【給料が求人票と違う】安月給、残業過多、昔の社風…。新卒で入ったブラック企業を1年半で辞めた体験談

会社に未来がない

「ブラック企業」

近年この言葉をよく耳にします。私もブラック企業に勤めて、わずか1年半で退職に至りました。

 

上司

 

3年以上は勤めろ!我慢が足りないと思われて転職できないぞ!

こんな声もあるでしょう。しかし、現実は違いました。私は新卒1年半で辞めたにも関わらず転職に成功。

 

ホワイト企業にたどり着きました…(ホッ)

 

この記事では私がブラック企業に苦しんだこと、そして現在の企業はどうか、について書いていきます。

 

ちなみに…

  • 社長ヨイショしなきゃいけない社風
  • もともとの求人票と違う安月給
  • 残業が多すぎて日付をまたぐこともあった
  • 事故に合うも労災下りず

このような内容となっています。

 

就職先は広告の営業職(ルート営業)

大学を卒業したのはリーマンショックから数年後、 就職氷河期が少し緩和された頃です。大学で学んだデザイン系の知識が生かせたらと、何となく求人広告の営業職に応募し採用となりました。

 

業務内容はルート営業&新規開拓、 割り当てられたエリアを巡ります。広告掲載希望の企業を探す、受注、 広告記事のデザイン、掲載地域の提案が仕事内容です。

 

同期入社は約20人、大半が新卒ということもあり安心感があったことを思い出します。この時、半分近くの同期とお別れするとは思っていませんでした。

 

社長をヨイショ!それがここの社風

入社して一番最初に抱えた悩みが「新入社員一発芸」です。

 

社長へのヨイショはもちろんのこと、先輩社員を喜ばせなければいけないそうです。「まさか平成20年にもなる現代にも残っていたとは…」と昔のドラマで見た現実が広がっていました。

 

同期みんなで考えて出したのが、会社を褒め称える替え歌です。社長に年代を合わせた古めのCMを、社長を誉める感じでパロディ化したものです。

 

新入社員一発芸は、なんともいえない結果で終えました…。とにもかくにも安堵したのが半分、また半分はなんともいえない不安な気持ちに押しつぶされていきます。

 

「この会社…怖い、やっていけるかな…」

言葉には出さずとも、新入社員同期みんながそう感じていたことでしょう。もちろん私含めて。

 

求人票と違う?!安月給に唖然

新入社員歓迎会の洗礼を受けて、最悪の船出となりましたが、なんとか社会人1ヶ月目がスタートしました。まずは、先輩社員と同行し業務の流れを覚えるところからです。

 

初月からなかなかの激務…。1日2時間の残業、振り替え無しの土曜出勤がありました。

 

「新卒だし…社会人ではこれが普通なのかな」と、この時は特に気にしていませんでした。それよりも早く仕事を覚えて、戦力になりたい気持ちが強かったです。

 

必死になって仕事を続けること1ヶ月、初給料日を迎えます。

 

職場では給与明細を開けないまま、職場をあとにして帰路につきます。その途中、同期の一人から電話がかかってきました。

 

私

給与見た?こんな給料だったらこの会社に入らなかった…

慌てて自分の給与明細を確認しました。 そこに書かれていた金額はわずか15万円。

 

「求人票では確か月給18万円だったはず…」

後日分かったのですが、一部例外と小さく書かれていました。一部例外とのことですが、同期はみんな月給15万円です。そして先輩に聞いても同じとのこと…詐欺ですね…。

 

時給に換算すると300円すらありませんでした。最低賃金を大きく下回る金額に愕然としました。

 

ウチは求人情報を扱う会社です。そのため、広告主様にはこのように伝えています。

  • 「最低賃金を割る金額では掲載できません」
  • 「もう少し金額を上げて求人を出しましょう」

まさか、自分の会社が違反をしているとは(笑)

 

「もしかしたらアルバイトの方が稼げるのではないか?!」

そんな考えが脳裏をよぎりました。

 

とはいえ、せっかく掴んだ正社員の立場です。とりあえず続けよう、まずは勉強しよう、そう決意して2ヶ月目を迎えたのです。

 

ただ、残念ながら同期の一人はここで脱落します。初任給を見て早々に退職届けを出していました。

 

家に帰れない!時給はまさかの100円代…

就職してから1年が経ちました。20人いたはずの同期で残ったのは半分以下の9人だけ。

 

次の就職活動のために最低3年は頑張ると公言していた人ですら辞めていくような環境でした。

 

それもそのはず、どの営業所でも長時間残業は当たり前。定時の8時間は外回り、定時を過ぎてから事務処理を始めます。この処理が膨大にあるため終わるのは22時頃、ひどいときは日付をまたぐ時も…。

 

仕事だけならまだしも、手を止めて上司のありがたいお話も聞かないといけません。ニュースやラジオで仕入れた最新の話題、本で読んだ偉人の名言。 誰かに話したくて仕方ない上司が標的にするのは、 大抵逆らわない新入社員です。

