私立高校で働く教員の実態とは?4年勤めて分かった私立高校で仕事するメリット・デメリット

教育

私立高校にどんなイメージを持っていますか?

  • お金がある
  • 交換留学などグローバル教育が充実!
  • 意欲のあふれる教員が多い
  • 熱心な部活動指導
  • 進学実績が良い

 

このようなイメージをもつ人が多いのではないでしょうか。確かに有名大学附属校やスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定された高校はお金があります。そのため、イメージに合致する教育や指導を受けることが出来ます。

 

しかしながら、そうではない普通の私立高校は教員不足が頻繁にあり、授業が実施されるかどうかも危うく高校の存在自体も懸念されているのです。

 

この記事では、学校運営を必死に行う私立高校の教員として、4年間働いて分かったこと。メリット・デメリットを書いていきます。

 

教員として働くなら公立高校か?私立高校か?

 

高校教師として働くと決めた後に考えることが「公立か?私立か?」です。公立試験を受けてダメなら私立を選ぶ方法でも問題ありませんが、事前に情報は知っておいたほうが良いです。

 

教員が働くなら公立高校と私立高校のどちらがいいか?

公立高校

  • 公務員に近い
  • 給与・勤務が安定している
  • 転勤あり

私立高校

  • 一般企業に近い
  • 給与が勤務先で違う
  • 学校ごとに特色がある独自性
  • 転勤なし

 

私立高校しか勤めたことがないので、本格的に比較は出来ませんが、友人と話す限りはこれらの違いがあります。仕事内容に関しては大差ありません。部活や事務作業が絡むことも同じです。そのため、仕事が楽、残業が少ない等はほとんど差がありません。

 

私立高校を選んだ理由

 

就活でさまざまな業種を見たうえで私立高校を志望しました。理由は進学校で働きたい。長年かけて積み上げていきたかったからです。公立では配属された高校で働かなければいけません。どれだけ受験対策を頑張っても、数年後には別の高校に配属される可能性があります。

 

私立はその高校でのみ勤務、転勤はありません。毎年毎年ノウハウを、実績を積み上げていくことが出来ます。希望は叶い進学校へと就職。年々、国公立大学の進学者数を上げ、地元では有名になりつつある学校です。

 

私立高校の教員(仕事内容)

担任

  • 分掌業務(募集、広報、進路、教務)
  • 授業
  • 部活動顧問

9割以上の方は高校卒業者だと思いますので、当時の先生を思い出して頂ければ仕事内容は分かると思います。知っているよ、と言われそうですが主にはこの4つです。

 

スケジュール

8:20~ 職員朝礼

8:30~ クラス朝礼

8:50~16:20 授業

16:30~ クラス終礼、掃除

17:00~19:00 部活動

19:00~20:00 居残り自学習可能

20:00 生徒 完全下校

生徒が完全下校した後、だいたいの教員は残業をします。仕事が終わった順に帰宅し、21時頃にはほぼ全員が退社していました。スケジュールからも分かる通り、生徒が学校に滞在する時間が長いため、勤務時間は他校よりも多いと思います。

 

私立高校教員として働くメリット

私立高校教員で働く良い点

 私立高校教員のメリット

  1. 初任給が高い
  2. 授業にオリジナル性がある
  3. 新しい取り組みが実行されやすい
  4. 人脈が広がる
  5. 転勤がない

 

私立高校出身のため、私立の教員になりたいという思いがありました。公立高校よりは自由に仕事が出来るかな…と感じたメリットを紹介します。

 

私立高校教員メリット1.初任給が高い

 

公立教員と比べて初任給が高い傾向にあります。

 

私のケース(大卒/22歳)

初任給 240,000円

常勤講師/担任無し

 

担任業務があると26万円になります。ボーナスは3~4か月分で80万前後です。毎年、業務評価表を提出し、その評価が高ければボーナスが増えていきます。

 

