公務員として市役所で働きたい?20代男性にはオススメしない!このままでは自分がダメになると感じ地方公務員を辞めた体験談

人間関係

あなたが現在20代男性。そして公務員として市役所で働きたい。

 

そう考えているなら「絶対にオススメしません!!」

 

私は、8年勤めた公務員を退職しました。安定していて人気がある仕事です。それでも辞めた理由はなにか?「このままでは自分がダメになる」と感じたからです。

 

これを読んでくれる方は現在学生でしょうか、あるいは一度社会人に勤めていて公務員を目指しているのでしょうか。いずれにせよ若くてこれからを担っていく世代、男性であればなおさら仕事のウェイトが高いはずです。

 

そんな未来ある人材が「足を引っ張られる組織」に入ってしまえば、その先の人生は大きく変わってしまいます。公務員になりたいと考えている方へ、本当に正しい選択か今一度考えてみてほしいです。

 

地方公務員にどんなイメージを持っていますか?

 

  • 給料が安定している
  • 仕事が楽そう
  • クビになることがない

といったあたりではないでしょうか。これらが事実の一部であることは間違いありません。ですが、全てが事実ではありません。

 

「給料が安定している」

 

自治体により違いますが、概ね低下傾向にあります。労働組合が頑張って交渉していますが、今後給料が低下することはあっても、上昇することはないでしょう。

 

「仕事内容が楽そう」

 

  • 意図的に仕事を遅くして、他の仕事が来ないようにしている人
  • 勤務時間中は9割方喫煙室にいて、窓口対応がなくなる勤務時間外になると働き始める人
  • 市長、部長に顔が利いて、昔の知識だけをひけらかしているだけの人

 

どうしようもない人間がいるのは事実です。その人間が悪目立ちしているから楽そうという印象が強くなってしまいます。その人達の裏ではきちんと働いている人がいることは忘れてはいけません。

 

「クビになることがない」

 

これは事実でそのとおりです。よほど法律に反することをしなければ、クビにすることができないのが公務員です。

 

夜中の繁華街で酔っぱらって、他人の自転車を盗んで、交通事故を起こす

⇛謹慎だけ

 

禁煙地区で喫煙していたら警察官に注意されたので、腹を立てて殴った

⇛謹慎だけ

 

いずれも在籍中に聞いた話ですが、民間からしたら甘いものです。そのため、仕事で楽をしている人間もクビにすることができません。結果として、真面目な人間だけが擦り減っていく仕組みになっているのです。

 

私が8年間担当していた職務について

 

本記事では、私が公務員を辞めるきっかけとなった出来事を記述します。これにより公務員として働きたいと考えている方への警鐘。または同じように公務員の仕事に嫌気がさしている方へ転職へのきっかけとなれば幸いです。

 

私が8年間で担当していたのは3部署です。

  • 下水道管理
  • 道路管理
  • 緑地管理と建築関係

 

下水道管理

 

下水道部門にいたときは市民の関心が低いことから、あまり市民との対応はありませんでした。私が就職していた中で最もストレスがなかった部門と言えます。

 

道路管理

 

道路部門では市民対応がかなり多かったです。対応する必要はあるが予算がないので対応できないことが多々。その板挟みが非常にストレスでした。

 

業務内容に対して人員が少なすぎると常に思っていました。市内全域の道路工事に関する手続き業務を、職員1人で行うことが正常な状態であると、なぜ過去の部課長は判断したのでしょうか。

 

緑地部門

 

緑地部門が最も大変な部署でした。市民対応が多いこともそうですが、部署内の人間が揃いもそろってスキルが足りていないのです。

 

この現代において、パソコンを使いこなせる人がほとんどいません。「ワード、エクセルてなに?」そんな状態の人ばかり。

 

部署内の全ての業務内容を把握している人がいない。やる気がなくその場しのぎ。文書をどこに保管するのか決めていない。とどめに課長が定年間近でボケている、数秒前に見た文書内容を忘れるほどやばい状況。

 

「あっ、この組織ダメだな」と早々に諦めました。

 

前任者が無能すぎる!事務歴30年でパソコン使えない

 

下水道部門から緑地部門に異動となり、それぞれに居た異動対象の職員を交換する形の異動でした。そこでお互いに相手へ業務の引き継ぎを行ったのですが、前任者の仕事への意欲ゼロ感がすさまじかったです。

 

前任者は50代半ばの事務職で、入庁してからずっと事務をしている人です。事務歴30年です。それにも関わらずワード、エクセルを使いこなせないのには驚きです。

 

例えば、前任者が緑地部門に異動してくるよりも前に、ある情報を集計するエクセルファイルがありました。今後もそのファイルに必要な情報を入力していけば、必要なデータが出力される仕組みになっています。

 

何ら難しい話ではなくて、業務経験が無い高校生でも出来るレベルです。

 

私がそのファイルを開いたところ、ある年度からデータがごっそり抜けている状態でした。このことについて前任者に聞くと、「エクセルの使い方が分からなかったので、別にファイルを作っていた」とのこと。前任者が作ったファイルも確認しましたが、何の集計もされていないメモ書き状態。

 

「この状態からどうやって必要なデータを出力するんですか?」と聞くと、手入力でその都度人力による作業をしていたようです。当然パソコンが使いこなせないので作業にかかる時間が膨大となっていました。

 

改めてデータをまとめ直したところ、前任者が手作業で2週間を要した作業が、たった1日で終わりました。私の14倍の時間をかけて仕事をしていたようです。

 

また、下水道部門で私が作ったファイルがあったのですが、使い方が良く分からないとのことで手作業に戻していたようです。こちらも、私が半日で終わる作業を、前任者は1カ月かけていたようです。つまりは60倍の労力をかけていました。

