スペインで働く!パティシエとして5年スペインで働いたのでその感想

飲食

私は現在スペインで働いています。職種はレストランのパティシエで、だいたい5年ほどになります。

 

  • 「スペインで働いてみたいけど…どうなのか?」
  • 「海外のレストランで働いてみたい」

 

私がスペインで体験していることを記事にしていきます。職種は違うかもしれませんが、少しでも参考になることを願って。

 

なぜスペインで働くことになったのか?

もともと料理人だったわけではありません。高校時代に旅行したスペインが忘れられず、大学では留学先となりました。

 

卒業後スペインで働くことを決めていましたが、職種はまだ決めていません。進路に迷っていたある日、友達から勧められたのが料理人でした。

 

「私の住んでいる街に良い料理学校があるよ」

 

きっかけはこの一言。スペインにはたくさんのレストランがあります。観光大国でもあるスペインにおいて、料理人は食いっぱぐれることはありません。まさにピッタリの仕事だったと思います。

 

学生時代〜スペインで就職するまで

 

料理学校の学費(2年間)は約100万円です。スペインにしては高めでしたが、料理、実習、経済学、経営学、マーケティングなど総合的に学ぶことができました。

 

年度末(夏休み)には派遣実習制度があり、2ヶ月間レストランに働きに行きます。生徒それぞれが地域や国、レストランの種類など希望を出します。

 

私は1年目はパンプローナのホテルに、2年目は近くの一つ星レストランで実務しました。どちらも他学校の学生もいて、レストランの近くに住居を与えられます。実習生はそこで共同生活を行い、学びと仕事をこなしていきます。

※パンプローナ…都市名、牛追い祭りで有名

 

2年目の実習後、いよいよ仕事探しです。私は実習先のレストランで雇ってもらえることになり、そこからキャリアがスタートです。

 

スペインで働く1日、タイムスケジュール

「スペインの人はあまり働かない」

こんなイメージをお持ちではないでしょうか?

 

スペインでは「シエスタ(昼寝)」があります。そのため、働かないイメージを持ってしまうのだと思います。ですが…実際はかなり働いています(笑)

 

パティシエの一日

  • 10時半 出勤、仕事開始
  • 11時 予約確認、下準備、賄い
  • 13時 賄いタイム、みんなで円テーブルに座って食べます
  • 13時半 開店、ランチタイム
  • 16時 ランチタイム終了、片付けとキッチン掃除

ー解散ー休憩時間はシエスタ(昼寝)、コーヒーブレイク

  • 20時半 再出勤
  • 21時 開店、ディナータイム(デザート準備、盛り付け)
  • 24時 ディナータイム終了、掃除片付け

休憩はありますが、拘束時間はけっこう長いです(笑)

 

食事時間が遅いのも日本との違いと言えますね。料理人はどこも同じようなスケジュールです。一般的な企業でしたら、もっと短い勤務時間かと思います。

 

スペインのパティシエ、給料はいくら?

月給17万円(月割ボーナス込)

 

他では12万弱のところもあったので、これは平均以上と言えると思います。日本と比較すると安すぎると思われるでしょう。物価は安いのでこれでも暮らしていけるのが実情です。

 

参考までに、私の住んでいるワンルームは3万円、コーヒー一杯150円、タクシー初乗り400円といったところです。

 

残業と休みはどう?

週40時間契約のところ52時間ほど働きます。12時間の残業という計算になりますが、これは支払われません。

 

休みに関しては変則的ですが、日曜日の午後、月曜日、火曜日の午後が休日となります。週6出勤の会社もあったので良心的な方だと言えます。

 

言葉が通じなくても料理ができれば大丈夫?

海外で働くうえで気になるのが「外国語」だと思います。

 

スペインに関しては言葉が通じなくてもレストランで雇ってもらうことは可能です。猫の手も借りたいところも多いからです。

 

しかし、パティシエの場合は事情が異なります。少なからず語学は必要ですし、また覚えようという気がないと難しいと言えます。

 

コースにしてもア・ラ・カルトにしても、アペリティフ、前菜、メインと続いてきます。デザートは一番最後、その前には何皿もあります。

 

どのテーブルが今どの段階にいるのか?ちゃんと見ながら盛り付けてかなければなりません。お皿にケーキをぽんと乗せるだけではないからです。

 

例をあげると、アイスクリームは最後の最後までのせられません。しかし、ホットデザートは前もって温めていかないと間に合いません。

 

この時間調整がパティシエにおいて重要となり、自分の目だけではどうしても足りません。キッチンとホール全員が一つのチームとして動くには、どうしてもコミュニケーションが必須です。

 

  • 「テーブル3はメインがだいぶ前に出たけどどう?」
  • 「まだ一人食べてるけど2分後に盛り付け始めて」

 

こんな会話がとても重要になってきます。ですので、ある程度の会話ができないと、下準備しか任されない可能性が高くなります。

 

スペイン人は陽気でのんびり屋

日本で働いたことはないのではっきりとは言えませんが、お客様にも国と国で違いが見られます。日本人の場合、きっちりとした方が多いと思います。閉店時間になればその多くが店をあとにするでしょう。

 

一方、スペインのお客様は陽気でのんびり屋です。ランチやディナーを楽しむといった印象が強く、優雅な時間を過ごしています。

 

ランチのラストオーダーは16時ですが、食事の後コーヒーを飲みながらおしゃべりに花を咲かせたり、カクテルやリキュールなどを食後に嗜む方も少なくありません。

 

お店から追い出すこともしないので、お客様が自ら店を出るまでウェイターは残らないといけません。ひどいときは午後18時、深夜2時になることもあります。

 

日本の居酒屋のように深夜営業のレストランがなく、夜はバーかディスコ、という文化の影響もあると思います。

 

最後に

 

私が体験しているスペインでのパティシエについて書いてみました。もし、日本のレストランで働いている場合、仕事内容はだいたい同じなのですぐに馴染むと思います。

 

唯一の違いはよくしゃべること(笑)

こちらのユーモアに慣れたらとっても楽しく仕事ができますよ。ぜひオススメです!