公立では年数、年齢によっても変わってきます。一方で、私立は実力があれば上を目指せるところがあります。ここは一般企業に近いかも知れません。年功序列ではなく、能力や努力を評価してくれます。

 

私立高校教員メリット2.授業にオリジナル性がある

 

授業の年間計画は主に会議で決まります。生徒に合わせ教材を変えたり、アクティブラーニングなどの新しい授業方法を導入したりすることは簡単でした。

 

主任「夏休みの宿題何をすればいいと思う?」

出版社が見本として持ってきた夏休みのドリルが机に並べられる。

 

私「計算問題が苦手な生徒が多いので、●●出版社のドリルを使いたいです」

主任「そやな、一回それを使ってみようか」

 

若い私の意見がたったの5秒で通ります。公立では絶対無理です。

 

授業はこうしなければいけない、この会社の教科書を使わなければいけない、という閉塞感はありません。授業の方針が頑なに固められていないところが私立らしさですね。自分のやりたいことをさせてくれる一方で、進学校としての結果を求められましたが…。

 

私立高校教員メリット3.新しい取り組みが実行されやすい

 

公立校では地域での取り組みや行事があります。私立はそれが無い変わりに、学校として行事を増やしたり減らしたりすることが簡単にできます。

 

生徒会主任「ボランティア週間を取り入れてみませんか」

教員「広報にもなり、地域との連携をとるチャンスになるかもしれません」

校長「いい考えかもしれない、やってみよう」

 

新しい考えや取り組みを会議で発表する場は多く、またそれの受容は柔軟でした。自分のアイディアがすぐ形になるのがメリットです。

 

私立高校教員メリット4.人脈が広がる

 

行事は多種多様な業界に協力して頂く必要があります。

 

「○○講師に講演会の依頼をしたいのですが」

「高校生をボランティアにうかがわせたいのですが」

 

手当たり次第連絡をし、行事の実現をしていきました。教員以外の方とお話しできる機会はめったにないため、人脈が広がり世界観が広がりました。

 

私立高校教員メリット5.転勤がない

 

専任教員として働けば定年まで同じ職場で働きます。つまり転勤がありません。

 

マイホームを建てる、地域での付き合い、落ち着いた暮らし、といった穏やかなプライベートを送ることが出来ます。また、異動がないことが分かっているので、卒業生がたびたび母校を訪れてくれます。

 

卒業生がアルバイトで生徒の自習監督をしたり、入試の手伝いをしたりと母校に来る機会も多くあります。教員にとって卒業生に会うことが出来るのはとても嬉しいことで、会う度に元気をもらいました。

 

私立高校教員として働くデメリット

私立高校教員として働くデメリット

 

メリットもあれば当然デメリットもあります。私が感じたデメリットです。

 

私立高校教員のデメリット

  1. 仕事量が膨大
  2. 保護者からの要望が多い
  3. 休みが少ない
  4. 人間関係に悩んだら終わり!

 

私立高校教員メリット1.仕事量が膨大

 

有名な私立高校以外はどこも教員不足です。そのため、非常勤講師で可能な限り授業を補ってます。雑務を必要最低限の常勤講師と専任教員で回します。

 

雑務は想像以上に多いです。秋には新入生獲得のために募集の仕事が始まります。中学校へ営業に出かけたり、パンフレットなどの資料を作ったり、とにかく忙しいです。

 

公立高校の教員は営業まではやらないかと…。また、私の学校は事務員も不足しているので、会計処理も教員で分担してこなす時もありました。

 

私立高校教員デメリット2.保護者からの要望が多い

「私立なんだから!」

「たくさん学費払っているのよ」

と何でも屋扱いです。次から次へと要望が降り掛かってきます。

 

  • 「成績が悪い!補習を実施してください」
  • 「夏休みに宿題をしない!だから見てください」
  • 「東京大学に合格させてくださいね」

ないがしろにも出来ず…。たくさんある仕事が、さらに増えてしまうことがあります。

 

私立高校教員デメリット3.休みが少ない

 

日曜日しか休みはありません(私の場合)

 

土曜日は半日授業ですが、放課後に面談が入る。あるいは部活動で帰ることができません。また、日曜日に生徒募集の行事が入ることが多々あるため、月3日休むことができれば万々歳でした。

 

ちなみに…

運動部の顧問になると、休みは月でたった1日です(笑)

 

私立高校教員デメリット4.人間関係に悩んだら終わり!

