私は1社目を会社都合で退職した後、全国支店がある会社で支店事務として働いていました。支店事務というのはだいたい現地で採用されており、基本的には転勤がありません。
ライフスタイルに大きな変化が起こりにくいため長く働きやすいというメリットがありますが、一度人間関係が崩れると、ほぼ修復不可能になってしまう事がデメリットです。
そんな中で、複数人いる事務員同士の関係調整に疲れ、見事ターゲットにされた事で全てに嫌気が差したため退職を決断しました。
- 「人間関係の板挟み」
- 「集中攻撃」
人間関係でよくありがちな問題です。同じような経験をした人は多いのではないでしょうか。
雰囲気の良い職場、それが一転して…
私が入社した当時、事務員は4人でした。そこそこ人間関係は良い雰囲気、そのことについて悩みはありませんでした。
- 「お互いの事に無関心だな」
- 「あまり助け合わないんだな」
少し違和感がありましたが「会社はこんなものか?」とあまり気にしないようにしました。
その中でも一人問題のある先輩事務員がいました。その人は仕事があまり好きではなく、楽をしたいというのが露骨に出ているタイプ。新人の私に対して、教育と称して先輩の仕事を振ってくることが多々ありました。
ただ、まとめ役の事務員(トップ)がしっかりしていたので、大きな問題になることはありません。先輩にも信頼を置いてもらえるようになったのか、何かを決める際に相談を受けたり、提案を求められたりするようになりました。この頃には、ベストではないけれども仕事仲間として上手く業務を回していける関係性が出来ていました。
1年ほどすると、まとめ役だった事務員(トップ)、そしてもう一人も退職をしていきました。残ったのは、問題のある先輩、そして私の二人。退職と同時期に二人事務員として採用されたのをきっかけに、人間関係で大きな問題が生じることになりました。
先輩と後輩の板挟み
<先輩>楽をしたい、後輩に仕事を押し付けたい
<後輩>他で実績があるため、先輩のやり方が気に食わない
<私>板挟み
この後輩二人がなかなか癖の強い人物。もともと他で事務員経験があるので、事務に対して熟知しているところがありました。
先輩が教育担当を務めたのですが、私を教えたときのように仕事以外の雑務、先輩の仕事を押し付ける。それに対して露骨に嫌がっているようでした。
「あの人(先輩)は私に雑用ばかりを押し付ける。私はあの人の下僕じゃない」
これは私が心配して声をかけたときに返した言葉。確かに、先輩は我の強いタイプだったので、性格的な面でも合わなかったのかもしれません。もう一人の後輩にもそれが伝染してしまい、先輩と後輩が対立するようになります。
先輩もそれに対して嫌気が差します。また後輩も直接指示を受けることを拒否することに。そのため、私が仲介する橋渡し役となってしまいました。
「もう、めんどくさい…」
そう心の中で叫んでいました。これが人間関係で板挟みで苦しむ最初のきっかけです。
上司が介入!そして状況悪化!
人間関係がごちゃごちゃになった時に、頼りになるのが上司です。先輩と後輩の対立を見かねて課長が介入してきました。
一番人間関係を引っ掻き回したのは、この上司でした。
彼は当初から後輩二人がお気に入り、そして先輩のことは好きではなかったと思います。普通なら、双方の話を聞いて判断するべき立場にあるにも関わらず、後輩の言い分を全て鵜呑みにしていました。
おそらく、タイプだったのでしょう…(ダメですね)
確かに後輩は、女性から見ても可愛い感じ。先輩はお世辞にも…。
上司
「〇〇さん(後輩)に雑用をやらせるなど酷い事だ。彼女にはもっと高度な事をやってもらうべき」とのこと
また後輩二人は仲が良かったため、上司も必然と後輩寄りになっていきます。彼女たち二人が仕事をしていなくても何も言いません。
二人は業務時間中に遊んでいて、定時以降に残業代目当ての仕事をしている事が日常茶飯事。上司はそれを注意するどころか「残業が多くて大変だから他が仕事を手伝ってあげて欲しい」とのこと。
上司がひいきしている事は当の彼女たち(後輩)も分かっていました。皆が忙しく応対している最中でさえも、二人はおしゃべりをしに行きます。それが酷い時は2時間以上。注意をしても、最後には「上司は私たちの味方だから」と言われ、態度を改めることはありませんでした。
この行動で益々先輩との仲に亀裂が入っていきます。私としても後輩二人は許せなかったのですが、先輩も先輩で楽をしようとする面倒なところがある。
「人間関係が腐っている…」
言葉は悪いですがそう感じざるを得ません。直接ダメージを受けたわけではありませんが、職場に行くことが憂鬱になっていきます。
まさか?!私が標的に
いざこざが数年続いていましたが、その都度何とか乗り越えてきました。長年続いた絶妙なバランスはあっさりと崩れることになります。
ある日、別の上司より〈事務のとりまとめ役〉をやって欲しいと言われました。これはリーダー職というもので、少しばかり給与が上がるものです。自分で仕事をする時間が減る分だけ、指示と確認をする作業となります。
「分かりました、やります」
引き受けたはいいものの、人間関係がこじれそうだなという不安がありました。その不安は的中します。この人事について不満を持った3人が敵対してきました。
〈先輩〉
私が就いたポジションに以前就いていた(降ろされた)ため嫉妬。こちらの指示を全然聞かず「私はやらない」の一点張り。始めは「何でも協力するね」と言ってくれていたのに、全く正反対の結果に。
〈後輩〉
どうやら私が就いたポジションに就きたかった(仕事しないくせに…)らしい。何をするにも文句が飛んでくる。事務経験は私よりも豊富なため、気に入らなかったよう。仕事が大変だと言いながらも2時間のおしゃべりタイムは確保している。
もう一人は「私がする雑用じゃない仕事を用意しろ。ただし、あの人(先輩)の仕事はしたくない」と仕事を選り好み。ですが上司には「何の仕事でもします」と言っている八方美人
そして恐れていた事態が…
犬猿の仲であった先輩と後輩が徒党を組んで攻撃してきます。「敵の敵は味方」そんな理論が成り立つのでしょうか、三人全員が私を標的にしてきます。
- 悪口を聞こえるように言っている
- 無視する、指示を聞かない
- 私が関係を荒立てないように振る舞っていた事が悪い、と言い出す
さも何でもありの状態。板挟みで頑張っていたのに、それ自体が悪いと言われる始末…。それが数ヶ月続き、とあることをきっかけに。
「あぁこの職場ダメだ」
そう確信した私は退職を決意します。
最後に
これらの出来事から、この人間関係を修復することが馬鹿らしくなり、退職を決意しました。
- 「あの板挟みを我慢した日々は何だったんだろう」
- 「なんで標的にされなきゃいけないの…」
思い出しても悔しくなる出来事でした。ですが、あの場から立ち去ったのは良かったことだと思います。人間関係は本当に面倒くさいし、疲れるものです。
今は違う会社で、板挟みとは無縁な穏やかな日々を過ごしています。どこでも人間関係の悩みはつきませんが、今後は嫌だと思ったらすぐに逃げよう、そう思う出来事でした。