漫画家辞めました!大変な仕事…編集者からのパワハラのストレス。大好きな漫画家を辞めた体験談

上司トラブル

こんにちは、元漫画家です。

 

元漫画家が教える!漫画家の仕事はどう?給与は?仕事時間は?気になる点をお答えします」の記事で、漫画家の過酷な労働環境についてお話をしました。

漫画家の仕事は大変

 

漫画家は大変な仕事です。でも私はその仕事が大好き。読者が楽しんでくれるから、おもしろいマンガを命を削って描きました。だからブラックな環境であっても7年間乗り越えることができました。

 

ですが、そんな大好きな仕事を辞めることになります。謎が多いマンガ描きの生活から「漫画家を辞めたきっかけ」をお話します。

 

漫画家の仕事は?

 

場合によっては徹夜も持さないマンガ描き。毎回自分の作品に全力を傾けて製作に励みます。完成度を高める為なら脇目も振らず、うっかり倒れるまで気が付かないでやっちゃう人がいるほど集中しています。

 

漫画家/仕事の大まかな流れ

・作品(次回)締め切り日確認
・内容の打ち合わせ
・ネーム(マンガの設計図のようなもの)をはさんで打ち合わせの詰め
・原稿提出
・次回打ち合わせ

となります。

 

マンガ家には少なくとも一人の担当編集者が付きます。打ち合わせや細かい連絡は、この担当編集者を通して出版社へ連絡がいきます。担当編集者が出版元の窓口係となりますので、漫画家の運命を決める人と言ってもいいくらいです。

 

私がデビューした頃は年齢的にもまだ若く、ただひたすら必死に原稿を仕上げていました。最初の担当編集者は丁寧、誠実なお人柄のベテラン編集者。若い私に対しても敬語で接してくれて、すごくやりやすかったのを思い出します。

 

漫画家としてスタートするのに本当に恵まれていた環境ですね。

「良い作品を一緒に作りましょう!」

ベテランでありながらも、描き手に負けない熱意溢れる編集者でした。

 

「この人のために、編集者のためにも頑張ろう!」

私の後押しになったことは間違いありません。

 

漫画家の仕事は大変!6年目の悲劇

 

それはそれは大変な漫画家生活を送りますが、私は本当に楽しんで仕事をしていました。仕事と私生活の区別がつかず、またそれが良かったことでもあります。それほど没頭していました。

 

月間連載は5年間続きました。連載以外の仕事(本の挿絵、企業からオファー)も入ってきます。決して裕福ではなく、遊ぶ時間もないですが、それでも充実した日々。挫折する漫画家も多い中、比較的順調なマンガライフを送っていたと思います。

 

デビュー時についてくれた編集者はすでに変わっており、その後何人か交代でつくことになりました。仕事ができる、熱意、お人柄とそれぞれ違いますが、私の仕事に悪影響を与えることはありませんでした。

 

ただ一人をのぞいては…。

漫画家6年目にして、とんでもない編集者がついてしまいます。

私の漫画家人生を終わらせた人でもあります。

 

編集者が異常すぎる!仕事にならない日々

 

この編集者だけは「異常」でした。

  • 引き継ぎがあっても連絡なし
  • こちらから連絡しても常に不在
  • 編集者に問い合わせても連絡済に勝手になっている
  • ネームを送っても反応がない

まるで幽霊のように実態がないのです。締め切りだけがどんどん迫ってきますが、とにかく連絡がとれないのです。

 

漫画家の締め切り

この日までに仕上げてね、という出版社とのお約束。間に合わないと出版が出来ないため、一般業務の締め切りよりもはるかに重みがあります。

 

過去いろいろな編集者と仕事をしてきましたが、連絡が取れないのは初めてです。締め切りがある仕事ではお互いが自殺行為…。理解ができないレベルの話です。

 

何も連絡がないままこちらは仕事を進めなくてはいけません。この原稿が方針と合っているか合っていないかも分かりません。それでも締め切りには何か提出しないといけません。仕方なく他編集者と連絡して代理で受け取ってもらう形となりました。

 

「ウチの○○が申し訳ありません」

担当ではないにせよ、非常に申し訳なさそうにお詫びしてくれました。

 

仕方がないとはいえ…私も辛い気持ちでいっぱいです。とても責める話ではありません。編集者も激務な仕事です、それぞれ抱えている仕事もたくさんあるはずです。担当作家の事でいっぱいいっぱいなのに、別の作家から連絡を受けるわけですから。

 

ただそんなことは一切関係なく…

次回締め切りは迫ってきます。

私は焦りでどうしたら良いか分からなくなっていきます。

 

編集者とのトラブル!深夜2時に怒鳴り電話

 

締め切りがあと数日に迫ってきた頃、行方不明だった担当編集者から突然電話連絡がきました。しかも真夜中の2時です。

 

