はじめまして、私は20代の歯科衛生士です。大学で国家資格を取得、近所の歯科医院へ就職しました。
「ここで長く勤めれたらいいな」
そんな希望はたった1ヶ月で打ち砕かれました。
歯科衛生士として働くあなたへ、退職や転職で迷われていることでしょう。私の体験談がなにかの役に立つことを願って、記事にしていきます。読んでいただけると嬉しいです。
新しい歯科医院を選んだ結果…ひどい状態
私が選んだのは「新しい歯科医院」です。開院して半年ほど、内装は広くないですがキレイで清潔感のある医院でした。気持ちよく働けるとワクワクしていました。
私は審美歯科、主に歯のクリーニングをメインにしている歯科医院を希望していました。就職先の募集要項には「就職後は歯のメンテナンスを担当」と記載されていたので合致していました。
お給料も新卒にしては十分なほどでした。見学での印象も悪くなく、ここで就職することを決めました。
しかし、実際に働いてみると状況は違いました。患者さんが多くスタッフは少ない。あまりの人手不足で、資格を持っていない助手が歯のクリーニング、仮歯を作っていました。
入社してたった3日で「ここやばいのかも…」と不安を持ったことを覚えています。
イライラする院長に悩まされる日々
私が与えられた役目は院長のアシストでした。始業から最後までつきっきりです。
院長はかなりのせっかち、治療の丁寧さよりも早く終わらせることを最優先としていました。患者さんが多くそうせざるを得ない背景もあったのでしょう。
「いつもイライラしている」
周りはビクビク…私もそのうちの一人、怖くてしょうがなかったです。
毎日なにかしら怒られていましたが、始めは自分のアシストが悪いと思い改善するよう前向きに考えていました。
そんな辛い毎日を耐えて1ヶ月、一通りのアシストが出来るようになりました。しかし、状況は変わりません。院長の気分によって違うので、私がどうやっても怒られるのです。
職場の先輩によると、院長は以前働いていた歯科医院でも女性スタッフに酷い態度で接していたとのこと。それを聞いたときの絶望感はすごかったです…。
毎日がつらく、職場に行くと思うと体が固まったかのように硬直します。ストレスで食事もまともに取れなくなってしまい、毎日泣きながら帰宅をする日々。
アシスト以外の仕事は一度もさせてもらえませんでした。状況が変わることは今後も無さそうです。
「このままでは病気になってしまう…」
やむを得ず退職を決意しました。
院長に退職希望を伝えたところ、何度も引き止められました。退職届けもなかなか受理してもらえなかったのですが、意志が固いことを電話で改めて伝えました。
そのまま出勤せず退職の運びとなりました。
私が歯科衛生士としてどう転職活動したのか?
実は…1年半ほど無職として過ごしました。
歯科医院で働くことがトラウマになってしまい、次の行動へとなかなか移せませんでした。
ダラダラと好きな事をして過ごす日々。
- 「明日から動こう…」
- 「来月から頑張ろう…」
- 「あと3ヶ月だけ休もう…」
負の連鎖は続いていきました。貯金もつきかけた頃、このままではマズイと思い、重い腰を上げました。
ネットの求人サイトから、通勤圏内の医院にメールを送りました。院長と直接メールのやり取りで日程を決めます。
まずは見学で診療風景、準備室などを一通り見させてもらいました。その後は勤務時間、条件、診療方針などを説明していただきました。
院内は落ち着いており、スタッフさんが積極的に声をかけてくれます。職場の雰囲気はとても明るく、ここで働きたいと素直に思いました。
「面接を受けさせてください」とお願いしたところ、人手不足なのもあってその場で即採用になりました
- 前の職場で1ヶ月しか働いてなかったこと
- 1年半のブランクがあること
正直に伝えましたが、心良く受け入れてくれました。
歯科衛生士は不足している!安心して再就職可
「歯科衛生士が不足している」のが現状です。歯科医院はどんどん増えていますが、スタッフの人数が追いついていないのです。
私のように…すぐに辞めていても、ブランクがあっても何とかなります。「再就職できないかも」と気にしてはダメです。
再就職先の候補に入れていた歯科医院の中には「3年以上の経験が必要」と記載しているところもありました。しかし、ほとんどの歯科医院が未経験でも受け入れてくれます。
転職して1年、その後どうか?
お給料は決して多いとは言えませんし、夜遅くまでの勤務で楽とは言えません。しかし、人間関係の良好な職場に就職できて、落ち着いて仕事ができています。
転職する際、また前と同じような職場だったらどうしよう、自分にこの仕事は向いてないんじゃないかと不安しかありませんでした。
しかし、実際に働いてみると院長は理不尽に怒るようなことは無く、スタッフの意見も聞き入れてくれるので働きやすいです。
歯のクリーニングや、先生の予約が取れないときは銀歯調整を任されることも増えました。クリーニングは担当制なので、私に積極的に話しかけてくれる患者さんも多くできました。
まだ、スムーズに出来ないことはありますが、歯科衛生士としてのスキルは着実に上がっています。もし、前の会社に残ってアシストばかりでは得られなかったものです。
最近スタッフが1人退職してしまったので、常勤の歯科衛生士は私だけになってしまいました。その分だけ大変ではありますが、さらに多くの患者さんを任されるようになりました。
夜遅くまでの勤務、人手不足による仕事量、大変なことはたくさんあります。
ですが、クリーニングが終わって「口の中がスッキリした」と言ってもらえることが何度もあります。そのたびに、仕事の苦労を忘れて充実感で満たされます。
歯科衛生士の転職を考えている方へ
私と同じ状況の方は沢山いらっしゃると思います。次の就職先が決まっていないから辞められない、と不安に思っていることでしょう。私もそうでした。
慣れている職場を離れ、新しい環境で働くことは勇気が必要です。しかし、嫌な思いをしながら毎日過ごすよりも、少しだけ勇気を出して新しい環境に飛び込む方が楽だったりします。
私は転職して良かったと、声を大にして言いたいです。
アドバイスとして、仕事を辞めたら1ヶ月以内に次の就職先を見つけることを目標にすべきです。
私の場合、最初の1ヶ月は早く次の職場を探さないといけないと思っていました。ですが、それを過ぎると今度は働くことへの恐怖心が出てきてしまってのです。
ムダな期間ではなかったと思いますが…あまりオススメはしません(笑)