は、職場の人間関係に悩み、眠れなくなりました。精神科に通い睡眠薬を処方してもらったそうです。仕事中も動悸やイライラのため、漢方や抗不安薬を服用するように。
別の先輩は、ストレスによる突発性難聴を発症。体調を壊す人がいても、誰も職場環境の改善には取り組んでくれません。私もすっかり気が滅入っていました。近い将来自分も精神科に通うのではないかと…。
最後に
その後、本部から偉い人が視察にきました。お話する機会があったため直接現状を訴えて改善を図りました。
- 「え?みんなちゃんと働いていたよ?」
- 「もう少し様子見て報告して」
その日だけ、バリバリ働く薬剤師達。見て見ぬふりする偉い人。何もかもが嫌になって退職をしました。
現在は違う調剤薬局に勤務しています。当時が嘘?だったかのように素晴らしい薬剤師たちに囲まれて勤務が出来ています。環境が変われば職員の雰囲気も全然違いますね。
あの時は本当につらい思いをしましたが、今でもこう考えています。「情熱もなにもない、薬剤師の心を失った可愛そうな人たち」と。もし、同じような状況の方がいたら早く行動したほうが良いです。染まったらこれまでの努力がムダになってしまいます。