 

この時点で「大分頭がおかしい」「仕事が全く出来ない」「プライドが高すぎて分からないことを放棄する人間」なのですが、こういう人たちはたくさんいます。

 

それに出くわす度に「ああ、この人もか」と思ってました。

 

仕事が適当すぎて個人情報が流出

 

緑地部門の事業で「個人情報、氏名、住所、銀行口座」を扱うものがあります。

 

この事業はある条件を満たした市民へ助成金を交付するものです。本来であれば各個人へ情報を渡していいか承認をとった上で、JAの担当者にお渡しする流れです。

 

ですが、私がきた時点で取られていた方法は、そんなやり方ではありません。そのままJAの担当者へ情報を渡す。本人への同意は後付けで取るというもの。ただし、そんなことは有耶無耶にされていて無かったことになります。

 

これが「個人情報流出」

中学生が聞いてもヤバイことくらいは分かります。

 

「何でこの方法なんですか?」

「個人情報流出しているのでやばいですよ?」

と前任者へ聞いたところ。

 

「分からない」の一言。前にやっていた人のを真似ただけ、とお役所らしい回答が返ってきました。さらに市役所内部でどのような扱いになっているのか調査したところ、その事業で個人情報は取り扱うが第三者への提供はないということになっていました。

 

「この仕事ではまずいんだけど?」

 

と聞いたところ、「そんな扱いを決める文書があるんですね」とまるで他人事。30年も仕事しているのに、無知にもほどがある。

 

結局、私が異動してからJAに個人情報を提供することは停止させましたが、異動前に行われていた個人情報は回収しようがありません。こうやって個人情報というのは漏れていくんだろうなと、ゾッとした瞬間でした。

 

公文書偽造の指示

 

最近世間を騒がせている公文書偽造というキーワード。特に政治に意識を向けていなくても、聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

いろいろ騒がれていますが、実際にあることです。私も緑地部門にて公文書偽造の指示を受け、実行しました。

 

前述のエピソードに戻りますが、JAに個人情報を提供していることについて、文書で提出することになりました。口約束ではなくて、書面にして、文字にして、お互いのことを確認するために発行されるのが文書です。

 

詳しい内容は省きますが。「JAに個人情報をお渡ししていますよ」と文書にして約束を取り交わす、ことを意味しています。文書は該当部署上長の決裁を受けなければならない決まりがあり、その決裁が終わった後は文書を書き換えることができません。

 

手間を重ねて決裁が完了。

これで「公文書」として正式な書類となります。

 

決裁が終わり安心していた所、一悶着あります。

課長「やっぱりあの文章が気に入らないから差し替えてこい」

私「決裁をとったのだから既に提出しましたよ?」

課長「いいからやってこい」

 

私は泣く泣く文書の差し替えを行いました。JA担当者にもお願いして差し替えてもらったのですが、心証は明らかに悪かったです。やばいことくらいはアチラも分かっているはずですから。

 

ちなみに差し替えの指摘箇所は「差出人である市役所の名前を消去する」でした。後々この文書が第三者に見つかった場合、市役所の名前が入っているとまずいからと言われました。

 

文書の差し替えを実行する前に職員課、部長にも話をしたのですが、業務内容について指摘することは職員課、部長の所管ではないので、指摘出来ないと言われました。

 

公文書に関する補足ですが、入庁して2018年現在30代前半の職員は「公文書とはこうしなければいけない」という研修を何度も繰り返し実施します。40代以降の職員にもこういった研修が用意されているのですが、参加は任意ということになっています。参加率はゼロに近いそうです。

 

その結果が公文書偽造です。どれだけ若手が知識を得て、まずいと分かっていても、その上がこれではどうしようもありません。

 

この一件が引き金となって、これまでの鬱憤が吹き出てきました。両親にはもちろん反対されましたが、地方公務員を辞めることにしたのです。

 

  • どれだけ努力しても誰かに足を引っ張られる
  • 仕事(職場)を改善しようとしても拒否反応
  • パソコンすらまともに使えない人たち
  • やる気がないがプライドだけは豊富な上司たち
  • 違反行為を平気な顔して指示を出す無能

未練は何もありませんでした。

 

一般企業へ転職したら求めていた「ふつう」があった

 

私が辞める決断をしたのは「30歳」という節目がありました。転職するなら今しかない。そう思い一般企業へ転職することにしました。

 

そこには私が求めていた「ふつう」が存在していました。

 

  • 当たり前のようにパソコンを使う
  • 上司は能力が高い人達(全員ではないが)
  • 改善しようという提案に耳を傾けてくれ実行してくれる
  • コンプライアンス(法律遵守)を重視

私が今までいた空間は何だったんだと思うことばかり。

 

転職して1年が経った今では、戦力として活躍させてもらっています。もっともっと向上したい、これまで我慢してきたことが外れたように感じます。

 

もちろん不満が無いといえばウソになります。しかし、公務員を続けていたとしたら、私も将来同じような人間になってしまうのではないか。仕事という時間をただ過ぎていくことしか思わない、そんなつまらない人間になっていたのかもしれません。

 

最後に

 

繰り返し言います。

  • 20代男性
  • 市役所で働きたい

そう考えている方はもう1度考え直してください。自分がどう仕事をしたいのか、どういう人材になっていきたいのか。

 

  • アルバイトをやっていて自分は仕事ができる方だと感じている
  • 責任感(リーダー気質)がある
  • 何かを成し遂げたい

こういう人材であれば尚もったいないです。たった一度の人生、思いっきり自分の力を試して働くのが幸せですよ。