看護師はチャレンジ出来る仕事!〈看護師歴20年〉看護留学、美容外科、審美歯科医と様々なことに取り組んできた体験談

仕事紹介(看護師)

「看護師」として働いている方はたくさんいます。その多くが病院、クリニック、介護施設で働いていると言われています。

 

  • 看護留学
  • 美容外科
  • 歯科口腔外科医

 

これは私が取り組んできた仕事です。看護師としては異質といえます。「看護師として人とは違うことをしたい」「新しいことを成し遂げてみたい」と考えている方は多いはず。

 

「看護師は様々なことにチャレンジできる仕事です!」

 

看護師歴20年、私が取り組んできた仕事について記事にしていきます。読者様のお役に立てれば幸いです。

病棟での勤務は激務だった!

卒後1年目は市民病院での勤務でした。内科・神経内科混合病棟が私の担当です。慣れない環境の中、プリセプターNsに様々なことを教育して頂きました。それは今でも覚えています。怒られたり、いわれのないことでキレられたり…。

 

しかし、ここで教えて頂いたことが後(のち)の看護師人生で役に立つことばかりでした。勤務は3交代勤性。内科の混合病棟でしたので、人工呼吸器を装着している患者さん・認知症患者さん・難病の患者さん・糖尿病の教育入院など様々です。重症で人工呼吸器を装着している患者さんを受け持ちながら、隣では「寂しいからナースコール押した!」という方も同時に看ていました。

 

  • がん患者さんのルート確保、調剤(当時)
  • 糖尿病のインスリン自己注指導
  • 看護助手とペアを組んでのお風呂当番、オムツ交換、ラウンド、シーツ交換

 

とにかく仕事量はすさまじく膨大で多岐にわたります。看取りも多くしました。多い時は各勤務帯で1−2人のステルベン。結構心身に来ます。「まだ逝かないで!」と何度願ったことか分かりません。

 

とにかく、毎日がハードであっという間に過ぎていったのを覚えています。

 

29歳で看護師長、33歳で留学を機に退職する

そんなきついハードワークの看護師業務ですが、悪い事ばかりではありません。オムツ交換の技術が高くなると、大抵どんな患者さんでも1人で出来るようになります。綺麗にできると、褥瘡予防になるだけでなく、患者さんや家族に感謝されます。加えて、オムツ交換の技術は、訪問看護師として極めて重要な技術だと気づきました。家庭で一番困るのが「シモの世話」と言っても過言ではないでしょう。これは、後の仕事にも活かせる技術となりました。

 

また、準夜後の看護師さんと飲みニケーションも良い人生勉強になりました。そのまま、日勤に突入したこともあります。昔はゆるい空気感がありましたので…。今の時代は許してもらえないでしょうが…。

 

29歳で看護師長になり、33歳まで4年間責務を果たしました。そんな多くの経験をさせていただいた市民病院ですが、留学を機に退職を決めます。「え?どうして?もったいない…」と中には思う方もいるでしょう。決してストレスがあったわけでも、人間関係が上手くいかなかったわけでもありません。「看護師としてもっとチャレンジしたい」という気持ちが強かったのです。

 

オーストラリア(メルボルン)への看護・語学留学を経験

看護留学を決めた理由はいくつかあります。

  • 新しい環境に身を置きたかった
  • これからのために語学力をつけたかった
  • 産科・小児科を経験したかった

 

当時の私は産科・小児科看護師になりたかったのです。ですが、以前の看護社会は相当な女性優位の世界でした。今でもきっとそうですが、より強かったのは否めません。私は男性看護師であるため産科はご法度、小児科でさえ異動が許されません。「絶対ダメ!」と市民病院の看護部長に言われてきました。現代なら逆セクハラで訴訟レベルですが、日本では私のやりたいことが出来なかったのです。

 

留学先はメルボルンです。語学留学に加えて病院見学や研修もできるプログラムに参加しました。現地で語学学校に行きながら、ホームステイやシェアハウスを経験でき、生涯の友人まで出来ました。

 

病院研修は希望が叶い産科病棟となりました。ここでは、日本ではあまり見ない麻薬中毒患者から生まれた赤ちゃんの看護することもありました。毎日が刺激と発見の連続です。「毎朝必ず何をしたい?何を見てみたい?」と担当より聞かれるため、自主性がないと完全に置いてきぼりです。

 

オーストラリアは訪問看護が充実しており、カイザーでも数日程度で退院です。その代わり訪問看護師が家に来てくれるので安心だと言っていました。日本との看護感の違いは今後の看護師人生に大きく役立つことになります。留学期間はあっという間に終わり、ビザの関係で帰国。

 

留学期間中で最も印象に残ったのは「美容外科・形成外科」でした。「産科は?」と言われそうですが、これまでとは違う分野を知る機会があり、興味を持つことになります。病院図書館では美容外科・形成外科の教科書が充実しており、期間中食い漁るように見ていました。

 

「美容外科・形成外科に携わりたい」と留学前と違う思いを頂くようになります。こういう発見が出来たのも留学したからだと思っています。

 

