【塾講師の社員】3年働いて分かった塾講師のメリット・デメリット

教育

私は大学生時代から塾講師のアルバイトをしており、新卒後に社員として塾講師を選びました。合計で約7年働いていますが、生徒数が減ったという印象は受けていません。1人の子供に教育を集中する、そういう親が増えているのではないでしょうか。

 

まだまだ塾講師は需要がある仕事です。

「塾講師を経験がないけど働きたい」

「アルバイトとして勤務していて卒業したら社員になりたい」

という方へ

 

3年勤めて分かった塾講師のメリット・デメリットを記事にしていきます。

 

塾講師の給与はいくら?

塾講師の平均年収(30代)

380万円

諸説ありますがこれくらいと言われています。

かなり安いですね。

 

その他給与が安いと言われている職業

保育士 約330万円

介護士 約350万円

塾講師もこれとほとんど変わりません。

 

ちなみに私は20代女性、4年目で年収300万円です。かなり低いですが、20代の平均と同じ程度です。また勤務地が長野県で田舎なので、仕方ないかなという諦めはあります。

 

塾講師で年収を上げる方法

1.東京(都会)で勤務する

2.大手塾に就職

3.人気講師になる

この3つが方法としてあります。すごい講師だと年収1000万はいくらしいです。これも勤務地によって大きな差があるので、私にとっては無縁の話ですね。

 

塾講師の残業時間は?

残業時間(私の事例)

1日平均 2.5時間

× 22日

=55時間

職場にもよると思いますが、塾講師業界として「残業が多い」のが常識になっています。業界によっては55時間以上残業するところもあるとは思いますが、塾講師の場合(自社)は残業代は1円も出ません。

 

詳しくは後で書きますが、生徒を教えていない時間もいろいろと作業があるので、その時間が残業としてのる形ですね。私の場合は「どう教えたら上手く伝わるか」と考えることが好きなので、準備することも苦ではありません。ただ、このサービス残業が嫌で辞めていく社員はいますね。

 

塾講師のメリット

塾講師は給与も低いし残業も多いです。そこだけ見てしまうとマイナスな印象を持ちますが、私含めた周りの同僚は、生き生きと仕事している人が多いです。そこには「働いてみないと分からないメリット」があるのです。

 

塾講師のメリット1.知識がたくさん得られる

 

子供たちに教えるにあたり知識がたくさん必要となります。そのため、仕事外で勉強する時間を設ける必要があります。私は数学を専攻してきましたが、今は違う教科を教えています。

 

自分の教えたい教科とは合わなくなりますが、それでも新しい知識を得るのは成長になります。そして、昔から勉強することが苦ではなかったので楽しいとさえ思います。

 

「勉強するの嫌いなんだけど…」

という方もいらっしゃると思いますが、そもそも勉強嫌いが塾講師にはなりません。そのため勉強が必要なことはデメリットにはならないと思います(笑)

 

塾講師のメリット2.子供たちの人生に関われる

 

昔ほどの学歴社会では無くなってきてはいますが、やはり受験は人生の一大イベントです。

「ウチの子供は中学3年生なのよ」

「そうなんですね、受験で大変ですね」

このような会話を一度は聞いたことはあるのでは無いでしょうか。

 

私は小中学生を私は担当していましたが、生徒たちには受験という壁が立ちはだかっています。塾では勉強以外にも「志望校の設定」まで行うことがあります。

 

生徒や保護者とぶつかって本気で悩む。その分、責任は大きかったですがやりがいを感じることが出来ました。生徒が志望校に合格した時は、他では味わうことが出来ない喜び、達成感を味わうことが出来ます。

 

塾講師のメリット3.「ありがとう」の言葉を頂ける

 

人には承認欲求があります。誰かに認められたい、役立っていると思われたい欲求のことです。世の中にはたくさんの仕事がありますが、「ありがとう」と言われる職種は少ないのかもしれませんね。

 

塾講師は「ありがとう」をたくさん言われる仕事です。

 

生徒の笑顔、保護者からの感謝の言葉をもらった時は…

「自分が役に立った」「指導してよかった」と心から思う瞬間です。保護者は生徒の成績の向上や、志望校への合格を我々に求めて通塾させています。

 

・試験の点数が上がった

・志望校の合格報告

塾講師をしているとこんな嬉しいシーンに立ち会うことが出来ます。

 

塾講師のメリット4.良い同僚に恵まれやすい

 

塾講師は良い同僚に恵まれやすいです。

「え?なんで?」と思う方もいるでしょうが、他業界に進んだ友人と話をしていてそう感じることが多いです。

 

塾講師になる人(3好き揃い)

・勉強が好き

・子供が好き

・誰かに教えるのが好き

この3つが揃った人でないと塾講師にはなりません。

 

世の会社には「給料が良いから」「休みが多いから」といった理由で選ぶ人も多いはずです。それぞれ思いが違うので人間関係は複雑になりがち。

 

