看護師になるにはどうしたら良い?私が夢だった看護師になるまでの10年間の記録

看護師になるには?

私はこれまで15年間看護師として勤務してきました。

 

病院、クリニックと4箇所の職場を経験しています。病気や怪我をしている人を救う看護師、そんな姿に憧れる方はたくさんいるかと思います。私もそのうちの1人でした。

 

  • 何を勉強したのか?
  • 看護学校で大変だったことは?
  • 就職は簡単だったのか?

将来看護師を目指す方が気になることを記事にしていきます。私が夢を叶えるまでの10年間の記録です。

 

私が看護師を目指したきっかけ

 

私は看護師になると決めたのは中学1年生の13歳です。

 

大好きな祖母が癌になり入院したことがきっかけ。お世話を献身的にしてくれた看護師さんに憧れて、将来は看護師になることを決意しました。

 

看護師になるため高校受験/高校生活はどうしたか?

 

中学3年生になると志望校を決めなければいけません。看護学校に行くのは高校を卒業後です。試験を受けて合格することで看護師への扉が開きます。そう書くと「高校はどこでもいい」「高校では勉強だけしておけばいい」と感じる方もいるかもしれません。

 

私が考えていたことは「どうやったら高校を卒業する時に看護学校に入る確率が高いか?」でした。看護師になることしか頭に無かったので、正直なところ高校はどこでもよかったのです。

 

私がとった選択肢は「推薦枠」です。

 

高校で推薦を受けることで希望大学に行くことが出来ます。推薦枠をあらかじめ調べておき、自分の学力レベルより低い高校を選びました。推薦枠を取りやすくするためです。今思えばかなり戦略的に動いていましたね…しかもあざとい行動です(笑)

 

高校生活は特にやることもなく、とりあえず良い成績だけは維持するようになりました。そして高校3年生になり「運命の推薦枠」です。

 

私が通っていた高校においては看護学部の推薦枠は「1」です。希望者は3人いましたが、無事私が選ばれました。通信簿評価が平均4.2以上(5段階中)で推薦が通りますが、私は校内面接含めてクリアをしておりました。

 

同級生には悪いのですが…中学1年生のときから看護師の夢を持っていたわけです。推薦枠も意識して入学、そして高校生活を送ってきました。だからこそ負けるわけにはいかなかったのです。

 

看護学校の推薦面接

 

推薦枠があったのは「働きながら学べる専門学校」です。詳しくは後で書きますが、勉強しながら実務をしお金を得ることが出来ます。私の家庭は金銭的余裕がなくて、入学金や授業料が高い看護大学は選択できませんでした。

 

しかし、その看護学校なら高校からの推薦枠で筆記試験はありません。面接だけで入学できると聞きました。周りの同級生が試験勉強をしている時に、面接対策だけやれば良かったため気が楽だったのを思い出します。

 

推薦面接で聞かれた内容

  • なぜ看護師を志したか
  • 入学できたらどんな事を頑張りたいか
  • 健康状態はどうか
  • どんな看護師になりたいか
  • 今一番気になってる医療問題は何か

記憶が曖昧ですが、このような質問だったかと思います。

 

  • 祖母が入院していたことがきっかけ
  • 看護師を目指して6年間努力してきたこと
  • 患者によりそった看護師になりたいこと

 

ありのままを伝えました。結果は合格です。推薦枠での試験だったため余程まずい回答でなければ合格していたのかもしれません。ですが、夢の看護師にかなり近づいたことで有頂天になったのを思い出します。

 

春になれば憧れの看護学生です。

 

看護学校での授業

 

看護大学であれば4年間看護師になるための勉強をします。

 

私が通った看護学校は4年制大学とは仕組みが違っていて、准看護学校と高看護学校に分かれています。分かれているといっても学部が別なのではなくて、始めの2年間は准看護学校で学びます。それが終わると高看護学校で3年間学び看護師を目指します。

 

看護学校の仕組み(私のケース)

准看護学校2年間

→これが終われば准看護師になれます

高看護学校3年間

→追加で学び看護師を目指します

 

4年制大学よりも1年間多く学ぶことになります。社会人出身や主婦は2年だけ学んで准看護師を目指す。高卒者は5年学んで看護師を目指すというのが多かったです。

 

准看護学校

 

定員80名でした。先にも書きましたが学生だけでなく、社会人出身者もたくさん学んでいました。

 

午前中 各病院で看護助手として勤務

13時   学校で授業

16時半 授業終了

17時 各病院に戻り勤務(遅番、夜勤)

 

赤文字にしたところが勤務となります。時給580円と決して高くはないですが、学びながら経験を積んでさらにはお給料も頂けるので有り難い限りです。

 

2年生後半〜

病院実習が始まります

2年過程終了

県で実施される准看護師試験を受験、合格して准看護師資格を得ます。

 

これで准看護学校の2年間が終了します。高看護学校に進学する場合は進学試験を受けます。

 

高看護学校

 

3年過程で定員40名です。准看護の約半数の受け入れとなります。

 

午前中〜17時 病院で准看護師として勤務

17時半 学校で授業を受ける

20時半 授業終了、帰宅or夜勤

 

准看護師として正社員として勤務します。給与は15万〜18万くらいで勤務先によって変わります。

 

見て分かる通り…とにかく大変な3年間でした。勤務時間は8時間超あります。それが終わって休める…ではなくてそこから授業が始まります。授業が終わっても夜勤が入る日もあります。思い出しても大変な毎日でした。

 

2年生後半

病院実習が始まる、准看護師の業務はお休み

3年過程終了

国家試験を受験、正看護師の資格を取る

 

職場勤務と学生の両立が大変で、途中で挫折して辞めていく人も多かったです。夢を持って入学したにも関わらずです。やはりそう簡単にはなれない仕事ですね。

 

看護実習はどうだったか?