「謝罪してくれるのかな…」

と安堵しかけましたが、期待とは真逆の反応でした。

 

問題編集者

「勝手に担当無視してもらうと困るんだよね」
「他の編集者と勝手に連絡とか何考えてんのッ?」
「これだから漫画家って非常識なんだよな」

 

挨拶も何もなく電話を取るなりこれです。ほぼ行方不明で、連絡も全く取れず、深夜にいきなり電話をかけてきて、名乗らない人が「常識」を語るか・・・。

 

あまりのことに すぐに言葉がでません。

電話攻勢はまだまだ続きます。

 

編集者

「おれは偉大な編集者だ」
「全て俺に任せていれば大ヒットは保障されたのにふざけるな」
「言う通りにマンガを描け」
「貴様(本当に 貴様と言われた)の原稿全ては間違いだ!」

「ポカーン」

「この人は 一体なんなんだろう・・・。」

 

この段階で編集部に相談したらよかったのですが、締め切り前の疲れた頭では何も考えつきません。驚き過ぎて完全にフリーズ。

 

この1件から、しばらく担当編集者の意味不明な「口撃・演説」は続きます。

  • 打ち合わせをしてくれない
  • 細かく担当編集者の好みの作風・画風を強制してくる
  • これまで描いてきた漫画設定を完全無視

 

仕方なしに指示通りに仕上げますが、原稿を渡せば渡したで「違う!」とグチグチ言い続けます。漫画家は一人作業が多いため、社会から孤立しがちです。唯一とも言っていい接点である編集者がこれでは、どんどん追い詰められてしまいます。私の精神はボロボロになっていきます。

 

漫画も書けず…ストレスで15キロ減

 

そんなストレス生活が3ヶ月続きます。

 

短い期間で15キロ減です。1ヶ月5キロペース…冷静に考えなくてもヤバイ痩せ方をしました。髪も肌もボロボロ、自分で見ても驚くほど変貌しています。

 

「・・・」

久しぶりに会った先輩漫画家は言葉を失っています。

 

その漫画家はデビューの頃からかわいがってくれる先輩でした。とても仲良くしてくださり、私が唯一相談できる相手でもありました。その事情を聞いた先輩は、怒りのまま編集部にすっ飛んでいきます。

 

後日聞いた話では、編集部に来るなり怒鳴り暴れ・・・と大変な騒ぎだったそうです。私のためにそこまでしてくれて本当に感謝しています。

 

間に入ってくれたおかげで、担当編集者の「異常」な行動は白日の下となり、さまざまは悪事も判明しました。集部内では上司にはへつらい媚を売り、同僚には気前のいいやつと思わせていたようです。

 

表向き愛想も良く「いい人」を演じていましたが、担当作家には「暴君」として君臨。その被害は自分だけでは無かったようです。担当していた作家全員が多かれ少なかれ被害に合っていました。

 

しかも、どういう方法を使ったのか分かりませんが、作家がもらうべきである原稿料を使い込んでいました。おそらく中抜きしていたんでしょうね…。

原稿料

1枚描いたら○万円と取り決められた漫画家の報酬

 

結局その編集者はクビになりました。編集部と出版社から未払い原稿料、お見舞い金、謝罪と丁寧な対応を頂きました。私にとっての地獄の3ヶ月は終わったのです。

 

漫画家辞めた

 

その後どうなったか?というと、すでにお伝えしたとおり漫画家を辞めています。私のあの3ヶ月間でストレスの限界を超えていました。

 

何もする気が起きませんでした。ただ自宅でダラダラする日々…。漫画をまた描こうという状態では無くなり、漫画を見ることすら恐怖だった時期でもあります。

 

「このままではダメだ…」

辞めてから半年、もう一度立ち上がる決心をしました。

 

ですが、私には漫画を書くことしか出来ません。何を職業にしたら良いのかも分からなかったのです。そこで最大手のリクルートが運営するマイナビAGENTに登録をすることに。

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登録すると専任のコンサルタントから連絡がありました。現在の状況や希望する仕事など相談した結果、意外なことが分かりました。

 

「漫画家のスキルは他でも重宝される」ということです。

 

近年は難しい説明に漫画を活用することが増えているそうです。格安SIM宣伝、サプリ、広告など、たしかに見かける機会が増えています。そこで漫画家のスキルが活きるそう。

 

結果として、現在は某広告代理店で挿絵デザイナーとして勤務しています。まだまだ覚えることはたくさんありますが、それでも前職を活かせることが出来て充実しています。

 

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最後に

 

今は趣味で以前のように漫画を描けるようになりましたし、また創作意欲もあります。もう漫画家として活動することはありませんが、あの3ヶ月をのぞけば本当に素晴らしい漫画人生だったと言えます。

 

「漫画家を目指したい!」という方には、暗い話になってしまいましたね…。漫画家の仕事自体は楽しいので、ぜひこちらも御覧ください。