女性が仕事をするうえで考慮しなければいけないことが「出産」です。
産休・育休をとると1年ちょっとの間、職場を離れることになります。1年もあれば職場環境、上司、同僚と色々変わっているはず。
- 戻ったら私の知っている職場では無かった…
- 私の居場所が無かった…
そんな悩みを持つ方は多いと思います。私もそのうちの一人、産休育休明けには職場での居場所が無くなっていました。「絶対戻ってきてほしい」と上司から言われたにも関わらず、コロっと変わってしまったのが悔しいです…。その体験記事です。
育休明けでも「戻ってきてほしい!」上司からの嬉しい言葉
仕事は歯科医院の受付。小さな個人病院でスタッフも少なく、職員1人あたりの比重が大きな職場でした。正社員は私一人だけ、その分だけこなす役割は大きかったです。
勤務して4年目、子供を授かりました。この小さな病院では産休を取ることは難しいと思い悩みに悩んで、院長に退職の意思を伝えました。
「申し訳ありません、子供ができました」
「出産ぎりぎりまで働いて後継へ引き継ぎします」
院長からは意外な言葉が返ってきました。
「辞めないで欲しい」
「保育園に入れたらまた働いてほしい」
「人件費が…経費が…」が口癖でよく聞かされていたため、意外な言葉でビックリしました。そして嬉しかったのを覚えています。「また戻れるんだ」と自分の居場所があることがどんなに幸せなことか。
約束通りギリギリまで働きます。その間に、新人としてアルバイト2人が加わりました。医院がちゃんと回るように精一杯教え、産休前の仕事を終えました。
育休で仕事が休めると思っていたが…仕事の電話
少しはゆっくり休めるかなと思っていましたが…。たびたび仕事の電話がかかってきます。月1回行わなくてはいけないレセプトも、最初は院長が確認するからいい、と言ってくれていましたがうやむやに。
レセプト
医療で使った明細書をまとめる作業、間違えることができない
新人2人にはレセプトのやり方は教えましたが、月に1回しかない仕事。しかも重要な仕事のため、全てを任せることは出来ません。院長が確認してくれれば済む話でしたが、いつの間にやら私が出向いて仕事をすることになります。
レセプトは2時間ほどで出来るのですが、産まれたばかりの娘を連れて行くわけには行きません。母に仕事を休んでもらうことで対処していました。
待機児童で育休があけない
育休を取ってもうすぐ1年が経ちます。そろそろ育休期間は終了し復帰ができるかも…というところで、勤めていたアルバイトが退職することになりました。しかも二人ともほぼ同時にです。理由は旦那さんの転勤。
すぐにでも私が復帰しなければいけませんが、待機児童の問題に直面してしまいました。「1歳児は待機児童が多いんですよね」は担当者の言葉。
保育園に入れない場合は、育休を延長するのが一般的です。大きな会社ならそれも叶うでしょうが、小さな会社、個人経営となるとそう簡単な話ではありません。院長にとっては踏んだり蹴ったりだったと思います。
「(私が)早く戻ってくれば他に雇う必要ないのに」
「○○さん(私)が帰ってきたら人が余るからどうしたらいいか」
このように言われてしまえば謝ることしか出来ません。院長の気持ちも分かりましたが、私にはどうすることも出来ないことです。信頼関係に少しずつヒビが入り、お互いの不満が募っていくことに。
復帰するも…育休明けで職場に居場所がない
ようやく待機期間が終わりました。休みを頂いてから1年半も経ってしまいましたが、職場復帰することになります。職場復帰すると新しいアルバイト3人が雇われていました。「人件費が…」と言っていた割に3人も雇っているので、不思議な感覚を受けました。
後々分かりましたが、院長は私に依存しない形を作ろうとしていたようです。確かに休んでいたことは申し訳なかったのですが、それが露骨に見えたことが悲しくもあります。私はだんだんと居場所がなくなり追い込まれていきます。そして最後は退職。
「居場所がないエピソード」をいくつか紹介いたします。
1.教えても話を聞かない、メモを取らない
私は正社員という立場だったため、3人を指導する役目がありました。重要なのはレセプトです。これを教えないと私が辞める時が来たときに、出来る人がいなくなります。
一生懸命分かりやすく教えたつもりですが、全くできるようになりません。何度やっても何度教えても。どうやら覚える気も聞く気も無かったようです。メモも取らないので何度同じことを言ったかわかりません。
3人とも私の年上です。仕事を始めたタイミングも同じだったため、仲がすごく良く、みんな同じような態度を取ってきます。突然現れた正社員(上司)の私が嫌に感じていたのでしょう。
私がいないところで、レセプトの仕事について話したり、院長に相談したりしています。あたかも、こちらがちゃんと教えていないかのごとく。すごく嫌な気持ちになったのを思い出します。
2.ワガママを通される
仕事は大きく分けると2つありました。「受付」「雑務」です。受付は座り仕事のため体力的にすごく楽。その分だけ知識や対応スキルが求められます。
この受付と雑務は交代で担当をします。ですが「受付以外はしたくない」と先生にごねたアルバイトがいて、そのワガママがなぜか通っていました。私はその方が出勤している日は雑用か出勤しなくてもいいとまで言われました。
「小さい子もいるから、いつ休んだりするかも分からないでしょ?」と抵抗できない理由ばかり言われ納得せざるを得ませんでした。
3.話し合いからハブられ!
極めつけはハブられ!(仲間はずれ)
何をするにも院長、アルバイトだけで相談が行われます。正社員である私は除外…。結果だけ報告されることが多くなりました。シフトも子供がいると急に休むだろうと、アルバイトを優先に組むように4人で話し合いがされていました。
少しずつ少しずつ「私を外そう」という空気が流れており、それを止めることが出来ませんでした。
最後に
その後、半年続けましたが、風当たりはどんどん強くなってしまいました。院長が露骨に辞めさせようとしているのも伝わってきました。
「産休育休で戻るのが遅かったから」「小さい子供がいて休むことが多いから」
院長にも言い分はあると思います。個人経営だからこそ、小さな病院だったからこそ、起きてしまったことなのかとも感じます。