10年目が教える!観光バスの運転手の仕事はどうなの?給料?残業などは?

運送物流

私は現在、観光バス会社に勤務しています。大型車の運転歴はもう少しで10年目になる36歳男性です。

 

観光バスの運転手の…

  • 給料はどれくらい?
  • 残業はどうなの?
  • 休日はちゃんと取れる?
  • メリット・デメリットはどう?

 

私の体験している事を書かせて頂きます。「観光バス運転手を仕事にしょうかな…」と考えてる方に、メリットとデメリットを交えて紹介させて頂きたいと思います。

 

なぜ観光バス運転手の仕事を選んだのか?

私は24歳で運送業の門を叩きました。元は自動車ディーラーマンとして勤めておりましたが、諸事情により今の会社に転職しました。

 

大型バスを運転している友人にオススメされたのがきっかけです。仕事のやりがい、上司に縛られない、一人の空間がある。それが非常に魅力的に感じて行動しました。普通免許しか所有していなかったので、まずは大型第一種免許から取得し勤務を開始しました。

 

トラックを4年ほど経験したところで東日本大震災を経験。それに伴い、トラックの仕事は激減。震災当時はトラックの運行管理兼営業をしていたのが幸いし、同会社で長期夜勤勤務に配置換え、その間に大型二種免許を取得し現在に至る状況です。

 

もともと大きな車が好きでした。「観光バスを運転してみたい」という思いがあったので、観光バス運転手の仕事を選びました。

 

観光バス運転手になる道のり

観光バスの運転手になるには、なんといっても欠かせないのが「大型第二種免許」です。この免許を持っていなければ観光バスの運転手にはなれません。平成16年までは、中型免許は存在していませんでした。普通自動車免許を所有しているか、21歳以上であれば、大型第二種免許を取得する事が出来ました。

 

しかし、法律改正により取得方法が変わりました。

大型第二種免許取得の流れ

「普通自動車免許」

⇒「準中型自動車」

⇒「中型自動車」

⇒「大型自動車」

 

ステップアップ免許の様になっています。

21歳以上であれば…

  • 自動車学校
  • 一発試験

どちらかで大型第二種免許取得をおススメします。私は一発試験を選びました。費用は約7万円ほどです。

 

観光バス運転手の仕事内容は?

観光バスの運転手の仕事の内容は会社によっても多少変わってきますが、私が勤務する会社の業務内容を紹介します。

 

観光バス運転手の仕事

  • 運行前、道路状況の把握
  • 大型自動車の無事故運転
  • 車両点検
  • 観光地までのルート思案(宿題)
  • 観光地へのルート下見
  • 観光地へのご案内
  • 車輛の清掃
  • 添乗員さんとの運行行程の打合せ
  • 燃料補充
  • 自動車軽いメンテナンス

 

メインは当然大型バスの運転になりますが、これ以外にも細々と仕事があります。特に必要なスキルはありませんが、「運転+接客は必要となります。大人数を乗せて走るので、万人受けする安全運転技術が問われます。自己流運転をしてはいけません。お客様を観光地に連れて行くだけの仕事ではないのが現実です。

 

観光バス運転手の給料はどう?

 

観光バス運転手の給与

※私の場合(10年目)

  • 月給 24万
  • 賞与 10〜15万(年2回)

年収 390万

 

一般企業と比べると低い給料になります。これ以外に、お客様から寸志を頂くことがあります。月に2万円~3万円ほど給料とは別に入ってきます。外国人旅行客等を相手にすると、一運行で5万円近く入る時があります。

 

大きな観光バス会社(車輛50台以上所有)ですと、年収450万円は超えると言われています。しかし、あくまで大会社の場合となります。観光バス業界全体が、まだまだ社会的地位が低いのを引きずっているのが原因なのではないでしょうか…。

 

観光バス運転手の残業は?労働時間は長い?

