中学、高校、専門学校。
学校生活には先輩、後輩が存在します。
嫌な先輩に苦労した経験は誰しもがあるのではないでしょうか?
「やっと学校生活が終わった!」と安心したのもつかの間、社会人になってもその縛りは続きます。
私は先輩からいじめを受けました。いじめ、パワハラ、しごき…。いろいろな呼び方があると思いますが、標的にされたのは間違いありません。
現在、あなたは同じような経験をしているのでしょうか?
私が体験したことを記事にします。なにかの参考になることを願って。
学校に行きながらアシスタントとして美容師に
私はサロンでアシスタントとして働きながら、3年間の専門学校に通いました。国家試験合格を目指す通信課程で美容師免許を取得します。サロンで必要とされるシャンプーやカット、カラーの技術は筆記試験に関係ありません。
通信生徒の場合、営業終了後に両方のレッスンが必要です。先輩美容師に教えてもらうのですが、それがまた一苦労です。
社員は私だけ、先輩は全員パート美容師です。モチベーションに大きな開きがあるため、毎日レッスンを見てくれません。
- 営業中に先輩の仕事ぶりを見る
- そこから技術を盗む
- 分からないことがあれば質問
これが指導方針でしたが、実際はその通りになりません。先輩はみんなパートのため、時間になるとそそくさと帰ってしまいます。
営業終了後は店内の掃除、締め作業をするのに精一杯です。質問するタイミングを逃してしまい、分からずじまいです。これではいけないと思い…営業中に質問をするのですが、仕事のジャマだと思われたのでしょう。だんだんと態度や言葉が冷たくなったように感じられました。
質問ができない日々、怒鳴られることも…
「これはいじめではないか?」と思い始めたのは入社5ヶ月頃です。
一人の先輩に質問したところ、別の先輩(Aさん)が突然会話に割って入ってきました。質問したことは答えてもらえず、私を無視して違う話題に変わっています。
用があるならと、私は質問を中断するしかありませんでした。「また今度、空いた時間に聞きに行こう」と最初は思いました。しかし、次の日も、その次の日も同じことが繰り返されます。次第に質問する機会を失っていきます。
入社して6ヶ月。シャンプー、カラー塗布と美容業の楽しさを少しずつ感じるようになった頃でもあります。
しかし、私は大きなミスしてしまいました。一人の担当者に、同じ時間、予約を重なてしまいました。Aは店内に響き渡るほど、大声で私を怒鳴りつけました。私に問題がありましたが…とても悔しかったです。お客様は驚いて振り返っていた光景が忘れられません。
その日以来、予約が重なってしまうと、必ず私が怒られるようになりました。予約は紙にペンで記入するので、見れば誰の字なのか分かるはずでした。しかし、全責任は私です…。
- 「あんたが間違えた!」
- 「またやったね!いい加減にしろ!」
他人のミスを押し付けられます。それ以外にもなにかあれば、お客様の前で怒鳴られます。たとえ私が悪くなくても…。
他の先輩に相談してみても「アシスタントのうちは我慢するものだよ」とだけ。誰もめんどくさいことに関わりたくなかったのだと思います。
自信を失う日々、いじめは加速
入社して8ヶ月が経ちました。
毎日理不尽に怒鳴られ続ける日々は変わっていません。むしろ、悪化していました。だんだんと自分にも自信が持てなくっていきました。
- Aは挨拶すら無視するようになりました。
- トイレにも行けないことがありました。
- お昼ご飯も食べられないことがほとんどです。
お昼を食べていない私が1人だけ仕事をしていて、スタイリストは談笑しているか、スタッフルームでスマホゲームを楽しんでいる。そんなことが続いたのでオーナーに相談したところ「それがアシスタントの仕事だから」と言われてしまいました。
「誰か助けて…」
と内心思いながらも、ここで逃げ出せば美容師になることはできません。
- 「まだ学校を卒業していないから辞めたら終わり」
- 「資格を取るまでは我慢…就職して違うとこにいけば変わるはず」
自分にムチを打っていました。
「ジャマ」の一言で何かが崩れてしまった
精神状態はボロボロでしたが、ギリギリのラインで保っている状態でした。それが一気に崩れ落ちる出来事がありました。
とある金曜日。週末ということもあり忙しく、私1人では全ての仕事に手が回りませんでした。珍しくAがフォローに入ってくれたのです。
「ありがとうございます。手が空いたので変わります」と声をかけました。返答がないので再度声がけをします。
A「…………ジャマ、話しかけないで」
この時、何かが崩れ落ちました。腰がくだけるガクンとくるような感覚。
学業とサロンワークを自分なりに両立してきたつもりでした。至らないことも確かにあったと思います。それでも心無い一言で努力は無かったことにされてしまう。
「私が何をしたというんだろう?」
夜、一人で答え探しをします。
気が利く方ではないけれど、仕事をサボったことはありません。休憩もなく、昼食も食べず、朝から晩まで働いている。
- 「他の美容室のアシスタントもみんな同じ思いをしている」
- 「つらいことに耐えて頑張っているに違いない」
- 「他の人が出来るなら私にだって出来るはずだ」
- 「怒られて成長していくのでありがたいことだ」
- 「きっと私の考えが浅はかだから、先輩の意図に気付けていないんだ」
こんなことを思っていました。無理矢理に答えを探すのです。起きていることはいじめではなく、教育だと思い込みたかったのでしょう。どうしてでもAがやることを正当化したかったのです。
振り返ると、そう思い込むことしかできないくらい追い詰められていました。
友人から救いの手「死ぬ前に遠くに遊びに行こう」
入社して10ヶ月が経ちました。
無視され、怒鳴られ、一人で遅くまで片付けをする。以前と何も変わっていません。つらい思いを抱えたまま年越しを迎えました。
年始のお休み、ひさびさに友人と会うことになりました。
「死ぬ前に遠くに遊びに行こう」
と言われたのです。
最初聞いたときはびっくりしました。私から死にたいと言ったことはありません。友人は会わないながらも、なにか異変を感じ取っていたのでしょう。
ひさしぶりに友人と再会。遊びにいくのも高校時代以来です。楽しい1日になるはずが、日頃のストレスから心から楽しむことができません。
ランチ(パスタ)は2口しか食べることができませんでした。そのあと服を買いに行きました。友人が選んでくれたニットワンピを持って鏡の前に立った時、愕然としたのを覚えています。
そこには痩せこけた顔色の悪い、まさしく死んだ魚の目をした自分がいたのです。まともな食事ができなくなっていたこと、傍から見たら今にも行方をくらましてしまいそうだということを自覚しました。
私「今から死ににいくみたいだね」
友人「本当だよ(笑)やっぱり遠出は今度にして帰ろうか!」
詳しい事情にはふれないでくれて、ただ笑ってくれました。
あの時、遊びに連れ出してくれた友人には今でも感謝しています。その友人に会わなかったら、もしかしてこの世にいなかったかも…。そう考えると恐ろしいですね。
最後に
後日オーナーに「もう限界です。辞めたいです」と全てを話しました。
直談判したところ、別の店舗に移動させてもらうということで話が落ち着きました。おかげさまで、今は先輩にもお客様にも恵まれて楽しく仕事をしています。