金融系SEの仕事はどうなの?金融系システムエンジニア9年目の私が質問に答えていく

エンジニア

パソコン・インターネットが仕事の基盤にある現代において、システムエンジニアは欠かせない存在となっています。

システムエンジニア

SEと呼ばれる。システム開発、設計、テストを進めていく仕事。また、既存システムの維持、改善などを担当する仕事。

簡単にいうとパソコンを使って、社内を改善する、守るといった仕事になります。

 

金融系システムエンジニア(金融SE)

銀行、保険会社、証券会社など金融系のシステムエンジニア

私はこの会社に勤めて9年目です。

 

この記事では9年間働いた経験から、「金融系SE」「金融システムエンジニア」について疑問に思いがちな点を答えていきたいと思います。

 

金融SEの給料はどうなの?

 システムエンジニア平均年収(30代)

1位 金融・保険系 744万円
2位 外資系    689万円
3位 電機メーカー 660万円

参考:リクナビNEXT

 見て分かる通り、給料はかなり高いです。

私は29歳女性で年収570万円です。

 

平均比較すると少ないと感じはしますが…

20代女性としてはかなり良い金額だと思います。

 

ウチは大手のグループ企業のため、もらえる給与は安定していました。仕事のできるできないに関わらず、誰でも給料がたくさんもらえるのが良いですね。反対に、仕事ができる人は「あいつと同じなんて何だかな」と感じる人もいるかと思います。

 

20代前半で500万円以上の年収になるので、羽振りが良い人が多いです。ボーナス月は飲み会が恒例になっていて、1品数万円する高級店が会場になります。社内全員が財布に余裕があるので、ギスギスしないのは良いかもしれませんね。

 

 金融SEの福利厚生は?

 

SEは売り手市場ですので、福利厚生は充実しているところが多いです。一番ありがたかったのが、住宅手当です。一律4万円が支給されていました。東京に住むことが必須でしたので、これは本当に助かりましたね。他の職種の友人と比較しても、比較的便利で新しい物件に住むことができていました。

 

住宅手当以外にも退職金、産休、介護休暇などがあります。金融系SEは職場自体がお固いため、福利厚生含めた社員への待遇はしっかりしています。制度はあるけど使えない、そういった会社はたくさんあると思いますが、金融SEに関しては無縁とも言えます。

 

残業は多いの?

SEの平均残業時間
月 18時間
参考:キャリアパーク
 これがSE全体の平均残業時間。あくまで平均なので、これよりも少ない業界、多い業界あるでしょう。私の友人の中には月100時間残業している人もいます。

 

金融SEの平均残業時間(私の場合)
平均 :月30時間
繁忙期:月80時間
忙しい時は80時間も残業します。けっこう多いですね。

 

繁忙期はシステム改変、金融法改正、トラブルが絡んでくることが多いです。その時は定時では仕事は終わりません。仕事の比重が重いため「明日でいいか」は絶対に許されません。

 

・残業はあまりしたくない
・いつの時もプライベートを大事にした
という方には難しい仕事かもしれません。

残業代は出るの?

 

残業代出ます。

 

コンプライアンスの意識が高く、とくに残業代に関しては働いた分がきちんと給与に反映されました。
コンプライアンス
法律や企業倫理を遵守する行動や考え。シンプルにいうとルールを守ること。
また、タイムカードもパソコンで不正ができないようにきっちりと管理されています。サービスで働くということが物理的に出来ないよう管理されていました。

 

そこは金融系SEの良い点ではありますね。お金を扱う企業がコンプライアンスを守れないのであればお話になりません。世の中、サービス残業をしている人はたくさんいるかと思いますので、そう考えると救われた点です。

金融系SEになるのに資格は必要?

 

資格は必要ありません。

 

私のところは銀行ですので、保険や証券会社では事情が違うのかもしれません。ただ、入社するのに資格が必要という話は聞いたことがありません。

 

入社後には強く資格取得をすすめられます。ウチは「基本情報処理技術者」でした。強制ではなかったのですが結局取得することに。今のところあまり役立ってはいません。
基本情報処理技術者
情報技術に関する知識をもつ者。プログラム設計、開発、テストなど。試験は筆記で誰でも試験を受けることが出来ます。

金融SEでは教育はどう?

