アクティビティー好きはラフティングガイドの仕事がオススメ!5年働いて分かったことまとめ

接客業

悲しいかな、この業界は一般の人にはなかなか働く場所として認知していただけません。そこで、ラフティングガイド歴5年の私がこの仕事の魅力をたっぷり伝えます!!

 

遊びに行くだけではもったいない!

どうせなら遊びながら働いちゃおうよ!

 

という事で、アクティビティーが好きな方、ラフティングガイドという仕事に興味がある方、そんな方達にもっともっと興味を持っていただく為に記事を書いていきたいと思います。

 

ラフティングガイドのお仕事とは?

メインはガイドが仕事になりますが、大まかに分けて3つの仕事があります。

 

1)ラフティングのツアーでガイドをする

  • ボートにお客さんを乗せて安全にツアーを遂行する
  • 自分のボートに乗ってるお客さんを全力で楽しませる

 

2)トラックチーム

  • 使用する分のボートをトラックに積み、スタートポイントに降ろしてくる
  • 使用したボートをトラックに積みベースに戻る、又はスタートポイントに降ろす

 

3)ベースワーク

  • ツアー前のお客さんのサポート
  • ツアー後のお客さんのアフターケア
  • お客さんが使う装備品の管理
  • 営業開始前、営業終了後の清掃

 

ラフティングガイドになるには?

 

実は、資格を持っていないと…ラフティングガイドにはなれない!というのが無いんです。それぞれの河川にある「ラフティング組合」のルールに則った方法で、ラフティングになる為のトレーニングを積みます。

 

その中には技術的な事の他にも、スイムトレーニングや、レスキュートレーニングも行われます。そうしたトレーニングを積み重ね、先輩ガイドさん逹から「GOサイン」が出るといよいよラフティングガイドデビューを果たすわけです。

 

持っているとGOODな資格!

ラフティングガイドは資格なしでも出来ますが、これは持っているといい!という資格があります。

 

RAJ(Rafting Association Japanの略)公認ガイド資格

RAJ公認ガイド

RAJ(ラフティング協会)は国内で唯一のラフティング組織です。公認ガイドは組織が認めたガイドとなります。

ラフティングガイドとして働く上で、この資格を所持していない人はNGというカンパニーもあります。あとは他のカンパニーのヘルプ要請に応えやすいのでRAJ公認ガイドは持っておいたら損はない資格ですね。取得は難しくないので働きながら取れば良いですね。

 

first aidの資格

first aid

救急資格のことを指します。消防署、赤十字など。たくさんの組織が講習を行い、たくさんの資格が存在します。

これは種類が色々ありますが、身近な所で言うと消防の救急法だったり、日本赤十字の救急法だったりですね。これも強制ではありませんが持っておいた方が良いです。《もしも》の時に必ず役に立ちますからね。《もしも》は来ないに越した事はないですが、絶対はありませんから。そんな時に、ただオロオロして見ているだけしか出来ないなんて、悔しくてしょうがないでしょう。

 

お客様を楽しませることが一番大事!

資格よりも何よりも、ラフティングガイドに1番大事なのが、お客様を楽しませる!という事です。これは本当に人それぞれです。

 

  • 純粋にラフティングガイドの技術で楽しませる
  • 軽快なトークで笑いを取る
  • 体をはったパフォーマンスでお客様を楽しませる
  • お客様とお友達感覚で一緒に楽しむ 等

 

本当に多種多様です。ともあれ自分に合うスタイルでお客様を楽しませる!事が出来るスキルを身につければ完璧です!!

 

「え?そんなスキルないよ?」と思ったあなた、決してそんなことはありません。先輩から学んで盗んで自分流をいれていく。最初から出来る人はいないので心配しないください!

 

色々なアウトドア業界の人達と繋がりが出来る!

アウトドアスポーツ業界というのはとても大きく、広く、種類はとても多いです。その中で例えば「ウェイクボードやってみたいんだよなぁ〜」とか「パラグライダーしてみたいんだよなぁ〜」とかそういった気持ちがあっても、初心者だとなかなか手を出してにくかったりしますよね?