大手美容外科へ入職!美容の面白さにハマる

帰国後は大手美容外科に入職しましたが、その面白さに惹かれずーっと美容に携わりたいと思いようになりました。

 

  • 美容外科手術室
  • カウンセリング
  • 脱毛
  • レーザー治療
  • フォトフェイシャル

 

全てが新しいことばかり。手術室看護や全身麻酔の介助はここで叩き込まれました。美容外科看護師は少数精鋭です。華やかに映る面があるかもしれませんが、医療の提供に変わりありません。当時の勤務は朝9時から21時の12時間勤務と長丁場です。その分、休みは多いのがこの仕事。週3日はお休み、美容に関する勉強の時間となっていました。とにかく、美容漬けの毎日です。

 

今までとは違う知識、技術、そして考え方、忙しい毎日でしたがとにかく充実していました。「看護師として、医療職として、もっともっとチャレンジしたい」と考えるようになっていきます。

 

美容分野に必要な能力とは?

美容分野に進みたいと思っている看護師へ、「なんとなく良さそう」では務まらないのがこの仕事です。決して楽な仕事をして高給をもらっているわけではありません。

 

勉強して欲しいことは山ほどあります。生理学ECGは読めなくてもいいですが、いくつか危険な波形くらいは知っていてもいいと思います。麻酔学はもちろん、形成外科学、皮膚科学も必須。化粧品やレーザーの理論なども理解してください。覚えることが多くて頭が痛いかもしれませんね…。

 

また、コミュニケーション能力は必須となります。その頃は看護師にもインセンティブがあったため、しっかり患者さまに説明し、施術を受けていただければボーナスが増えます。そのため、必然的にトークは上手くなっていきます。ある意味コミュニケーション能力の強化にはうってつけだと感じました。

 

我々医療者は説明が足りず後で問題になることもあります。特に美容系はトラブルになりやすい分野といえます。裁判になった場合はカルテが証拠になります。事前説明、丁寧な説明がいかに重要かはここで知ることが出来ました。自分の身を守るためにも必要なことです。

 

美容外科の仕事内容は?

手術室では周術期前・中・後すべてをみていました。二重の手術や鼻の手術など局所麻酔下でおこなうものから、脂肪吸引・豊胸など全身麻酔下あるいは静脈内鎮静法・硬膜外麻酔などを用いておこなうものまで、全て対応していました。多い日は二重の手術だけで10件以上あったり、隣では全身麻酔の手術をやっていたり、ハードな毎日でした。

 

また、全国にある美容外科でしたので、歴を重ねると地方分院へ出張がありました。これも普通の看護師にはあまりない生活スタイルだと思います。慣れない分院で勤務し数日間ホテル暮らし。結構疲れますが、仕事の後は地元の看護師さんと地元の店で楽しく食べたり飲んだり、時には1人で美味しい店を開拓したりと充実した生活でした。

 

10年近く美容外科看護師をしていますと、新規クリニックの立ち上げに参加するようになります。役所との対応や業者との打ち合わせといった事務作業が増えていきます。もちろんその間も通常業務をこなしながらです。

 

好奇心・意欲は衰えず!審美歯科医を目指す

休みもほとんどなく、早朝から深夜まで勤務する毎日。その分だけ多くの患者さんと出会うことが出来るため、気づきも多くなります。

 

「目や鼻は外科的に綺麗になっても口元を隠している人が多い」ということに気がつきました。私は男性ですので、女性特有なのかもしれません。例えて言うなら「ざわちん」さんです。口を気にする人は多いですが、肝心の口元は変えられません。

 

これが審美歯科医になろうと思ったきっかけでした。1年間勉強して国立大学の歯学部に合格、それまで勤めてきた美容外科を退職しました。学校に通っている間は、非常勤看護師として働きながら生活をしていました。これまで色々と経験したのも大きかったですね。

 

現在は卒業して、審美歯科医として歩き始めたところです。まだまだ、目指す道は遠いですが、日々挑戦していきたいと思っています。また数年後は違うことをやっているかもしれませんが、それも私の看護師人生。チャレンジしてなんぼです。

 

これから「何か」に挑戦する看護師さん達へ

 

一つの部署や診療科をずっと続け、そこのプロフェッショナルNsになることもとても素晴らしいことだと思います。対して、私のように新しいこと、興味あることにどんどんチャレンジして、様々なことを吸収する選択肢もあります。

 

看護師資格はかなり多方面で有用です。いろいろな道に活かせます。医療ばかりではありませんし、挑戦に年齢制限はないと思っています。ただ、挑戦するなら本気でチャレンンジしてください。中途半端だと悔いだけが残ってしまいそうです。叶わなくてもその経験が必ず次に必要になります。何も無駄なことはありません。今やっていることは次必要になる準備です。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

この記事を書いた人
sikaisi

看護師歴20年目。歯科医師、看護師、介護支援専門員の資格を持っています。美容外科を得意分野としています。