現在料理人として仕事をしています。
証券会社、風俗情報誌編集の勤務を経て、32歳で料理人へと転身をしました。料理人の仕事は、水があったようで、働き始めて7年の月日が経ちました。
- ホテル(1社目)
- タイ料理(2社目)
- レストラン(3社目)
現在はレストランで働いており、これが3社目となります。つまりは料理人として2回転職を経験しております。どちらも待遇改善、キャリアアップに成功しています。
「転職してよかった」
とメリットしか感じませんでした。
その結果・・・
「料理人は辞めたいと思ったらすぐ行動(転職)すべき!」とポジティブな考えを持っています。それでは、料理人としての転職体験談を書いていきます。
【1社目/32歳】ホテル勤務、遅咲きの料理人デビュー
料理人人生のスタートは32歳。地元のホテルに入社しました。
そのホテルには、調理学校時代に行った実地研修がきっかけです。シェフに声をかけてもらいそのまま入社しました。料理人として最初の職場だったので給料は激安です。社会人を経験していても給料は12万円くらい。
「やばっ!!」
想像よりも安すぎる給料明細、初めて見た時は思わず笑ってしまいました。
このホテルが安いわけではありません。料理人初期は修行と言われており、まともな給料は貰えません。修行時代は月に5万円で朝から晩まで働いていた友人もいるくらいです。
ホテルでやっていた仕事
- シェフの補助
- 仕込み
たったの2つだけ、ただの雑用です。
代わり映えしない毎日。シェフから何かを教わるわけでもありません。入社3ヶ月後には逃げ出したくなっていました。ですが、技術もバックボーンもないままでは転職しても何も変わりません。意地でも辞めない。
「教わるのではなく見よう見まねでやってみよう」と意識を変えてみることにします。それが正解。これまで見落としていたシェフの行動1つ1つを観察していると、代わり映えしない毎日がウソのように変化します。
人間って不思議なものです。仕事に没頭していると苦労を忘れます。転職したいとか、逃げたいとか考えなくなります。結果として、2年間の修行を続けることが出来ました。料理人は10年は修行と厳しいことを言う人もいますが、料理人として仕事をこなせるレベルになることが出来ました。
「居心地が良い?それなら辞めなさい」
2年目の終わりに、和食の副料理長から一言。
副料理長「今の仕事が楽しいか?この場所の居心地はどうだ?」
僕「仕事は楽しいし、居心地もすごく良いです」
褒めてもらえるかと思ったのですが…
副料理長からは真逆の返答です。
「居心地が良い?それなら辞めなさい」
「そろそろ次のステップへ進むために転職しなさい」
「そこでまた1から大変な思いをしながら仕事をしなさい」
今でも忘れないくらいの衝撃です。
副料理長が部下として僕を見ていたら・・・
安い給料で働かせ続けた方がお得です。
そうではなくて、料理人として僕を見てくれた発言だったのです。料理人の仕事は技術がモノを言う世界です。このまま僕がここにいるとその伸びしろが無くなってしまう、そう思われたんでしょう。
と考えていましたが、料理人の世界ではその限りでは無いようです。自分自身の成長、キャリアアップ、そして料理人として見てくれた副料理長のため、転職を決意しました。
1回目の転職活動、東京で働きたい!
