「旅館」といえば温泉にお食事。のんびりとした時間を過ごせます。「長期休暇は旅館でリフレッシュしたい!」と考える方は多いのではないでしょうか?
私は働く側として。大学時代の夏休みに旅館アルバイトを経験しました。
- 旅館の仕事はどうなの?
- どんなことが大変?
私が体験したことを記事にしていきます。
とにかく朝が早いです!
ご想像のとおり、朝はとにかく早いです!勤務開始は朝6時。
旅館がある場所は市街地が多いため、電車で通勤するのも一苦労です。
遅れないように朝4時には起きて、始発電車に乗っていました。サービス業ということもあり、身だしなみは必須。ギリギリまで寝ることは出来ません。
「朝が苦手だ…」という方は難しいかもしれません(笑)
また、お客様に見せる一面とは違い、裏ではシーンとしたピリピリした空気が流れています。接客業の宿命かもしれませんが、朝からピリついた緊張感はとにかくきつかったです。
出勤初日の朝礼で、すでにギブアップしたかったほどです(笑)
配膳はとにかく難しい!とにかく真似をして覚えるしかない!
旅館アルバイトでメインとなるのが「配膳」の仕事です。
シェフが作るお料理、箸などの付属品をお客様の席に並べていきます。何をどこに置くのかは決まっています。
しかし、朝はとにかく忙しいためか…初日なのに誰も教えてくれません。見よう見まねでやれって感じでした。学校で習ったような基礎だけではなく、専門的な知識が求められます。
頭の中は「?」でいっぱいでしたが、周りのマネをして何とか時間内に終了。1ヶ月経つ頃には覚えましたが、とにかく最初が大変でした(笑)
お客様にご飯をつぐ仕事
「お客様にご飯をつぐ」という仕事があります。我が家の食卓では当たり前にやるものの…お客様にやるのはかなり緊張するものです。
とはいえ単純作業!これなら出来る!
と思ってご飯をついだところ…
「まずそうなつぎ方するなぁ。もうちょっとおいしそうにつがれへんの~?もう、貸して~」と女将さんに茶碗をとりあげられました。
「おいしそうなつぎ方てなに?!」とピンとはきません。
女将さんが変わりにご飯をつぐのですが…
私には違いが分からなかったです(笑)
余談ですが、まかないといった形で従業員も朝食を頂くことが出来ます。
嬉しかったのですが「忙しいので立って5分で食べて」と言われました。旅館の朝食でも立ち食いで、早食いをするとそれなりの味にしかなりません(笑)
嬉しいはずの朝食は、ただ口の中に入れる作業でしかありませんでした。
【その他業務】シーツ替えと部屋のお掃除
チェックアウト業務が終わると、お部屋のセッティングが待っています。
シーツ替えは四つ角にカバーをかぶせるだけの作業ですが、想像以上に難しいのです。
ベテランスタッフは目にも止まらぬ速さで交換しているので、慣れが必要なんだというのは感じました。
掃除は特段難しいことはありません。掃除機、ゴミ袋替え、拭き掃除、言われたことをそのままやればいいだけ。緊張することもなく簡単でした。
お部屋のセッティングは、チェックイン時間までに終えないといけません。作業中は走ることも多く、休憩なしのぶっ通し。かなりきつかったことを思い出します。
旅館アルバイトを終えての感想
1ヶ月のアルバイト期間を終えました。
「きつかった…」が一番最初に出てきた感想です。作業的なこともそうですが、従業員の意識という面です。
- お客様のために何が出来るか?
- お客様が快適に過ごすためにはどうしたらいいか?
- お客様が泊まりたい旅館になるには?
女将さん含めて従業員は常に考えています。接客業ですから当然かもしれませんが、他の業種よりもそれが強く出ていると感じます。
「お客様最優先主義」のため、アルバイトだろうが、新人だろうが、フォローされることはありませんでした。
厳しく叱られたこともありますし、何も教えてくれないこともしばしば。その分だけお客様へ愛情が注がれています。
お客側として旅館に行くときは、何も考えていませんでしたが…こういうスタッフの努力で快適に過ごせていたのだと感じます。
「旅館に泊まるのが好き」
そういう方は、一度中に入って働いてみてはどうでしょうか?
より旅館に対して、従業員に対して、愛を感じると思いますよ。
旅館アルバイトを通して変化があった
幾年もの月日がたちました。今では子供も出来て家庭をきづいています。
旅館アルバイトを経験したのはわずか1ヶ月間。それでも、あのときの経験や感じたことが頭の中に残っています。
- 「ご飯をおいしそうにつごう」
- 「ベットメイキングは丁寧に」
- 「掃除は細かいところまで」
こんなことを考えながら家事をしています。料理を作るときも同じです。お客様(家族)に満足してもらおうと毎日心がけています。
お客様のことを考える。それは相手のことを考えるのと同じです。私生活にも活きます。
「お客様に快適に過ごしてもらうためには?」
その考えは忘れずにとどめています。
仕事的にはきつかったですが…良い経験をしたと感じています。