 

で、す、が、なんとですね、ラフティング業界の門を叩くと、今まで手を出しにくかったそんなアクティビティの扉も簡単に開けられたりするんです。それはなぜかというと、アウトドアスポーツ業界というのは大きく広いですが、意外と色んな所で繋がっているものなんです。

 

例えばラフティング業界というのは、春から秋にかけてのスポーツになるので、冬場はお休みになります。その間ラフティングガイド逹がどんな仕事をしているか?中には冬場に渡航し外国の河川でラフティングガイドするツワモノもいますが、だいたいはウィンタースポーツ関係で仕事をしてます。

 

 

アクティビティー好きは、レジ打ちの仕事はしないんですね(笑)

 

そんな冬場の仕事先には、同じくアクティビティー好きが集まってきて一緒に仕事をします。みんなが娯楽とお金を求めて集まるのです。そこで一緒に働きながら、色々なアウトドアスポーツ業界の人達と繋がりが出来ていきます。どんなアクティビティも、初めてはドキドキわくわく、そして不安が付き物です。そんな時に、アクティビティのプロフェッショナルの友人が一緒やってくれたら、教えてくれたら、安心して始める事が出来ますよね?

 

ラフティングガイドをしていると、アクティビティー好き同士が繋がっていきます。お互いが教え合い、情報を共有する素敵な繋がりが生まれていきます。

 

英語のスキルがグンと上がる!

ツアーガイドとして日本人以外、つまりは外国人がたくさん働いています。給料が良いということもあり、様々な国から働きに来ています。

 

1番多いのがネパール、次いでニュージーランド、その他にもイギリスやオーストラリア等。英語圏の人達が多く働いています。「あれ?ネパールって英語圏だっけ?」と思いますよね。ネパール語が公用語ですが、日本にラフティングガイドで来ている方達は、全員ネイティブ英語です。

 

ネパールではラフティングガイドで必要なスキルとして、英会話力が絶対的に不可欠なんです。そのため、日本でラフティングガイドするネパール人はみんな英語がとてもお上手!一緒に仕事をすることで、自然と英会話力が身に付いていきます。

 

そう、私もラフティングガイドを始めた頃は、中学生レベルの英語しか話せませんでした。今はゆっくり話してもらえれば聴き取れるし、拙いながらも話せるくらいのレベルになりました!もっと英語を学びたいと意欲的な方でしたら、ネイティブレベルも夢ではありません!

 

最後に

 

ラフティングガイドは、笑顔を引き出せる素晴らしいお仕事です。

 

グループでラフティング体験しに来てくれるお客様の中には、ノリ気じゃないのに連れて来られちゃった人が一人は混ざっているんです。そういう人って最初は本当につまんなそうな顔をしているんですが、ツアーが始まるとそんなお客様も絶対に笑ってくれます!最初はノリ気じゃなくても、誰でも初めて挑戦する事や、非日常を体験する時というのはドキドキわくわくハラハラ、何だかよくわかんないけど楽しくなっちゃうものですよね。

 

そんなお客様の笑顔の側にいれる、笑顔を引き出せるお仕事ってなかなかないと思うんです。そして私達ガイドも自然と笑顔になります。ラフティングガイドとはそんな素敵なお仕事です。

 

ラフティングガイドの勤務先はどこにでもあるわけではありません。働く期間も短いものです。それでも、アクティビティ好きには本当にオススメです!思い切って挑戦してみませんか?どこかでお会いできるのを楽しみにしています!!

 

〈おまけ話〉日本一の急流!小歩危(こぼけ)で死にかけたスリル体験!

ラフティングガイドは、シーズン中に度々トレーニングと称してガイドだけで川下りをします。それはホームの川であったり、遠征して他の川に行ったりと様々。そんなトレーニングの中で私が体験した事をお話ししようと思います。

 

ラフティングガイドなら一度は下ってみたいと思うのが日本一の急流、徳島県にある〈吉野川の小歩危(こぼけ)〉です。その日私達はガイド6名で吉野川に訪れ、地元ガイドの案内の元に小歩危を下ることになります。

 

前日までに降った雨で川の水位は高い状態。お客様を乗せてツアーを出来るレベルではありません。かなりのハイウォーターです。地元のガイドもちょっと遠慮するレベルの水位です。

 

そんな情報を入手した私達は、尻込みするかと思いきや!むしろアドレナリン全開!テンションぶち上がり!川を下る前からお祭り騒ぎ!!ラフティングガイドになると頭のネジが数本緩むらしく、スリルが上がるほどテンションも上がるようになります(笑)

 

いざ、トレーニング出発!!

