数年前に店員を土下座させたクレーム客が問題となっていました。その後も、続々と同じ目にあった被害者が出てきましたね。接客業においてクレームは避けて通れないものです。
飲食店、アミューズメント、ホテル、旅行など。接客する機会が多い職種の方は他人事ではありませんよね。中には「クレームはサービスを改善する貴重な声!たくさんクレームを言われた方が良い」というバカな声をあげる人もいます。こんなのは実際にクレームを対処しない上層部だから言えることで、現場の人間はそんなこと思いません。
クレームはクレーム!嫌なもの嫌!それが私の考えですし、現場の方も「うん、分かる」と思って頂けたのでは無いでしょうか。
- クレームばかりで毎日がつらい
- クレーム対応が嫌で仕事を辞めたい
そういった方へ向けて、私がクレームが嫌で携帯ショップ店長を辞めた体験談を書いていきます。何かの参考になることを願っています。
クレームの毎日、そして本部との板挟み
以前はホテル、そして飲食店に勤めていました。どちらも接客業で経験があったことで、平社員から3年で携帯ショップの店長になりました。店長といえば聞こえが良いですが、この業界で役職を得るということは「毎日がクレーム対応」になるというわけです。
契約内容は複雑だし故障内容も様々。そして、携帯ショップというのはなぜかお客様から下に見られます。「銀行や役所じゃそんな態度しないよね?」と思うことばかり。そして地方でしたから、言葉の粗い男性も多いものです。私は女性ですので高圧的な態度にいつも萎縮していました。
そして、携帯ショップはスタッフの入れ替わりが激しい職場です。覚えることはいっぱいあるし、契約内容はどんどん複雑になるし、扱う商品も新しいものがどんどん出てきます。しかも、お客様満足度向上を目的に接客マナーの講習、試験があります。
一見会社が努力しているように見えますが、企画運営しているのは本部で椅子に座っている人です。お客様の対応もまともにしたことがなく会社に長くいるだけ。毎日毎日身だしなみだの、言葉使いだのそれだけを偉そうに指導するお局課長もいて鬱陶しい限りでした。
その課長は店長たちを束ねる立場でしたが、携帯の事、契約の事はまったく理解していません。ただただマナーがどう、社長や幹部たちへの口の利き方がどうと、いわゆるお局でした。そのお局の権力の凄かったこと。今思えば何があんなに怖かったのかと思うのですが、当時は怒らせないようにと周囲が気を使っていました。
現場に出ればクレーム、本部に行けばお局からクレーム(小言)の日々。両者の板挟みに次第にストレスが積もっていきます。
古株店長に逆らえない?新人店長は黙っているだけ…
店長たちは毎月売り上げを詰められます。若くしてなる方、何年も店長をやっている方、私のように中途で出世した、様々な店長がいました。
私は前職のたこ焼きチェーン店でも店長を勤めていました。その時は、新人だろうが、中途だろうが全て店長は同じ立場です。そして、結果を出していれば若くても重要視される、それが当たり前の世界でした。
しかし、この会社は古くからいる社員(店長)がただ強い。店の売上は関係なく、赤字店でも10年勤めている方がものを言う会社。売上が少ないことに対しても、「私だって好きでこの店を見ているわけじゃない」と反論があります。
若い店長がどれだけ結果を残そうが聞く耳を持ちません。売上アップの企画を立てるわけでもなく、セールストークを磨く努力もしません。こちらが新しい事を提案すると、「そんなことしても無駄じゃない?」「それして何になるの?」と反論や批判ばかりです。
店長の仕事はクレーム対応ばかり?
