はじめまして、私は国際協力関係の仕事をしているyosiと申します。
「国際協力てなに?」て方も多いと思いますので・・・
世界には195の国がありますが、そのうち150カ国以上が開発途上国と呼ばれる国々です。開発途上国の多くは貧困や紛争といった問題を抱え、貧困による衛生事情の悪化が感染症の蔓延や環境汚染につながっています。また、貧困は教育や雇用の機会を奪い、社会不安を招くことから、紛争の原因にもなっています。
世界がグローバル化した現在、こうした問題は、世界規模での環境破壊や感染症の蔓延、紛争問題の深刻化といった形で、世界全体を脅かしており、決して開発途上国だけの問題ではありません。国境を越える地球全体の問題は、世界各国が力を合わせて取り組む必要があるのです。
「国際協力で働きたい!」という場合、いくつかの選択肢があります。
私は省庁からスタートし、そして現在はNGOに所属しています。全く関係ない仕事(外資の銀行員)から転職して10年経ちました。国際協力へ転職した体験談を記事にしていきます。
国際協力には関係ない!銀行員でキャリアをスタート
大学時代はアメリカに留学しており卒業後に帰国。その後10年間は外資系の金融機関で仕事をしていました。業務内容は投資信託のデータ管理です。全くといっていいほど国際協力に関係がありません。
国際協力で仕事をしたい、と考えていたのは事実です。ですが、就職氷河期ということもあり選ぶ余裕がありません。自分の気持ちは押し殺して就職したことを覚えています。
銀行員時代もその思いはなかなか消えず…。赤十字社などでボランティアをしていました。仕事ではないですが充実した日々でした。
「このまま銀行員として働きながら、ボランティアとして国際協力に関わっていけたら…」と考えるようになっていきます。
しかし、その決意が大きく変わっていきます。忘れもしない2008年…リーマンショックです。外資の金融機関は大きなダメージを受け、現場の雰囲気ががらりと変わってしまいました。
退職者もだんだんと増えていく中で、私も辞めることを決意。「せっかくならやりたいことを仕事にしたい」と10年つのらせた思いを形にすることにします。
「国際協力へ転職する!」
異業種へ思い切って飛び込むことにしました。
国際協力への転職活動、どういう行動をしたのか?
一般的な転職サイトを調べてみたこところ、国際協力を前面に押し出した募集はありませんでした。
「転職活動はなにから始めたらいいのだろう…」と戸惑ったのを覚えています。
それでも諦めずネットで検索を続けたところ、JICA(国際協力機構)が行っている転職サービスを発見しました。
JICAが運営してるため、国際協力の仕事に特化しています。それは国際協力では有名なサービスだと後で知りました。
その転職サイトを見て、様々な形態の団体が仕事を募集していました。
国際協力を募集している団体
- 省庁
- 国際NGO
- NPO など
「思ったよりも募集の数が多い!」が最初の感想でした。
繰り返しの転職面接!省庁での採用が決まる
募集が多く喜んだのもつかの間、銀行勤めのキャリアでは採用が難しい現実も知りました。それでも諦めるわけにはいきません。
「国際協力と言えば国際NGOかな?」と考え、いくつかの団体に応募をしてみました。
面接までたどり着くことはありましたが、全て不採用になってしまいました。NGOでは即戦力を求められるため、初心者では相手にされないこともあります。
面接ではいろいろ聞かれましたが、国際協力の現場を知らない私には酷なものでした。
もう1つ障害になってしまったのが給与についてです。銀行勤めだったこともあり、収入が半分以下になるのは覚悟していました。
しかし、いざ現実になると二の足を踏んでしまいました。それほど想像との開きがあったのです。
最終的にたどり着いたのが省庁の団体です。外郭団体と呼ばれるものですが、現在は公には呼ばれていない名称です。財団法人、特殊法人などを指しますが、政府が支援をして活動する団体です。
この団体をターゲットに応募をしたところ、その1つが好感触!とんとん拍子に話が進みます。退職する3月中には内定をもらい、翌月から働けることになりました。
「国際協力の仕事ができる…10年越しの夢が叶った」
有頂天になったことを今でも覚えています。
なぜ未経験でも国際協力へ転職ができたのか?
