【実際の体験談】取ったの私じゃない!横領を疑われて…ストレスで経理の仕事を辞めた話

会社への不信感

事務職はどのジャンルの仕事であれ、女性にとても人気のある職業です。

  • 定時に帰りやすい
  • 力仕事がない
  • イメージが良い

こんな理由だと思います。

 

私

事務職になれた!わーい!

そんなあなた…。

甘いです!!

 

仕事についてからも何が待っているか分かりません。私はやってもいない横領を疑われ、ストレスで退職するまでに追い込まれました。

 

「お金を取ったの私じゃない!」

 

事務職に就けてハッピー!これで安泰?

商業高校を卒業後、経理の仕事に就くことができました。

 

高校で学んだ簿記の知識が活かせる希望通りの仕事です。男性が中心の会社でしたが、同じ高校の女性社員も社内に数名います。

 

「事務職に就けて良かった…」

安心したのを覚えています。

 

私が担当した部署は「会計課経理部門」です。

 

堅苦しい名前ですがいわゆる金庫番。売上金や受講料などの集金を担当します。集めたお金を銀行へ預け入れるのが主な仕事です。

 

ここからは当時の手帳を見返しつつ記事を書いていきます。

 

【入社1ヶ月後】売上5万円が紛失

入社後は先輩に仕事を教えてもらいながら簡単な作業をしていました。用意された伝票を入力するだけ、次に伝票の作り方を学びます。

 

日々出来ることが増えていき、順調な社会人スタートをきったと言えます。

 

間もなく先輩社員は退職することになり、入社して1ヶ月で私が金庫番担当になることに。仕事にも慣れ始めていたので、なんとかなると思っていました。

 

その思いとは違い…

事件が起きました。

 

小さな金庫に入れていた売上金が袋ごと無くなっていました。身の回り、引き出しの裏まで探しましたが見つかりません。

 

自分では解決できないと思い、直属の上司に相談します。

 

上司

この事は内密にね、今回は僕のポケットマネーで補填するから

このように言ってくれ、無くなった分だけの現金を渡してくれました。

 

私

とんでもないことをしてしまった…。上司にも悪いことを。これからは気をつけよう。

いっそう気を引き締めて仕事をすることを誓います。当時の日記には「バカ!現金は必ず金庫に入れろ!」と自分に喝を入れていました。

 

【1年のうち4回も】終わらない横領事件

 

それから3ヶ月後の8月に1回、2月に3回同じことがおきました。始めは数万円、そこから10万近い金額がなくなることも。

 

上司

なにかあったら必ず僕に相談してね!解決できるように努力するから!

 

このように言われていたので、自分で解決できないときは相談していました。

(今思えばかなり怪しいですね…)

 

報告をするたび上司はため息をつき、「僕のポケットマネーだから」とお金を出されます。

 

私は報告をするたびに自分を責めました。

 

  • 「管理の方法が悪かった」
  • 「警戒心が薄かった」
  • 「営業マンが集めたお金私が一瞬にして無くしてしまった」
  • 「上司にお金を出してもらうことになる…」
  • 「今回は私が出そう」

 

さらには自分に自信が持てなくなるのです。

  • 「もしかして私が盗んでいるのかもしれない」
  • 「記憶がないけど多重人格なのかもしれない」

 

振り返るとそんなはずはありません。相当追い込まれていたのでしょう。この時は、会社の人間が盗んだとは思っていませんでした。

 

横領が続き気が滅入る日々、家族に相談し進展する

家族に相談したのは入社してから10ヶ月後。

 

「最近ため息多いね。何かあった?」

母親から言われたのがきっかけで相談しました。

 

ため息が増えたことに自覚がなかったので、びっくりしたほどです。話し始めると涙が止まらなるほど、これまでの思いを全て話しました。

 

  • 「それは会社の誰かが横領している」
  • 「〇〇(私)のせいじゃない」

 

私

会社の人が横領している…

今思えばアホな話でしたが、このとき始めて気付きました。

 

まだ、会社の誰かが盗んだとは心から思えませんでした。しかし、自分のせいではないと言ってもらえて気持ちが軽くなりました。

 

その後、すぐに母校の進路担当の先生にも相談しました。先生は驚いていましたが、会社を紹介した私たちにも責任があると謝ってくれました。

 

「両親」「学校の先生」

相談をしたことで、私にはたくさん味方がいることに気が付きました。

 

勇気がでた私は、ようやく支店長に相談することを決めました。

 

支店長に相談!解決した…と思いきや…

 

いつもより30分早く出社。支店長に泣きながらも報告、相談をしました。

 

「金銭トラブルが起きていること」「そのことで悩んでいること」報告をしたことで心がスッキリした気がしました。

 