 

金融系SEの教育は徹底されています。

 

忙しすぎる職場だと新人放置されるところもあるみたいですが、まずそれは起こりえません。1つのミスが大きな問題になるので、先輩上司が付きっきりで指導をしています。作業後の相互確認も徹底されているため、誰かがミスしても全員でチェックしあう良い空気感があります。

 

また、新人研修だけでなく外部の研修を受けることがあります。そのため、成長できたと実感できることが多かったです。若い会社のため若手が多く、大事にされており、仕事も常に若者に任せて育てようという意識がありました。

金融SEのやりがいは?

 

金融機関向けの仕事ということで、社会のインフラを支えるというやりがいが凄かったです。金融は全ての基盤ですし、エラーを起こすと大変なことになります。

 

「責任感」
これを常に感じて仕事できていました。大手の金融機関の仕事に携わった、あるいは地方や海外に行ってプロジェクトを完遂したとき、自分の力で大きな仕事をやりとげた達成感を味わうことが出来ました。

 

反対にこの責任感が重くのしかかる時もあります。9年もいると慣れはしますが、この責任感の重みに耐えられなくて辞めていく人がいるのも事実です。

女性も活躍できる?

 

システムエンジニア全般について言えるが、基本的には男性社会です。私は女性ですが、だからといって優しくされることはありません。

 

もちろん同じ条件で入社していますし、給与も男性と同じです。だから特別扱いは嫌なので私としてはそれで良かったです。ただ、体力的にはかなり厳しいとは感じます。繁忙期には男性の誰よりも人一倍気力を絞らないと乗り切れません。

 

まだ私は独身ですし当然子供もいません。もし子供が出来るとなると、残業が多すぎて大変かもしれません。ただそれを差し引いても、高給取りであることは間違いありません。女性でも活躍できる仕事だと思います。

 

金融系SEの仕事で大変なことは?

 

給料は高く、残業代もしっかり出る、やりがいもある。金融系SEの良い点を紹介してきましたが、大変だと思うことも当然あります。

 仕事の責任感が重すぎる

 

先ほども書きましたが、1つ1つの仕事の責任が重すぎます。ミスをして場合は取り返しのつかないこともあります。極端な例ですが、銀行で記帳したときに1つ桁が減っていたら、誰しもが騒ぐと思います。お金に関する仕事なので気が重いことも確かです。

 

また、納期の順守へ意識がかなり高いです。続きは明日やろう、といったことが出来ません。予期せぬトラブルなんかはそうですね。長時間労働が確定します。多少忙しいことは仕方ないという雰囲気が社内に漂っていて、22時を過ぎても誰も帰らない。そして帰りにくいとことがよくあった。

 

ムダな作業が多すぎ

 

印鑑や承認のプロセスに金融機関独特のわずらわしさがあります。

「この作業必要なのかな…」

と感じる作業を強いられることが多々ありました。提案したところでその仕組みを変えることは出来ません。たった少しの作業でも不在がちな上司承認が必要なため、長く待たされてしまう。結果として長時間労働へつながることが多い。

チャレンジは出来ない

 

大手だからこそ、チャレンジしたり提案したりすることが難しい社風であり、仕事が面白いと思うことは少ないですね。もともと受けている仕事を少し仕様変更したり、あまり必要でなさそうな機能を追加したりという仕事が多い印象です。

 

「もっと知識をつけたい」

「たくさんのスキルを身につけたい」

という方には向いていません。これを理由に退職していくのを何人も見てきました。良い意味では安定しているけど、悪い意味では変化しない仕事といえます。

 長時間労働で体を壊す人もいる

 

長時間労働に伴い、体調を崩して休職する人も多かったです。そして、会社としてのサポートが薄く、復職してきた人は数えるほどです。

 

金融系SEぽいというか、お固い職場でしたので、会社は冷たいと感じることもありましたね。ダメになりそうとか、ついていけそうもないとか、そういう人のケアは無かったと思います。もちろん同僚同士で励まし合うことはあるのですが、忙しい時はそれも出来ません。

 

最後に

簡単にではありましたが、金融系SEについてまとめてみました。仕事はハードだけどやりがいはあるし、若くして高給取りになれます。そして、やりがいのある仕事でもあります。

 

大変なことはたくさんありますが、それでも私は金融系SEをオススメします。結婚して子供が出来たら考えないといけないですが、私もまだまだこの世界で頑張りたいと思っています。