「ソーハラ」という言葉をご存知ですか?
ソーシャルメディアハラスメントの略で、SNSを使ったパワハラのことを言います。
最近はなんでもかんでも「ハラスメント」をつけて表現します。
・モラハラ(モラルハラスメント)
・マタハラ(マタニティハラスメント)
・アルハラ(アルコールハラスメント)
など40種類近くあるそうです。
それについていかがなものか、と感じる方は多いのではないでしょうか。
私も大げさだなと…と感じていましたが、SNSを使ったパワハラを受け病気になりました。
身近なSNSが恐怖に変わる。
それは受けた人にしか分からないつらさがあります。
この記事ではSNSを使ったパワハラ、私が実際に受けたソーハラについて書いていきます。
同じようにソーハラの被害にあっている方への参考、また私のように被害を受ける方が少しでも減らば良いな、という思いで記事を書いていきます。
夢だった子供と関わる仕事
私は学生のころから子供と関わる仕事を夢見ていました。
その中でも希望は学童保育です。
私が子供のときに学童保育にお世話になり、その時の先生が本当に素敵で大好きだったから、というのが最初のきっかけだったと思います。
学童保育については小学生が対象です。
両親がふたりとも働いている共働き世帯。
放課後や長期休みに 1 人で居るのが心配、そんな子供が預けられいっしょに時間を過ごします。
「子供と遊ぶだけなんて簡単じゃん! 放課後の短時間だけなんでしょ?」
と感じる方もいるでしょう。
実際には、事務仕事もたくさんあります。
役所への提出書類も多く保育時間が終わってからの仕事も多いです。
そして転勤も多い仕事です。
市内には児童館が何箇所もありますので、上司や同僚が入れ替わるのはよくあることです。
そこで出てくるのが人間関係のトラブルです。
私は人間関係がきっかけで病気になり、夢であった学童保育の仕事を辞めるまでになりました。
問題上司がやってきて状況が一変
夢だった仕事、充実した毎日でした。
分からないことがありながらも、優しく教えてくれる上司。
子供たちの笑顔に癒される毎日。
「先生遊ぼう」「先生大好き」
その言葉は聞くのが私のやりがいでした。
1 年が経ちお世話になった上司 2 人が異動になりました。
次にやってくる人は問題がある上司とのこと。
「今まで何人か辞めさせてるから気をつけてね」
「大げさだな、大丈夫ですよ!」
優しい上司を見てきたからこそ、その時は重くは受け止めませんでした。
何をやっても否定される…パワハラの始まり
問題とされていた上司が赴任してきました。
仕事を覚えるため書類を見て確認、というのが最初の流れです。
標的になったのは私の先輩である岡田さんです。
困った時に助けてくれる、私が頼りにしている人です。
問題上司
「全ての書類のやり方が変」
「上司はなにをさせてきたの?」
岡田さんは今までの仕事を全否定されました。
「向いてないから辞めたら?」と強く言われるときもありました。
一番許せなかったのが「だから子供ごときになめられるのよ」という言葉。
この人は子供たちのことをどう思っているのか…
夢だった学童保育、みんな同じ気持ちでいると思っていました。
悲しくて悔しい…。
岡田さんはその後も標的になり続け、1ヶ月の休職へと追い込まれてしまいました。
手足の震えが止まらない…体がおかしい
岡田さんが休んでいるあいだも仕事は続きます。
一番大変なのが季節の行事です。
私は昨年経験をしているので任され、それを思い出しながら毎日準備に追われていました。
問題上司の標的は私に変わっていました。
「こんなので良いの?昨年なにをやっていたの?」
怖くてつらくて、でも必死です。子どもたちが楽しみに待っていますから。
この時は限界を超えていましたが、綱渡りのように何とか渡っていた。
後になってそう思えます。それだけ岡田さんがいない間なんとかしなきゃという思いがあったのかと。
問題上司はあいかわらずです。
休職中している岡田さんの悪口ばかり。
尊敬している先輩を悪く言うことに…胸が痛みました。
「あんたのせいで休職になったのに!」
なんて言えるわけがありません。
岡田さんは無事戻ってきました。
それと同時に私が限界を迎えました。
上司の顔色を伺いながら仕事をしてきたからなのか。
帰りの運転中に異変が起きました。
・意識が飛びそうな感覚
・手足の震え
・過呼吸
休みながら何とか帰宅。
理由はわからないけど…涙が出て止まりません。
離れて暮らす母の声が無性に聞きたくなりました。
電話中も涙が止まりませんが、仕事のことは伝えませんでした。
「このままだと家族に心配かける」
そう思ってなんとかしよう、その一心です。
しかし体は言うことを聞きません。
ソファーに座ったとたん…
「血圧が急に上がるような感覚」がやってきて、頭がおかしくなりそうでした。
「自分の感情が抑えられない、このままでは死ぬ」
旦那に救急車を呼んでもらい緊急搬送に…
ストレスによるうつ病、パニック障害と診断
搬送された病院では
「うつ病」 「パニック障害」の診断ですぐに心療内科を進められました。
「なぜ早く対応しなかったのか?」
と言われるくらい追い込まれていたようです。
それくらい自分が限界だったことには気づいていませんでした。
心療内科に通院する日々。
重度のストレスによるパニック障害、うつ病。
あらためて診断されました、心の病気になるとは思っていなかったのでショックだったのは間違いありません。
病気のことを伝えるのは嫌でしたが、仕事が出来る状態ではありません。
岡田さんが復帰早々に今度は私が休職することに。
SNSによるパワハラ、ソーハラの始まり
休んで数日後…
問題上司のSNSに私のことが書かれている。
書き込み:「ただでさえ使えないのに休んで負担増やすなよ!」
「・・・・」
言葉が出ません。
書き込みはこれだけでなく「ウソつき」「ずる休み」と書かれることもありました。
私がSNSを見てしまったのが悪いです。
ただ直接言われるよりも本当につらいです。
見るのは自分だけではありません、他のスタッフも見ます。
休職して1ヶ月がたちましたが…とても復帰できる状態ではありませんでした。
SNSへの書き込みがエスカレート
休職期間を延長させてもらうことに。
これによりSNSの書き込みはエスカレートしていきます。
「うつ病はウソ」
「ウソついて仕事休んで大人として恥ずかしい」
同僚からは
「陰口を周りにも言いふらしている」 と聞きました。
もはや私が悪者です。
ソーハラで退職
回復の兆しはなく退職することになりました。
そんな時まで
「顔も出せない奴め」 との投稿。
職場内だけなら、我慢は出来たかもしれません。
でも事情の知らない人がSNSの投稿を見たらどうでしょう?
私は社内で悪者扱いです。
それだけSNSによるソーハラは怖いです。
今でこそ少し落ち着きましたが、その時はSNSが怖くて怖くて仕方ありませんでした。
でも、どうしても気になるから確認してしまう。その悪循環。
今同じような状況の方もいらっしゃると思います。
本当に苦しいはずです。
頑張って我慢してる、体調に変化が出てしまった。
無理しないで! 我慢しないで!
私のように人間関係で体調が悪くなる前に、その環境を変えてみることを検討してください。