 

私達6名+地元のガイド2名、4人ずつに分かれて2艇のボートに乗り込みました。まず最初のセクション(大きな瀬、急流部)で先を行くボートが吉野川の洗礼を受け早々とフリップ(転覆)します。後ろを行く私達はフリップしたボートに習い、安牌ルートを通り洗礼回避!

 

フリップしたボートを横目に次のセクションへ、そこは冷やっとする場面はあったが、無事に通過。そんな感じでいくつかのセクションを過ぎて、いよいよ最終セクション。

 

セクション名〈鮎戸の瀬〉

ふだんからも注意スポット、そして水位が上がった今は超危険スポット

 

セクションに入る手前でボートを停めて岸に上がり、どう攻略するのかを地元ガイドと相談するのだけど、そこで地元ガイドから不穏なアドバイス。

 

「ここの瀬はフリップしたら沈むからね」「目の前に人間ラップ岩(人が水圧で貼り付いてしまう岩)があるから全力で左側に向かって泳いでね!」と怖いアドバイスを全開の笑顔で言われました。危ないニオイがプンプンしています。鮎戸の瀬を上から見て私が思ったこと…「これ絶対フリップ(転覆)するわ 笑」

 

ですが、そこはやはりラフティングガイド!私達じゃないもう一つのボートのガイド達が意気揚々とボートに乗り込み肩を組み合い気合いを入れて出発して行きました!さすが!(笑)

 

そんな彼らを私達は上から見送って、先発のボートが最初の大きい波にぶつかり、大きく傾いてあわやフリップ!!だったのをなんとか持ち堪え、立て直したのですが、1番前に乗っていたガイドがそこにいませんでした。落ちたーーー!!!

 

そこまでを見届けてから私達も出発。出発早々に最初の波で私達のボートがフリップ!ひっくり返る瞬間はいつもスローモーションに感じるんですが、その時は波がデカすぎて一瞬でしかありません。

 

「転覆する!!」

 

ボートに張り巡らせてあるロープを絶対に離すまいとガッチリ抱き込んでいたんですが、水の力は凄いですね。あっという間に手からロープは離れていき、見る見る間に私は川の中に吸い込まれていきました。

 

『やべー、まじで沈んでいくじゃんか!明るい世界が遠のいていく〜〜』

 

体感では30秒程沈んでいた気がしますが、おそらく実際は10秒くらい。これは相当苦しかったですね。やっと水面から顔が出て、『酸素さんこんにちは!!』と思ったら、目の前に人間ラップ岩!張り付いて離れません。

 

もうそこからは全力クロールで左に泳ぎました。が、その岩を避けれても岩の裏のボイル(流れが縦回転のスポット)に吸い込まれる!と一瞬で判断。それに巻き込まれると出るのが困難。

 

私はある程度泳ぎ、一旦後ろ向きになります。こうすることで正面から水を受けないので息が吸いやすくなります。極限まで息を吸い、背後で今か今かと待ちわびているボイルに吸い込まれてやりました!

 

もうね、本当にボイルに入ったらいつかは出れるのだけど、そのいつかというのが10秒後だったり30秒後だったり1分後だったりするので、入ってしまったら、もうとりあえず動かない!体の酸素の無駄遣いはしない!これが鉄則です。(一般人には不要な情報ですね…)

 

そんな感じで『まだかなまだかな、そろそろ苦しいぞ、いやもう苦しい、ええ〜〜まだなん!ちょっ!もう息が無理!!』と、水中で自分と戦うこと体感1分、たぶん実際は30秒くらい。

 

「ポッカーン!!」と水面に顔が出ました。その後、先発のボートのガイドがスローバック(レスキュー用のロープが入っているバック)を投げてくれて、それを掴んで無事救出されました。私達のボートに乗っていたガイド達も其々に私と同じような苦しい体験をした後、無事救出。

 

とりあえず全員ボートに乗り込み、息を整えながら少し下った所にあるゴールポイントに到着。この時『生きてて良かったーーー!!』と本当に思いました(笑)

 

と、死にかけた体験談でした。あっでも安心してください!ふつうはこんな日にラフティングもしませんし、望まなければ巻き込まれることもありませんので(笑)