 

残業は多いです。月間50時間はあると考えておいてください。ただし、「残業について考えてはいけない職業ではないか?」と私自身は感じています。観光バス業界と、オフィス勤務のサラリーマンでは環境が違いすぎます。観光地で一泊することもよくあるため、どこまでを勤務とするかが不明瞭だからです。

 

運転手に適用されるのは、36協定で定められた変形勤務時間とみなし残業程度と、乗務員の拘束時間が適用になります。会社によっても残業形態は変わってきます。歩合制度を用いてる会社に関しては日給・月給制度での給与計算となるため、残業という概念はありません。オフィスワーカーの勤務経験者は、独特な勤務体形に着いていけない場合があります。

 

休日はどう?

運転手の休日は法律で決められています。運行終了後から36時間以上を休日の扱いになります。さらに、二週間(14日)勤務が最大勤務となります。14日目で36時間以上フリーの時間を与えれば、法律上休日の扱いとなり会社側が法律をクリアするため、二週間お休みが無いなんていうのはザラにあります。

 

特に繁忙期は月5日お休みがあれば良い方です。冬に入れば嫌というほどお休みを取得できます。業界全体で閑散期に入るため、仕事が極端に減ってしまうためです。お休みに関しても、オフィスワーカーとは仕組み自体が違うと言えます。

 

繁忙期…4月(花見)/5月(GW)/7月、8月(夏休み)/9月、10月(休み、紅葉)

 

観光バス運転手のメリット

キツイ点もありますが、私にとっては大好きな仕事です。それは一般企業では得られないメリットがあるからです。私が感じる観光バス運転手のメリットをご紹介いたします。

 

1.美味しいご飯が食べられる!さらに温泉三昧!

 

宿泊を伴う仕事の場合、ほとんどが乗客と同じホテルとなります。そして、同じ食事を提供してもらえます。これは全て会社から支給されるため、タダで旅館に宿泊が出来ます。夕方宿入りの早い団体さんとご一緒できれば、夕食後のんびり温泉街散策なんてことも出来ます!(^^)!

 

2.観光地ではなじみ客に!見学も無料!

 

向かう先はバラバラになりますが、観光客が訪れる場所はほとんど同じとなります。レジャー施設(特に展示施設)なんかは、何度も訪問するうちに顔なじみとなります。そのため、無料で施設を利用する事が出来るようになります。

 

3.地理にとても強くなる

 

毎日運転をしている為、方向感覚が研ぎ澄まされていきます。初めて行く場所でも迷うことはほとんどありません。地図無し、感覚のみで目的地へ行くことが出来ます。観光地、施設も頭の中に入っていきますので、5年目を過ぎると「人間カーナビゲーション」です。家族旅行、友達とのお出掛け、そんな時はこのスキルを発揮する事が出来ます。

 

観光バス運転手のデメリット

メリットもあれば当然デメリットもあります。私が感じる観光バス運転手のデメリットもご紹介いたします。

 

1.出張が多い!家賃が無駄になる…

 

宿泊をともなった仕事が多いため、家にいる時間が極端に短くなります。ひどい場合はこのようなスケジュールとなります。

 

繁忙期の場合…
  • 二泊三日での仕事
  • (翌日)四泊五日の仕事
  • (翌日)また二泊三日…

 

繁忙期は週3日、家の布団で寝れれば良い状態です。家を空ける時間が長いため、既婚者は奥様の多大なる理解が重要です。奥さんの理解とフォローを得られないと、離婚につながる場合があります。私の場合は幸いにも独身ですので…問題とはなっていません。

 

2.銀行が使いづらい!

 

小さなデメリットではありますが…意外と困る点がこれです。観光地にの近くに銀行があるとは限りません。私は振込が必要な案件があると、銀行があるか調べてから出発します。特に、県外に仕事に行くと利用したい銀行があるとも限りません。運行中にお客さんを乗せたまま、コンビニや銀行に寄ることが出来ません。そのため、早め早目の行動を起こす必要があります。

 

最後に

 

簡単にですが、観光バス運転手の仕事についてまとめました。

  • 一般企業で働くのは嫌だ!
  • 誰か(上司)に縛られるのは嫌だ!
  • 観光、温泉が好きだ!

そんな方にはオススメの仕事と言えます。私は旅行、観光、温泉が好きなので、本当に天職だと思っています。無料で様々な体験、良い思いを出来るのはこの仕事の魅力ですね。

 

興味がある未来の運転手へ。私の経験談、この記事が参考になることを願っています。