働きながら転職活動を始めました。
どうせ転職するなら「上京して東京で働きたい」と考えるように。飲食店がたくさんあるのも理由ですが、レベルが高い場所でチャレンジしたいという想いです。
- エスニック料理のレストラン
- 給料20万以上
- 家賃補助がある
条件はこの3つ。転職サイトを利用して仕事探しです。エスニック料理にした理由は特にありません。やってみたいという好奇心です。ホテル勤務では和食、洋食が主でしたので、全く違う世界に飛び込みたいって感じでした。
- 自分で気になる飲食店を探して応募する
- 飲食店から気になる人材にスカウトをする
2つの方法を活用しました。今までの経歴をオープンにしてスカウトを待ちつつ、気になったお店には積極的にメールを送って仕事内容を聞く。この繰り返しです。
とある日、1通のスカウトメールが届きます。東京にあるタイ料理レストランからでした。希望と合致したため、面接を経てタイ料理レストランに入社を決めました。
料理人/転職のポイント
- 自分を安売りしないこと!まだ技術がともなっていなくても
- 料理人の数は不足気味です!焦らなくとも転職できます
- 足元を見られると悪条件で契約になることがあります
- そのお店で働きたいという確固たる意思がない場合は見送るべき
今回の転職活動で学んだことです。
【2社目/34歳】タイ料理レストラン、給与UPに成功!
タイ料理レストランは、個人で経営している席数24席ほどの小さなお店でした。
それでも店内はお客様であふれかえるほどの人気店。給与は月24万円も頂くことが出来ました。修行時代から倍になった計算です。
タイ料理をやるのは初めてだったので不安はありました。ですが、調理技術、知識を応用するだけです。タイ料理の基礎を勉強するだけで業務は難しくなかったです。
厨房でメインで料理するのは僕、オーナーのどちらか1人。ホールの人間が1〜2人だったので忙しい時間帯が多かったです。ホテルでは各セクションに分かれて作業していました。そのため、自分の仕事だけをしっかり守るというイメージです。
一方、タイ料理レストランは「お店全体が回る」ことを意識しなければいけません。忙しい半面、全体を見通す経験は大きな財産となりました。
また、タイ料理をやることは初めてで常にワクワク。カウンター越しにお客様と会話しながら、料理をするのも新鮮で楽しかったです。新しいことを吸収出来る毎日が充実してました。タイ料理レストランは1年半続きました。
2回目の転職!お客として気に入ったお店で働きたい
タイ料理レストランで働いて1年半。
そろそろ巣立ちの時期なのかと考え始めていました。吸収できることは吸収できた。そして、将来はお店を持ちたい、次を最後の学びにしたい、とも考えるようになっていきます。
とある日、勉強のつもりで他店舗のタイ料理レストランにディナーを食べに行きました。そこは僕断ちが作っているタイ料理と違い、高級感があり、盛り付けも今まで見たことないくらいきれいです。そしてとにかく美味しかった。
「このレストランで働きたい」
そう直感がいっていました。
タイミングも良くちょうど求人が出ていたため、すぐに申し込み。面接を経て採用を頂きました。
【3社目/36歳】高級タイ料理レストラン、キャリアアップに成功!
料理人として3社目となりました。
休日 月9日
給与は転職する度に上がっていきます。休日も増えました。通常のレストランは月に4〜6日しか休めないことが多く、かなり恵まれた職場です。
同じタイ料理ですが、盛り付けから味付け、さらにはスタッフのマニュアルまで全然違います。ここで働き3年半という月日が経ちました。本当に素晴らしい経験をさせてもらっています。
最後に
僕は2回の転職ともにメリットしか体験していません。
給料も順調に上がり、キャリアアップ、スキル向上が出来ています。自分が行きたいと思ったお店に入ることが出来ていますし、ジャンルは変わっても問題なく仕事が出来ています。
「今のお店辞めようと思うんだけど…」
料理経験があり、次のステップへ進みたいと思っている人、転職を考えているけど正直悩んでいる人には僕は転職を勧めます。お店が変われば学べる技術も変わりますし、何より新しい刺激と経験を積むことは料理人としての将来に絶対に役に立つと思っています。
そして、料理人は技術職です。
今の職場の雰囲気や人間関係に問題を抱えていても、包丁1本あれば自分の求める職場を選ぶことが出来ます。人が転職をする理由はたくさんあると思います。でも料理人としての人生は1度きりです。その中で「自分は料理人としてどう生きたいか?」を考え、みなさんがより良い職場に行けることを願っています。