介護職として働くならどっち!老人施設?それとも障害者施設?両方経験したので様々な観点から比べてみました。

医療関連

私は、有料老人ホームの現場で働きながら、経営者として障害者生活介護事業所をしております。経営者と言っても名前だけです。現場に出て仕事することがほとんどです。

 

さて、みなさんは介護職にはどんなイメージを持っていますか?

 

介護職のよくありがちなイメージ

  • 汚い仕事
  • 給料が安い
  • 危険(病気がうつったりケガをしたり)
  • 大変な仕事

 

また、福祉職についてみたいけど詳しい事情が分からない。老人施設の話はよく聞くけど、障害者施設の情報が無いという方も多いでしょう。

 

「老人施設、障害者施設どっちで働けば良いの?」そんな疑問にお答えするべく、両方を知っている立場として記事にまとめます。

 

老人施設&障害者施設

  • どのような仕事なのか?
  • 給与はどうなのか?
  • この仕事で暮らしていけるのか?等

お話していきたいと思います

 

給与はどうなの?

やはり、一番気になるのは給与面でしょう。生活がかかっています。結婚し、子供もできればさらに生活にかかるお金は必要になってきます。ここでは、私が働いている施設の給与をお話していきます。

 

有料老人ホーム

基本給:15万

資格手当:1万

残業代:1万(ほぼ、ありません)

夜勤手当:8万(一週間に一回)

賞与:その年の売り上げにより決定

 

手取りで言えば20万前後、年収にすれば350万程度です。施設によっては処遇改善手当(約3万円)がプラスされます。

 

有料老人ホームは利用者の入居費が主な収入源です。この金額が高くて入居者が多ければ必然と施設の収入が増えます。私の勤め先は食事込みで88,000円です。これは同業他社と比較すると激安価格で、だいたい半額の金額設定になっています。

 

「なぜこんな低い金額設定になっているのか?」

 

立派な施設は、お金を持っているほんの一部しか入居できません。身寄りのない方、ご家族の支援を受けられない方は老人施設に入居できません。生活保護を受けていても何とか入居できる金額に設定されています。

 

障害者生活介護事業所

  • 基本給:18万円
  • 危険手当:1万円
  • 送迎手当:1万円
  • 資格手当:5千円
  • 残業代:1万円
  • 休日出勤:1万円
  • 賞与:4ヶ月分

 

手取りにすると20万弱です。しかし、夜勤がなく体への負担がとても少ないです。また、土日・祝日の休みもあり、年末年始の休暇もあります。プライベートも充実をさせ、お金も普通に欲しいという方は障害者施設の方が良いかもしれません。

 

上記はあくまで、私が働いている施設の給与です。一概にこれと一緒ではありません。これ以上に良い場所もあれば、悪い場所もあります。

 

ひとつ言えるのは、私の働いている老人ホームに関してはあまり待遇のよくない賃金といえますし、障がい者施設に関してはかなりの高待遇だと思って頂いて結構です。

 

仕事とプライベートのバランスは?

仕事とプライベートのバランスはとても重要なことです。「遊びたい!でもお金も欲しい!」というのは誰しもが抱える本音。とはいえ、どちらかを優先しなければいけません。

 

お金派

老人施設がオススメです。夜勤手当が高額なため手っ取り早く稼げます。


プライベート派

障害者施設がオススメです。残業はほとんど無く休みも安定しています。高齢者対象にはなりますが、デイサービス(昼間だけ)の仕事もあります。

 

夜間がある仕事、そして人を扱う仕事というのは24時間何があるかわかりません。急遽呼び出しがあればプライベートに差し支えます。

 

辞めやすい仕事なのか?

今、仕事を探している方には失礼な見出しだと思います。しかし、重要な項目だと私は認識をしています。

 

普通の企業と違い「利用者と仲良くなったので辞めにくい」とスタッフがこぼすことがあります。「私が死ぬまでここを辞めたらだめよ!」といわれることなんて日常茶飯事です。これは老人、障害に限らず福祉職についてまわる共通点です。

 

商品を扱うのとは違い、自分が辞めてしまうとスタッフの人数が少なくなる。利用者を看る方がいなくなってしまう。その事実が脅迫めいた気分にもなります。一般企業よりも辞めにくい仕事ということだけは認識しておいたほうが良いでしょう。

 

やりがいはどう?

 

最終的にはどうしてもこの疑問にたどり着くと思います。両方を知っている立場としては、どちらにもそれぞれの「やりがい」が存在します。迷った時は、お年寄りが好きなら老人福祉、子供が好きなら障害者福祉。シンプルに決めて良いと思います。

 

ただし、老人福祉は〈看取り介護〉が基本であることは忘れてはいけません。一方で、障害者福祉は成長が見られます。

 

この二つの違いはやりがいに大きな違いをもたらします。老人は成長することはまずありません。なかなか、やりがいを見つけることができずに辞めていく職員もいました。

 

まとめ

 

タイトルでは「どちらが良い」と書きましたが、どちらも良い点があります。そのため、優劣をつけることは出来ません。今、あなたが何を求めているかによっても答えは変わってきます。

 

私の話はごく一部のものです。人々を助けたいという気持ちで福祉の仕事を探しているのか?恩返しがしたい気持ちで探しているのか?それによっても大きく変わってきます。もしかすると、それしか仕事がないから調べている方もみえるでしょう。どちらかといえば後者の方の方が多いかもしれません。

 

仕事はどれでも厳しく難しいものです。しかし、人を扱う仕事というのはとても楽しい仕事であり、大変な仕事でもあります。これだけはどこの福祉施設でも変わらないことだと、私は思っております。