「セクハラ」「ストーカー」
まさか自分が被害にあうとは思いませんでした。
やりたかった仕事、仲良くしてくれる同期、優しい先輩、見守ってくれる家族。社会人1年目として楽しく働いていました。
それが苦痛の日々になったのは部署異動。上司が変わったことが運の尽きでした。
上司の言動や行動が「恐怖」に感じるようになりました。
同僚とは仲が良いからこそ、心配かけたくないからこそ、誰にも相談できませんでした。気づけば精神的に体調を崩し、気持ちに身体がついていかなくなっていました。
悩んで考えて、苦しんだ末、私を採用してくれた人事担当が異変に気づいてくれました。
「上司からストーカー被害を受けた…」
大学卒業後、新卒入社した会社で起こった体験談です。
今働いてる中で同じような悩みを持っている方に、少しでも勇気を持って頂ければいいなと思います。
ストーカー被害のきっかけ
私が就職先に選んだのは保険代理店の営業です。営業といっても外周りはなく、オフィス内での電話営業でした。体力がない私にもピッタリの仕事でした。
入社当時は楽しくOL気取り!財布を片手に持ってランチに出かけ、少し大人な気分を楽しんでいました。同期とも水が合い、毎日を楽しく過ごしていました。
入社半年後、これまでの成績に応じた部署異動がありました。私は営業部からコンプライアンス監査管理部へ異動となりました。
私含めた新人が2人、先輩社員が7人、上司1人という内訳です。新人という事もあり私の席は上司の隣。
上司は30代独身、知識と経験が豊富。役職もあり仕事が出来る人でした。まさか…この人がストーカーになるとは思いもしませんでした。
プライベートの質問を根掘り葉掘り!
この上司は、プライベートの質問を根掘り葉掘りしてきます。他の人にはほとんどなく、私だけターゲットにされていたと思います。
- 「休みは何してるの?」
- 「兄弟はいるの?」
- 「地元どこだっけ?」
私が早く新しい部署に打ち解けれるように。始めはそう思っていました。
しかし、質問内容は日に日にエスカレート!答えるのがうんざりする内容ばかりになっていきます。
- 「恋人はいるの?」
- 「どんな人がタイプ?」
- 「年上はあり?」
金曜日のとある日…

明日は大学の同級生と○○へ行くんですよ
「明日何をやるのか?」と上司に聞かれたので、なんの気無しに答えました。こんなのは日常会話だと思っていました。
しかし…当日…
上司とまさかの遭遇。
「あれ!?お疲れ!近くで買い物来てたんだよ」とのこと。
そして、翌週も続きます。友達と映画を観終わって外に出た後、トイレの前にいたのがまた上司。
上司「あれ?偶然だね〜、映画観に行くって同じ映画だったんだ!びっくり!」と。
その言葉を聞いて寒気がしたのを覚えています…。
周りに調査!上司が私の動向を追っている
その後も、休日に上司と遭遇する回数が幾度とありました。偶然にしては多すぎ、でも明らかにおかしい。
しかし、その頃から予定を聞かれても答えなくなりました。「明日予定決まってなくて」とはぐらかしです。
それでも、また遭遇するのです。
「なんかおかしい…」
言いしれぬ不安に襲われます。
その不安は的中することになります。