未経験者の私でも採用されました。「なんでだろう?」と疑問に思っていましたが、働き始めて理由が分かりました。
このような外郭団体では組織体制がほぼ役所です。全てがシステマティックに動いており、銀行時代と比べて段違いです。「民間との差はこんなにあるのか…」と驚きを隠せないほどでした。
そのため、国際協力の経験よりも、しっかりとした事務処理能力を求められたのです。国際協力はNGOやNPOのような組織に考えが行きがちです。
ですが、一般的なサラリーマン経験も意外なところで役に立つことを知りました。NGOやNPOより給与の提示額が高かったため、納得することができました。
国際協力の仕事に就くまで
転職には不安が付きものと聞きますが、私は一切の不安がありませんでした。国際協力のステージに立てた嬉しさのほうが勝っていました。
両親は反対していました。当然といえば当然ですね…。何度も説明していくことで、徐々に応援してくれるようになりました。
苦労したのは書類関連(履歴書、職務経歴書)です。転職エージェンシーを使っていなかったので、書類のどこに不備があるか分かりません。
書類選考で落ちると、何がダメだったのかと悩むことが多かったです。しかし、外郭団体にターゲットを絞ってからは、書類選考で落ちることは無くなりました。慣れもありますし、自分の強みを活かした転職先とマッチしたのが大きいと思います。
面接に関しても苦労しました。転職活動を行っていたころはまだ金融機関でのキャリアを引きずっていました。つまらないプライドが邪魔していたのです。それが面接で相手に伝わってしまっていたと思います。今、考えると情けないですね…。
国際協力の仕事がスタート!果たしてどうか?
一言でいうと満足です。職場環境にも恵まれ、省庁とのやり取りも含め、政府間での国際協力の現場を体験できました。
その後、サウジアラビア駐在を2年間経験しました。日本政府が支援しているお金がどのように使われているか、を実際に見ることができました。
非常に厳しく大変な2年間でしたが、何にも代えがたい経験を得ることができたと思っています。
5年目での再転職!より小さな団体へ
この団体で働いて5年の月日が経ちました。仕事にも慣れていましたが、違う思いがわいてきました。
政府関連の団体で、現地でも現場を見ることができたのですが、支援金額が億単位と大きすぎるのです。
その規模になってしまうと、現地で直接支援を必要としている人に会うことができません。政府(日本)と政府(相手国)のやり取りだけで終わってしまいます。
「果たして私がやりたかった国際協力だったのか?」と自問自答する日々となります。
結論としては、NGOやNPOのような小規模支援団体に再転職することを決めました。経験者ということもあり、初回とは比べるまでもなく簡単に就職が決定。
小さな団体のため、支援が必要な人たちの顔を見ることができます。国際協力の再スタートを切りました。
小規模NGO団体での仕事はどうか?
現在は、スタッフが10名足らずの小さなNGOに勤務しており。主にイラクを中心とした中東全域に、医療支援を行っています。
私はそこで総務、経理、現地事務所の会計、そしてイベント開催時の対応等、多岐にわたる業務を行っています。
支援者から集まったお金がどのように使われているのか?支援者に見せることも重要な業務のひとつです。しっかりと気を引き締めながら、お金の管理を行っています。
勤務時間は9時から17時まで。残業はほとんどありません。イベントで休日出勤があった場合、必ず代休を取得するように言われています。
そのおかげで、普段は自宅で夕飯を食べることができ、休日もしっかり休めます。40代後半になったこともあり、給与のこともあまり気にならなくなってきました。
自分のやりたい仕事、そして環境の良さに満足しています。今のペースで続けていけたらと思っています。
メッセージ
国際協力の仕事をしたいという人は、年々増えているような気がします。しかし、実際には即戦力が求められています。現実と理想のギャップがあるのです。
加えて少人数制でやっているため、社会人としてのノウハウを教える時間がありません。もし、この仕事をしたいと考えているのであれば、まずは社会人経験を積んでください。
社会人経験後でも全く遅くはありません。むしろ、学生あがりでは続かないかもしれません。この業界はなにかしらの経験を積んだ人たちの集まりです。
「急がば回れ」という言葉の通り、まずは自信をつけてください。国際協力ができる日がやってくるはずですから。