支店長は話を聞いてビックリしていました。どうやら報告を受けていなかったようです。

 

話を持ち帰るということでしたが、数日後にさっそく対策が取られました。ボロボロだった金庫が新しくなり、セキュリティー対策が取られました。

 

「これで盗難もなくなる…」

 

そう安心したのもつかの間、1ヶ月後にまた事件が起きます。金庫から3万円が紛失しました。

 

当時の日記を読み返すと、この頃から人間不信になっているようです。

 

私

上司、先輩が盗難をしている。そして、私をはめている…

こんなひどいことを書いていました。

 

この頃から対応方法も変わりました。上司のポケットマネー処理ではなく、謎の伝票処理を指示されるようになりました。

 

商品券を購入したことにしたり、領収証の宛名や金額を消す作業をしたり。普通では考えられない処理方法です。

 

「これは横領ではないか…」と変だとは思っていましたが、この時には考える力が無くなっています。上司が言うのであれば仕方ない、そんなことを思っていました。

 

しかし、だんだんと無くなる金額は増えていきます。それが途絶えることがありませんでした。

 

終わらない現金紛失事件「もう限界」

2年目の9月。

またお金が無くなりました。

 

保管したのは回収してからの数日間。金庫から無くなっていました。

 

この日の帰り道。

  • 「またやってしまった…」
  • 「このまま事故を起こして消えてしまいたい…」

 

そんなことを考えながら車を運転していました。ふらふらした運転になっていたのを、クラクションを鳴らされ我に帰ることができました。

 

緊急ミーティング…疑われている私?!

 

翌日、緊急で業務ミーティングが開かれました。先輩社員、同期、私、上司の4人です。

 

上司

また回収金額紛失したが、この事も支店長には伝えるつもりはない。もし、次起きたらお金をさわった人に辞めてもらう。もちろん僕も辞める

 

この話を聞いて愕然としました。

 

なぜなら、お金を主にさわるのは事務の私だからです。これでは犯人特定ではなくて、私に責任を全て押し付けるだけに聞こえました。

 

誰が取ったかは分かりません。このときには上司への不信感は頂点に達していました。しかし、他は私を疑っているのかもしれません。それを考えると悲しくてしょうがありません。

 

  • 事故を起こしそうになる
  • 意味もなく涙が出たり叫ぶ
  • 怖い顔をしていたのにケロッと笑顔になる
  • 通勤の車内で泣き続ける

 

精神状態が限界に達します。

 

「人からどう思われたっていい」

「このままだと自分がダメになる」

辞める決心がつきました。

 

退職届を出した後も事件が起きる

 

退職願を渡しましたがすぐには受理されません。

  • 「預かっておくから考え直して」
  • 「次のボーナスまで待ってから辞めるといいよ」

とはぐらかされました。

 

上司はもう信用ができないので、今度は直接支店長に提出。正式に受理されました。

 

これで全てが終わる。そう思いましたが、またまた事件が起きます。盗難金額は過去最高の15万円でした。

 

もうどうにもならなくなり、上司には相談せず直接支店長に報告。支店長はこの事件に驚いていました。

 

どうやら初めて盗難事件を知ったようです。今回だけでなく、今までの事全て報告されていなかったのです。

 

犯人はおそらく上司でしょう。攻めたい気持ちよりも、もう関わりたくない気持ちが上回っています。退職日にはスッと晴れやかな気持ちになりました。

 

最後に

 

私のように横領事件、盗難事件に巻き込まれるケースはまれだと思います。

 

しかし、事務職をしていれば。あるいは組織で働いていれば、同じような目に合う可能性はあります。

 

もし同じような立場であるのであれば、すぐに逃げ出すべきです。私のように自分自身を信用できなくなっていれば尚更です。

 

仕事を辞めるのにはとても勇気がいると思います。辞めた後の会社のこと、自分とこと、周りの人のこと…。しかし、辞めた後の人間関係や会社のことは考えなくて大丈夫です!

 

一番考えないといけないことは自分のことです。自分を一番に考えてください!仕事を辞めて収入がなくなるけど、次の仕事なんか決まってないけど、新しい夢も見つかりました。

 

退職届を出すまでに時間がかかると思います。だけど、そこは勇気を振り絞って!!

 

提出してしまえばあっという間です。とんとんとーーーんっと退職日まで決まってしまいます。 たくさん悩んだのがアホらしく感じます。

 

決まってしまえば、後は自分のために頭と心と体を使ってください。自分と家族のために今を大切にしてください。

 

この2年半の経験は大きかったです。たかが仕事です。長い人生より大事なものはありません。自分を失うまでやることではありません。

 

そして、心の支えとなる一番信頼できる人を探してみてください。私には家族と母校の先生。とても心強かったです。