ねーねー!最近なんかあった?上司からあなたの休みの日について聞かれるんだけど。
遭遇する理由が分かりました。私のことについて周りに調査をしていたのです。
「あの人怖い…」
距離を置こうと思った最初の出来事です。
気持ち悪い…夢に出てきたと毎日言われる
上司の発言は、日に日にエスカレートしていきます。女性なら共感してもらえると思いますが、とにかく気持ち悪い。
- 「夢に○○さんが出てきたよ」
- 「車で○○に行ってた」
- 「今日は朝起こしてもらったんだよ」
- 「今日も起こしてくれてありがとう」
- 「一緒に食べた○○美味しかったね」など
まるで現実にあったかのような口調で言ってくるようになりました。
始めは流していましたが…聞くたびに憂鬱に。
「とにかく気持ち悪い…」
最終的には、キスしただの。一夜を一緒に明かしただの。セクハラ発言にまでいってしまいました。
しかし、さらなる恐怖はこの後に起きました。
私のものが無くなる!犯人は上司!
部署異動してから2ヶ月、なぜか私のものが無くなることが多くなりました。PC周り備品、文房具、小物など。
最初に気づいたのはペン。毎日使う蛍光ペンが無くなりました。落としたのか、誰かが借りてそのままになってるのか。特に気にしていませんでした。
しかし、その後も紛失が続きます。指サック、ハンコ、お弁当用の割り箸などの小さいもの。最後には毎日使うマグカップ、給湯室に置いていた歯ブラシなど。
「あまりにおかしい…」
また言いしれぬ恐怖と不安。まさか誰かが盗むとまでは思っていませんでした。
ですが…
ある日分かってしまいます。
私のものが無くなった理由。
その日は、上司が公休で社内にいませんでした。「何かあった時は資料一式、俺の引き出しに入ってるよ」と言っていたので、デスクを探していました。
引き出しは3段で、一番下だけは鍵がかかった状態です。資料は2段目にあるのですが、資料を取る際に紙が引っかかってしまいました。
引き出しを一旦外した時に、上から3段目が見える形に。その隙間から見えたのが…私が見慣れた物ばかりでした。
小さなビニール袋に入っており、ひとつひとつに日付が書かれた付箋が貼ってありました。
まとめると
- 上司が私のものを盗っていた
- 鍵付きの場所に保管していた
- 盗った日を付箋で記録していた
※上司=ストーカーなのでここからは「ストーカー」で表記します。
月日がたった今だからこそ、文字に起こすことが出来ています。
しかし、それを見た瞬間は今でも忘れません。全身に鳥肌が立った感覚、恐怖、頭の中が真っ白に。

どうしたらいいか分からない
誰にも相談できません。
周りから見たらストーカーは仕事が出来て頼りになる人。相談したって信用してくれないかもしれない。しかも、相談したことがストーカーにバレたら…
私にできることはストーカーを避けることだけでした。業務外の事は話さず、なるべく話しかけられないよう席を外す。
それしか出来ませんでした。今でもどうすべきだったか答えは見つかっていません。
人事が気づいてくれた!選んだのは退職
ストーカーを避けたところで、同じ会社、同じ部署。状況はほとんど変わりませんでした。
変わってきたのは私のほうです。食欲は落ち、これまでの半分くらいしか食べれなくなりました。
ストーカーの顔を見るだけ、声を聞くだけで呼吸が苦しくなりました。吐き気がとまらなく、トイレにこもったこともあります。出勤するのが本当に辛かったです。
ストーカーの言動は私と2人でいる時だけでした。同期含めて周りは誰も気づいていなかったでしょう。
とある日、本社に訪れる機会がありました。いちはやく異変に気づいたのが、私を採用してくれた人事です。
「なんかあった?前より暗い表情な気がする」とのこと。さすが人事のプロですね。始めて気づいてくれる人がいたことに、泣きそうなくらい安堵しました。
「…ストーカー被害にあっています」
ダムが崩壊したように全てを話しました。
人事はなんとかすると言ってくれましたが、そう簡単ではないことも分かっていました。
私が精神的に限界を迎えたことで、そこから1ヶ月もしないうちに退職。職場を去ることにしました。
最後に
退職後もしばらく上司のストーカーは続きました。しかし、人事の配慮もあり、1年経って落ち着いた生活を送れるようになりました。
仕事は続けたかった…
本当に悔いが残りますが、もうどうにもならなかったのです。今では辞めてよかったと心底思っています。
もし、同じような経験をされている方。本当に辛いと思います。何かあってからでは遅いです。誰にでも良いので相談してみてください。そして、逃げてください。
本当に怖い体験をしてそう思っています。