「転勤」
それは子供にとって大きな出来事です。
当たり前のものが当たり前でなくなる。
大人はこれまでも多くの出会い別れを経験しているので、受け止めることが出来ます。でも子供はそうではありません。
担任の先生、近所のおばさん、友達、幼馴染、初恋。
それが足元から崩れていく…。ショックといった言葉では表せない感情になります。
環境の変化はもちろん、性格にまで悪影響を与えることがあります。
僕は中学生のときに転校を経験しましたが、かなり苦労をしました。
大人になって当時のことを振り返って、「転校がどう悪影響を与えたのか?」について書いていきたいと思います。
同じ悩みを持つ方へ参考になれば幸いです。
とにかく不安
まずはとにかく不安なんです。
「なにが?」と言われても分かりません。
全てが不安でした。
「友達できるかな…」
「学校の雰囲気はどうかな…」
置かれている環境が全てリセットされるので、いろいろなことを考えちゃうんですよね。大人でも不安障害になる人がいますが、子供にも同様の症状が出ることがあります。
病むほどは不安にはなりませんでしたが、学校の初登校日が怖くて仕方なかったのを覚えています。「あ、あと3日でいかないと…」と憂鬱な気分でした。
方言がある
引越し先によりますが、方言が強い地域だと苦労します。僕は北陸に転校したんですけど、訛りが色濃く残っていました。
語尾に「が」「がや」等をつけてましたけど、とにかく慣れるまでが大変…。もともと標準語だったので、それで話すとよそ者扱い。「田舎者だとバカにしとるんけ?」て怒られることもあり。
方言は良い風習ではあるけども、使わない人にたいして風当たりが強くなることがあります。つらいですね。
転校生は変な目で見られる
転校生と聞くとあなたはどんな生徒を想像しますか?
ちょっと透かしたイケメンの男の子、あるいは少しドジで天然なかわいい女の子を想像するのではないでしょうか。
しかし・・・いたって普通の子供が来ます。
残念ながら漫画と現実は違います(笑)
子供たちもね、期待しちゃうんですよね。
まんねりした学校生活に変化が起きるわけですから、イケメンや可愛い子がきてほしいわけです。
僕ははっきり言って残念な子供でした。
小さくてぼっちゃり。運動は苦手。
顔もね…平均以下でした。
みんな口には出せないですけど残念な転校生だったのは間違いありません。うらで熊みたいな転校生が来た、て言われていたのを後で知りました。勝手に期待され、勝手に悲しまれる。
いいかげんにせい(笑)
仲良くしようと踏み込むことで言いなりに
転校したら友人はひとりもいません。ゲームのリセットボタンを押されたように、また新しい冒険を始めないといけません。転校生なので周りも積極的に話しかけてはくれます。でもそれが大変…。
明るい子なら大丈夫なんですけど、僕は当時かなり内気な性格でした。いろいろ話しかけてくれるんですけど、うまく返せないんですよね。でもここで上手く会話ができないとみんな離れていく。だから必死で話しましたよ。
背伸びして無理して会話する。毎日ストレスだったな…。悪いやつ、いわゆる不良。
そんな子にもいろいろと話しかけられ、後々嫌な思いもしました。言いなりになってしまいつらかったです。
からにこもる転校生もいた
たまーに転校生はくるもので、中学生活を送る中で数人いました。僕は必死で周りと会話をしましたけど、そんな子供ばかりではないようです。
とにかく暗い。
なんかすましているというか、怖いというか。
そのうちのひとりが光田君(みっちゃん)でした。
転校生同士はつながるもので、数ヶ月後によく話す友達になりました。
みっちゃんは父親の仕事が忙しく、転校を頻繁にしているようで中学3校目でした。
本人は口には出しませんでしたけど、あんまり周りと仲良くしないのは「どうせムダ」だと感じていたのかもしれません。
みっちゃんは卒業前にまた転校していきました。
あの時は深く考えなかったけど、子供のときの友達は一生モノなので本当に可愛そうだなと感じてしまいます。
転職という選択肢もあり
さんざん転勤(転校)しましたが、大学を卒業して転勤のある企業へと勤めることになりました。独身だったので先のことは考えていませんでした。
子供の時に比べたらだんぜん楽ですね。転校したときの苦労を10としたら、大人になると1くらい。よっぽどつらかったですね。
僕にとってはつらい思いをしたのは事実です。転校がどれほど悪影響を与えるかは分かりませんが、今の性格考えに影響したのは間違いありません。
今年に子供ができたので転勤なしの会社へ転職しました。今しかないかと思って決断しました。まだまだ先のことですけど、あの思いをさせたくありません。
ずっと同じ仕事、職場にいるとその環境が当たり前に思えてきます。みんな転勤をしているからそれが普通だ、みたいな。赤信号みんなで渡れば怖くない、と同じ理論です。
「どの企業も転勤あるよねー」と勝手に思い込んでましたけど、全然そんなことなかったです。もっと早くいろいろ仕事を見るべきでした。
・子供が生まれる前に転勤なしにしたい
・もう子供がいて転校させたくない
という方
他の仕事も見ておいたほうが良いです。ホントは今の仕事を続けるのがベストですけどね、選択肢を持っておくことは大事。「この仕事を続けるしか無い…」と周りが見えなくなるのはまずいです。
僕の場合は妻が妊娠する前に転職活動を始めてました。転職活動といっても書類応募する、面接に行くといったことではなく求人情報を集めてました。
有名なところではリクナビNEXT ですね。
大手のリクルートが運営しているサイトなので、とにかく求人が集まってきます。自分が希望する条件にチェックしておけばメールが届くし、自分で検索することが出来ます。
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そのため気軽に使えます。求人情報を集めて感度をあげておくのは重要ですね。
子供ができるとやることは増えるし、奥さんはつわりで大変だし。心の余裕がなくなり気づくと出産。そして「いつか考えよ…」となあなあに。事前に準備しておくのが肝心です。
ですので、リクナビNEXTに登録しておいて損はないです。
僕はこだわり条件を「転勤なし」で設定していました。
いろいろ使い勝手が良いので試してみてください。
悪いことばかりでないし環境によっても違う
転校も悪いことばかりではありません。自分から話しかける習慣がついて社交的になったことも事実です。
そして環境によっても違うと思います。僕はつらい思いをしましたけど、環境に恵まれれば子供にとっても良い影響を与えるのではないかとも思います。
この記事が参考になれば幸いです。