 

先に書きましたが、准看護師としての実習は約6ヶ月、看護師としては約1年あります。この実習がとにかく大変ですので、これから目指す人は覚悟してください。

 

准看護学校の実習

 

実習は13〜16時の3時間だけでした。実習内容は患者の清潔ケアが中心です。

 

准看護師実習

・清拭、オムツ交換

・足浴、手浴、

・ケリーパッドや洗髪車での洗髪

・口腔ケア

・入浴介助

資格がまだないので出来ることが少ないです。清潔ケア、コミュニケーションをとるくらいです。そのおかげで気が楽でしたね。脱落者は同級生で誰もいませんでした。

 

高看護学校の実習

 

これがとにかく大変でした。肉体的、精神的に追い詰められて実習中に辞めていく人もたくさん。私も眠れない日々が続いて倒れる寸前でした。

 

まず高看実習は朝から夕方まで丸1日あります。

(実習期間は勤務先をお休みする)

 

高看護実習

7時 受け持ち患者のカルテ確認

7時半 尿量測定

8時 申し送り、担当看護師に目標発表(大抵無視される)

9時 清拭、オムツ交換、病衣交換

10時 受け持ち患者の検査見学(必要時介助)

12時 昼休憩

13時 検温、カルテ記入

14時 担当看護師に今日の報告(なかなか聞いてくれない)

15時 看護学校に戻る

16時 記録を書く、グループカンファレンス

22時 帰宅して明日の目標を考える

 

私の場合はこんな感じでした。看護大学や看護学校によってだいぶ内容に違いはあります。

 

とにかく実習先の担当看護師が厳しくて大変でした。しかし、担当看護師は仕事をしながら、学生に教えなければいけません。相当大変だろうなと働き始めてから理解できるようになりましたね。

 

看護資格試験はどうだったか?

 

実習が終わると次は資格取得が必要になります。

 

准看護師試験

 

まず准看護師試験は簡単です。ちゃんと勉強していれば受かります。当日体調を崩さないようにしてください。

 

私がやった試験勉強

准看護師試験はカンタン!過去問を勉強しただけです。

 

看護師試験

 

地獄の実習が終わると、次のこの試験が待っています。これもまた地獄です(笑)

 

正看護師の国家試験は難しい上に1年に1回しかきません。不合格では看護師としては働くことが出来ません。

 

私がやった試験勉強

・過去問題集5年分が売っているので5回以上解く

・グループ勉強する(お互いに問題を出し合う)

・家中に問題を貼る(トイレ、お風呂にも)

・暗記項目は語呂合わせ

・インフルエンザが流行る時期のため外出は控える

 

よくある勉強方法ですが、ぜひ試してみてください。私は11月に試験勉強を開始し、毎日10時間くらい勉強していました。人生で一番勉強したと思います…。とにかく練習問題をたくさんといて、暗記することが重要です。

 

そんな苦しかった5年間が見事身を結びます。

「看護師試験、合格!」

10年越しの夢が叶いました。

 

看護師の就職はどうしたか?

 

試験とは並行して就職活動があります。一般企業とは違い狭い世界です。自分で病院を探すといったことはありません。学校での説明会や、病院から直接声がかかることもあります。

 

私は学生の時に勤めていたクリニックにそのまま就職しました。院長から声をかけてもらったので、そのまま面接も無く合格でしたね。

 

「うちで働かない?」の一言で看護師になれましたので「看護士の夢を叶えたー!」という想像していた喜びとは違い、あっさりしているなという感想でした。それでも夢を叶えた充実感でいっぱいです。

 

同級生もそれぞれ就職を決めていきます。全員が希望した病院に合格し、試験に落ちた人は誰もいなかったそうです。やはり人員が不足しているのですね。

 

最後に

 

看護師になる夢を持った13歳の私は、10年の時を経て看護師になることが出来ました。

 

夢を叶えて嬉しかったというよりも、あの学校生活を無事を終えることが出来て、本当に良かったとホッとしていました。

 

本当に本当に辛く…。あまりに辛すぎて、あの時一緒に頑張った同級生とはあまり会いたくないくらいです。当時のことを思い出してしまいます(笑)でもそれは15年前の話し。現在とは違うかもしれませんね。

 

最後にですが、看護師はつらい仕事であることは間違いありません。ただ他の仕事もそうだと思います。つらいことはたくさんあるのが仕事。それとは引き換えに、たくさんのやりがい、そして現実的な話ですが収入面や就職で大きなアドバンテージがあります。

 

そう思っている学生さん・・・ぜひ看護師を目指してください。この10年間の記録、この記事が誰かのお役に立つことを願っております。