 

人間関係に悩んだら終わりです。転勤が無いため辞めるか、我慢するしか選択肢がありません。これは一般企業と同じかも知れませんね。

 

年配の先生方と10年、20年も同環境で過ごす必要があります。また、若い教員は出入りが激しいため、雑に扱われることもあります。どうせすぐに辞めると思われているため、悪循環が起きています。複雑な人間関係に悩み、途中で辞職する同期や後輩も何人かいました。

 

【転職検討】まず教育業界全体を見るのがオススメ

 

教師を募集する転職サービス(サイト)があるようです。

 

ですが、運営実績がまだ浅く確実な成果が出るとは言えません。なにより狭い世界しか見れないのはもったいないと思っています。転職するのはかなり労力がいります。せっかくの機会、広い視野で見ることが重要です。

 

あなたがもし私立高校教師に転職を考えているのであれば、まず教育業界全体を見ることをオススメします。まず私立高校自体そこまで数が多くありません。求人が必ずあるわけでもなく、絞れば絞るほど採用までの道のりが長くなってしまいます。

 

私も始めから私立高校教師を目指したわけではありません。就職活動を通して最終的に私立高校教師に決めました。

 

大手の転職サイトで教育業界全体を見てください。私が知ってる中で一番オススメなのはマイナビAGENTです。もちろん私立高校教師の求人も含まれています。

マイナビエージェント

 

最大手なので安心感があります。

 

大手のリクルートが運営しているサイトなので、とにかく求人が集まってきます。転職先はもちろん、退職相談にも乗ってくれます。一般職への転職で不安な方にピッタリのサービスです。私も一度相談したことがあります。

 

サイト登録すると専任のコンサルタントから連絡があります。現在の状況や希望する仕事など相談してみてください。お金はかかりません。完全無料ですので、まずは登録して不満や希望を話してみてください。

 

その中から求人が送られてきますので、興味があるものを選べば紹介してくれます。情報が漏れることはありませんので、今の職場にバレるといったリスクもありません。

 

面接スケジュール調整も全てコンサルタントが行ってくれます。働きながらだとなかなか連絡が取りづらいし、そうでなくても面倒だと思います。そういった細かい点もエージェントが代理してくれるのが楽ですね。

 

もちろん、相談したから必ず転職しなきゃいけないわけではありません。何かを強制されることはありませんので、とにかく相談してみるのがオススメです。

 

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「とりあえず求人を見るだけがいい…」

という場合は「リクナビNEXT」の方がオススメです。

 

リクナビNEXT
こちらも最大手のリクルートが運営しているサイトです。

 

「とりあえずどんな求人があるのかな?」

と見てみたい方に最適なサービスです。

 

自分が希望する条件にチェックしておけばメールが届くし、自分で検索することが出来ます。まだ転職する気がなくてもオススメです。5分で完了&無料です。登録サイトなので電話もかかってこない!(けっこう大事)

 

そのため気軽に使えます。求人情報を集めて感度をあげておくのは重要です。

 

「いつか考えよ…」とになる前に事前に準備しておくのが肝心です。ですので、リクナビNEXTに登録しておいて損はないです。

 

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まとめ

 

4年働いた私が感じたメリット、デメリットをあげてみました。想像しているよりはるかに忙しい業界ではありますが、生徒たちと共に頑張ることが出来るこの仕事は本当に楽しいです。

 

自分のやりたいこと、目指す教師像が明確でしたら、ぜひ私立高校教員をオススメします。就職、転職希望の方はぜひ参考にしてみて下さい。