塾講師はそれが無いので、共通点を持った人が集まります。アルバイトしていた塾、そして現在社員として勤めている塾。どちらも雰囲気が良いです。指導や保護者対応で困ったことがあれば、先輩社員に相談したり、同僚と一緒に考えることが出来ています。

 

塾講師のメリット5.自分の子供に勉強を教えられる

 

自分の子供に勉強を教えることが出来ます。先輩社員の子供を近くで見てるとそう感じます。学校でもトップクラスの成績だそうです。教え方のコツを知っているので、学校の勉強でつまづいても、すかさず教えることが出来るのでしょうね。子供にとっては良い環境です。

 

私はまだ子供がいませんが…

(むしろ男性の陰すらないですが 笑)

 

たくさんの生徒を見てきたことで、「どうやったら分かりやすいか」「どうしたら興味を持ってくれるか」のコツは分かってました。それを自分の子供に教える日が来るのが楽しみです。

 

塾講師のデメリット

塾講師のメリットはやりがいが中心でしたね。次にデメリットです。ここは現実問題として、職場環境や自分の生活が絡んできます。

 

塾講師のデメリット1.給料が安い

 

これは最初に書きましたが、私の年収は300万円です。アルバイトよりは良いけど…社員としては微妙と言えますね。ここは勤務地で大きく変わるので、もし都会で働けるならそこを選んだほうが良いです。

 

私は地元の長野に戻って塾講師になりましたので、業界平均と比べても給与は少ないほうです。生活コストがかからないので良いですが、田舎住まいの方は覚悟したほうが良いかもしれません。

 

塾講師のデメリット2.早出残業が多い

 

どこの会社でも残業は存在すると思います。塾講師の場合、定時後に残業する人はほとんどいません。ウチは22時半が定時で、その後にすぐに帰る人が多かったです。

 

一方で早出残業はたくさんありました。授業準備やその他雑務が必要となります。もちろん強制ではないですが…。私の場合は11:00~22:30の勤務が多いです。お昼は食事をとるとして1日平均2.5時間の残業です。

 

塾講師のデメリット3.友人と疎遠になりがち

 

友人と時間が合わなくなります。当たり前ですが、塾は学校終わりに授業となります。仕事の始業時間も昼からとなり、終了するのが夜遅くです。そのため、友人たちと食事に行くことが出来ません。

 

塾講師のデメリット4.休みが不定期&取りづらい

 

受験が近づいてくると土日も仕事に追われます。それでも不定期で休みは取れますが、急なお休みはとれないケースが多いです。特に秋以降は悲惨です。

 

「生徒が一番」という空気があるため、有給届けや休暇願いは却下されることがたくさん。親戚の結婚式、お葬式の時でさえ良い顔をされません。

 

「生徒が一番なのは確かですが…」

「冠婚葬祭だけでも社員重視にしてもらいたい…」

 

塾講師のデメリット5.モンスターペアレント

 

良い保護者もいれば、特殊な保護者もいます。「月謝を払っているんだから良いでしょ」と無理なお願いをしてくる人は必ずいます。

 

「閉館日でも授業をしてほしい」

「その日は仕事だから朝8時に開館してほしい」

そういった依頼を適当に対処することが出来ません。塾は信頼で成り立つ仕事、変な噂が流れたら大変です…。クレームにならないよう細心の注意を払いますし、授業とは違うところに力を使うのでグッと疲れます。

 

塾講師のデメリット6.数値に追われる毎日

塾講師が見ないといけない数値一覧

クラスの生徒数、担当クラスの生徒増加率、退塾数、退塾率、オプション講座の申し込み率

「授業だけやります」とは行かないのが塾講師です。営業も仕事の一つです。数値を上げるための懇談がサービス残業が増える要因となっています。

 

まとめ

塾講師のメリット

  1. 知識がたくさん得られる
  2. 子供たちの人生に関われる
  3. 「ありがとう」の言葉を頂ける
  4. 良い同僚に恵まれやすい
  5. 自分の子供に勉強を教えられる

塾講師のデメリット

  1. 給料が安い
  2. 早出残業が多い
  3. 友人と疎遠になりがち
  4. 休みが不定期&取りづらい
  5. モンスターペアレント
  6. 数値に追われる毎日

最後に

 

以上が3年勤めた分かった塾講師のメリット・デメリットです。塾業界はブラックだから避けたほうが良いという声がたくさんあることは知っています。

 

ですが、それには変えられないくらいの喜びも存在しています。生徒が高校生になって挨拶に来てくれたり、保護者が温かく声をかけてくれたり。人と関われる、そして将来を担う子供たちを関われる仕事というのは本当にやりがいでしかありません。

 

「人に教えるのが好き」「誰かの役に立ちたい」という方は向いていると思います。いろいろ苦労も多いですが、恐れないで飛び込んできてほしいです。