サッカーが大好き!!
そんな私が就職先で選んだのはサッカークラブです。
子供たちにサッカーを教えたり、社会人が使うフットサル場の管理などを行う仕事です。サッカーとなにかしらの形で1日中関わる仕事といえます。
「なんとなく楽しそう!」というイメージを持った方もいるでしょう。毎日好きな事ができるし、子どもたちに囲まれている。
一般企業の営業職のように、売上げやノルマに追われることもない。キラキラと輝いて仕事をしている。
私も最初はそう思っていました。しかし、現実はそう甘くはありませんでした。あまりのブラック企業、社長のひどさ、わずか1年で退職の道を選びました。
- サッカークラブで働きたいと思っている方
- ブラック企業で苦しい思いをしている方
私がサッカークラブで体験した出来事、そして転職してどうだったか等の体験談を書いていきます。参考になると嬉しいです。
1日14時間勤務!終わりは深夜の2時…
早速ですが、とにかく勤務時間は長いです。もちろん勤務先にもよるでしょう。
私の勤め先は1日14時間勤務、残業ではなく日常です。あまりの長さに初日から面食らったほどです。
11:00 出社
11:00〜15:00 練習内容の打ち合わせや準備など
15:00〜17:00 幼稚園クラスレッスン
17:00〜19:00 小学生クラスレッスン
19:00〜21:00 中高生クラスレッスン
※担当のメインクラス、アシスタントのクラスを行う。さらに送迎バスを運転する日も
21:00〜24:00 フットサル場の一般利用対応や運営
24:00〜1:00 反省会、今後のミーティング
1:00〜2:00 事務作業、片付け、掃除
2:00 業務終了
とにかく長いです…。
レッスン中は担当する仕事が出来ません。そのため、全てが終わった24時から作業が始まります。
ミーティングで「何をやっていくか?」話し合いますが、深夜と疲労で頭が働きません。
昼間にできなかった事務関係の片付け、月謝やフットサル場の売上管理。深夜2時頃からクラブハウスの掃除やビブスの洗濯をして帰宅となります。
しかも、土曜と日曜は朝7時に出社しなければいけません。業務時間は16時間に及ぶことがあります。
そのため、金曜と土曜は自宅に帰る暇がありません。スタッフみんなで職場の床や椅子に寝ることが多かったです。
「勤務環境がおかしいと声をあげる人はいなかったの?」と思う方もいるでしょう。
私も何度も抗議しようと思いました。ですが、体育会系であるため、後輩が声をあげることはご法度です。先輩や上司に現状を変えようと意見するのは難しく、ただ受け入れるしかありませんでした。
激務の毎日がただ時間が過ぎていく。入社前の情熱はどんどんしぼんでいきました。
そんな職場では離職率も半端ではありません。たくさんスタッフが入っては、辞めていくのを繰り返す。そんなカオスな環境でした。
プライベートの時間?そんなのありません!
仕事が終わってプライベートの時間を過ごす。自分の時間を過ごしたり、家族と一緒にいたりする。これは毎日欠かせないと思います。
しかし、勤務時間が長すぎてそんな時間はありません。悲しそうに家事と一人で育児をする妻の姿を毎日見てきました。
休日もほとんどありません。週1日、月でわずか4日ほど…。貴重な日も、家の溜まった雑務や日用品の買い出しで終わってしまいます。
「温泉やディズニーランドへ連れて行きたい」と思ったことは数知れず。しかし、給料は高くない。時間もない。仕事で疲れすぎている。現実は厳しく、家族に可哀想な思いをさせていました。
仲の良かった友人とも時間が全く合わず、次第に誘われることがなくなりました。加入していたフットサルチームの活動にも参加できず、仕事だけの毎日です。
SNSもまた私を苦しめます。
- 楽しそうに週末を過ごす友人たち
- 公式戦に勝って喜ぶチームメイトの姿
投稿を見るたびに、うらやましい気持ちでいっぱいになります。
「ここで働くことは本当に正しいのか…」と自問自答するようになっていきます。
給与が支払われない!給与遅れが発生
そんな状況でも家族は応援してくれました。サッカーが好きで選んだ仕事、子供たちに教えるのは幸せなことでした。
体にムチをうちながら続けて半年がたった頃、給料日に振込みが無くなりました。
給料は社長自らが振り込んでいました。「申し訳ないが1人で作業をしているので理解してほしい」と2〜3日遅れで入金されます。
給与遅れはかなり問題だと思いますが…ここでも体育会系が出てしまいます。遅れただけでは文句が言いづらく黙認していました。
すると、それを良いことに1週間遅れに。終いには、こちらから声を上げなければ、支払われない状態にまでなってしまいました。
社長は申し訳ないという素振りは見せず、明日入るから心配しないでと言うだけです。「さすがにこれはおかしい…」と思い、期日にお願いしますと声をあげました。
その結果、逆ギレ。「しっかり月額で払っている。そもそもおまえは、その額分の選手を入団させ、育成したのか?」と罵声を浴びせられました。
私には妻と子どもがいます。同僚も似たような状況で家庭を抱えています。このままでは先行きが不安…。ここにきて退職することを決意しました。
最後に
「退職します」
意を決して伝えました。
ひと通り話を聞き終わった社長から、労いの言葉は当然ありません。急に言われても困るから、あと2ヶ月は働けとのこと。
渋々承諾しました。その2ヶ月間もハードでしたが、退職できる嬉しさから、なんとか乗り越えることができました。
最終日にお世話になりましたと言いにいくと「おまえみたいなやつはいらないから、早く出て行け」とひどい一言。
さらに「最後の1ヶ月の給料は払わないからな」「もし訴えたら今後サッカー界にはいれなくしてやるからな」とも脅されました。あまりの不誠実さに、怒りを通り越して、悲しいとか哀れとさえ思うほどでした。
その後、本当に給料が支払われることはありませんでした。ですが、もう関わりたくないという思いから相談することはありませんでした。
今は一般的な企業で働いています。決して楽な仕事ではありませんが、当時より収入も休みも倍になりました。2人目の子供も生まれ充実しています。
「思い切って行動して良かった」
そう思いながら当時のことを振り返り文章にしました。