前述したように、携帯ショップは覚えることが多すぎます。新人が説明してもお客様が分からないことは多々あります。さらには、伝え方が曖昧になって勘違いされてしまうこともあります。次に出てくる言葉が「店長出せ」でした。これは日常茶飯事。
「店長=クレーム係」です。
とにかく「申し訳ございません」とひたすら頭を下げるだけです。理不尽だと思う事でも、お客様が勘違いして間違っていることも、ぐっと我慢します。言い返そうものなら火に油です。
とことん平身低頭でお客様の話を聞かねばなりません。あまりにひどいクレーム客は犯罪に抵触する脅迫をしてくることもあります…。そこまで行くと私では手に負えません。課長や幹部にまで発展することがありますが、必然とお局の逆鱗に触れます。
- 「忙しい私たちをクレーム対応に呼び出すな!」
- 「なんで自分の所で止められないんだ!」
- 「マナー教えてんだからちゃんと実践しろよ!」
言いたいことは山程ありますが、それでも逆らえません。上層部にも頭を下げる日々です。携帯ショップは本当にクレーム対応ばかりです。フランチャイズでしたのでキャリアに尋ねても、冷たい対応が返ってきます。
- 「家まで謝りに来い!」
- 「修理対応が遅すぎるから毎日進捗を電話で報告しろ!」
- 「誠意を見せろよ!警察に行ってもいいんだぞ?」
などなど。思い出しても二度と戻りたくない日々です。
複雑な割引システムを店員も理解できない…クレームの元
クレームの引き金になることはいくつかありましたが、一番ひどいのは「割引サービス」です。現在はいろいろと規制がありますが、当時は新規加入時にいろいろな割引をつけることが出来ました。
- 固定電話のサービスと同時で安くなる
- オプション付けたら安くなる
- 家のネットをまとめたら安くなる
もういろいろありすぎて意味不明です。それが毎月、いえ1週間後ごとに変更になったり、追加されていきます。
新規登録や機種変更を覚えるだけでも大変なのに、そのうえ割引メニューの説明も加わります。どうしたらそれが適応になるかをちゃんと説明して、お客様が条件を満たすか判断する。納得してもらって契約する。言葉では伝わらないほど難しい事でした。
割引サービスはクレーム量産機です。
- 「あのスタッフは安くなると言ったのになってない」
- 「人によっていう事が違う!」
- 「説明聞いてもわけわからん!」
頭を下げるのは店長です。もう限界でした。ストレスから精神的にきてしまい、内科で睡眠導入剤と安定剤を出してもらうようになってました。
決め手となった意味不明な割引サービス
そんなある日、次のチラシはこれで行くという店長会議がありました。私はその内容を見て、あまりに複雑過ぎる契約条件に絶句しました。いかにも本部が作りました!という内容。これを実施したら店舗のスタッフ誰もが説明できない、クレームをただ生むだけのもの。
まずいと感じた私は、勇気を出して「店の信頼が無くなります。考え直してください」と発言。他店長も同意見でした。ですが、現場を知らないお局は「幹部に逆らうのか?できないならそれを指導するのが店長の仕事だろう」と逆切れです。
「じゃ、あんたたちやってみなさいよ」と言い返せばよかったのですが、言えるはずもありません。この割引サービスの問題はそれだけでなく、チラシに書いてある割引が適応になる人がほとんどいないことです。10組来て1組いるかいないか、というレベル。
大きくチラシを打っておいて、「あなたは対象になりません」と伝えなければいけないお客様が圧倒的に多くなります。その事実を分かりつつもサービスをスタートするのは、店の信用を落とすことになります。どうにかチラシを止めて欲しい…と思うのが全店長の気持ち。しかも、そのチラシを作った幹部でさえも不安に思っていたのです。
それなのに、お局に押される形でそのチラシは進行しました。私はそれでもう耐えられなくなりました。「お客様をだましている」と思ってしまったのです。そのツケをはらうのは店長である私。本部は絶対に守ってくれませんので。
クレームがつらい…そんなときは辞めてもいい
どんな業界にもクレーマーは存在しますが、携帯ショップに関してはその度合いが強い気がします。私が言いたいのは無理しすぎないでください、ということです。
クレームでストレスを感じ続けると、良い眠りができなくなり、人を避ける傾向が強くなるそうです。「死亡率が高まる」と極論を言う専門家もいるようです。
「辞める」というのも立派な選択肢だと思います。
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最後に
3年勤めていた、そして店長にまでなった。未練は少しありましたが辞表を提出。それを見て「どこまで甘えているんだ?」と非難を受けます。
3時間ほど幹部とお局に囲まれて、引き留めなのか、罵りなのか分からない話を延々と。「私たちはあなたに眼をかけていたのよ!」「その気持ちを理解しようという気はないの?」と意味不明なことばかり。
私は最後に「自分に嘘をついて、安定剤を飲んでまで、この会社で仕事したくありません」と伝えて退職しました。その後、心療内科で「軽いうつ状態」と診断されました。それほど、クレーム対応、本部との板挟みに悩んでいたのです。辞めてよかった…と今は感じています。

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