 

自宅は寝るだけのスペース、外回りとオフィスで過ごす時間が圧倒的に多い現状でした。

 

営業職でしたが歩合ではなく固定給、残業代は1円も出ません。恐る恐る時給を計算してみました…。

 

「時給150円?!」

思わず声が出てしまいました。知らない方が良かった…後悔が残りました。

 

負の連鎖!同期が次々の体調不良

 

半分残った同期。1年耐えきったツワモノたちですが、次第に体の変調に悩むことになります。

  • ストレスで10kg以上体重が増えた人
  • 睡眠障害になった人
  • うつ病の診断を受けた人

 

ついには、居眠り運転で大事故を起こした人までいました。それほど追い込まれていたのです。私もそのうちの一人…。

 

交通事故!労災下りず…ひどい扱い

大事故は社内でも大きく取り上げられ、注意するようお達しがきました。私も気をつけねばと思っていた矢先、自転車で営業活動中に車にひかれる事故に遭いました。

 

ゆるやかなカーブのある狭い道を走行していたとき、 スピードを落とさず走っていたタクシーと接触、転倒、自転車と道路に足を挟まれました。

 

タクシーには逃げられてしまいました。車を追うどころか、起き上がることもできません。人気(ひとけ)のない道で痛みに耐えながら、なんとか壊れた自転車を起こしました。

 

骨折はしませんでしたが、スーツの上からでも分かるほど足が腫れていました。血がにじんでいるところも数箇所。

 

幸いにも病院が近い所にあったので、自転車と痛む足をひきずって受診しました。結果は打撲と擦過傷。 大怪我にはならずに済みましたが、全治 2~3週間となりました。

 

就業中の事故ですので労災、治療費が出るのが唯一の救いでした。

 

病院を出てすぐ、電話で上司に状況を報告。心配をしてくれましたが、電話を切られそうになったので、労災について聞いてみました。

 

「すみません、労災申請の方法を教えてください」

と伝えたところ、これまで親身になっていた上司が豹変します。

 

特に声色を変えることもなく…

  • 「歩ける程度なら、大丈夫だよね」
  • 「労災にしちゃうと保険料がさ…ちょっとの事故なら我慢しよう?」

その一言で、心の中でプツンと糸が切れるような音がしました。

 

「もう、この会社に一秒も居たくない」

入社1年半、大きな決意した瞬間でした。

 

新卒入社わずか1年半、退職しました

決意してからはあっという間でした。あと1ヶ月先延ばしにしたらボーナスをもらえていましたが、お金よりも早く退社したい気持ちのほうが強かったのです。

 

有給消化に入りましたが、ここでもトラブルです。有給消化なんてシステムはうちの会社には無い、とぼけられる始末。さらには、有給日数が本当は20日あるのに、10日と誤った情報を与えられます。

 

最後の最後までいい加減な目に遭いましたが、先に辞めていた同期の力を借り、無事に損をせず辞めることができました。

 

すべて終えてしまってから立ち返ると、 支えになったのは同期のみんなでした。もし、一人で苦しんでいたら辞めることができず、つらい日々を送っていたかもしれません。

 

耐えることでこれから役立つこともあります。 しかし、そうでない苦しみも存在します。そういう時は逃げてもいいのです。

 

転職!その後どうか?

辞めてからは無事に転職ができました。「すぐに入った会社で成功しました! 」と言いたいところですが、そんな上手くはいきませんでした(笑)

 

2社目ではお局様にいじめられました。無視され、業務連絡を回されず、私物や財布の中身まで盗まれ、ずいぶんな目に遭わされました。

 

そんな時でも転職経験は役に立つものです。「こんなことをされてまで、私はこの会社にいたい?」 と自分に問いかけ、早々に切り上げました。

 

24歳で早くも3社目と負い目がありました。ですが、辞めたら辞めたで資格をとったり、スキルを向上したり、可能性は広がるものです。

 

そのときに取った資格と身につけたスキルが幸いし、有給あり、年間休日120日以上、1人で生きていけるだけの給与を得ることができました。

 

陰湿な攻撃もされない会社で、節目の30歳を迎えることができています。

 

最後に

 

色々な思いで、ブラック企業を辞められずにいる方は、大勢いると思います。

 

「この会社はなんだかちょっと変。けれど、ここが1社目だから私が知らないだけなのかも。世の中の会社はみんなこんなものなのかもしれないし…」

 

こんな思いで必死に耐えている方もいるでしょう。しかし、キャパシティを大幅に超えた“無理”はしてはいけません。

 

本当にあなたのためになっていますか?

 

辞めることを推奨するわけではありません。 しかし、現状を帰るために逃げることも立派な選択肢です。

 

これから先の道を選ぶにあたって、「辞める」を悪いことと思わないでください。選択肢の一つとして受け入れてもらえたら――そう思ってこの記事を書いています。