はじめまして。助産師のyasuと申します。
総合病院に3年勤務しており、ようやく仕事について分かってきたところです。今回は、助産師に興味があるけどその仕事内容ってどうなの?といった疑問を持つみなさんに、助産師の仕事内容をご紹介したいと思います。
- 助産師の仕事内容は?
- やりがいは何?
- 給料はどうなのか?
気になる点もお話できればと思っております。この記事では勤めて分かった「助産師はどうなの?」について書いていきます。ご参考にしていただければと思います。
助産師にはどうやってなるの?
助産師になるには…
- 看護学校で学ぶ
- 助産師学科へ進む
- 看護師資格、助産師国家試験の両方を取得する
看護師資格だけでも大変なのに、そこに助産師試験まで加わります。特殊な世界のため、やはり専門知識は必要となります。
4年生大学に通っている場合、3年間看護師資格をとるための勉強をしたあと、最後に助産師学科へ進む、といったパターンが多いようです。私は看護専門学校で看護師国家試験を受け、それから助産師学校に入学。1年間みっちり勉強・実習をして、助産師国家試験を受ける、という方法をとりました。
学生時代は遊ぶ時間もなく…忙しく濃厚な時間を過ごしました。
助産師の給料はどう?
助産師の給与
看護師の給与
+数万円(2~5万)
助産師は、看護師資格にプラスαされた資格です。助産師にしかできない技術を持つため、基本給は看護師よりも高いところがほとんどです。私も数万円多く頂いています。
また、1件対応するごとに入る分娩手当があります。その他は、看護師と同じと言って良いと思います。夜勤をすれば夜勤手当がつきますし、残業をすれば超過勤務手当が出ます。
休日はどう?
出産はいつ来るか分かりません。また、一人二人の助産師だけで対応することでもありません。ですが、「休み無しでフル動員!」といったことはありません。ローテーションで休みが回ってきます。
私のところは週休2日でシフト制となります。土日休みではなく、夜勤もあります。これは病棟看護師と同じですね。「世間がお休みの日に、働きに行く」という状態は避けられませんが、これも見方によってはメリットになるでしょう。平日の空いてる時に行楽地へ出かけることができます。
助産師は出産お手伝いのプロ!
助産師の代表的な仕事は分娩介助です。出産のお手伝いをすることですね。病院で出産する時は、助産師、産婦人科医師が必ず付き添います。施設によっては、必ずしも医師が付き添う必要はなく、助産師のみで介助を行うこともあります。
看護師であれば、バイタルサインなど産婦さんの一般的な観察を行うことが出来ます。ただ、出産に関しての知識はありません。
- 子宮口がどの程度開いているか?
- 赤ちゃんがどのくらい下降してきているか?
- どれくらいで産まれるか?
これらは助産師にしか出来ません。助産師は文字通り「出産お手伝いのプロ」です。
産婦さんの心のケアも重要な仕事です
痛みに苦しむ産婦さん、心のケアも重要な仕事になります。
- 陣痛中の過ごし方はどうしたらいいか?
- 痛みの逃し方
- ご家族に対してどのように対応すれば良いか?
1日だけとはいえ密な関わりとなります。出産に対して不安と緊張を感じるものです。緊張や不安をほぐしリラックスしてもらう。そのケアがスムーズなお産へと繋がります。それを導くのが助産師の役割です。
「赤ちゃんが生まれるよ!」という時は、赤ちゃんに手を添え、生まれてくるのを手助けします。テレビドラマの出産シーンで「頑張ってください」「もうすぐですよ」と言いながら、赤ちゃんを取り上げる役がいますね。同じようなことが現場で日々行われています。
分娩介助だけではない!助産師の仕事はたくさんあります
分娩介助だけでなく、助産師の仕事はたくさんあります。
助産師の分娩介助以外の仕事
- 妊婦健診時の保健指導
- 助産師外来、母乳外来
- 母親学級(両親学級)の主催
- 新生児、お母さん(産後)の体調の観察
- 1ヶ月健診での指導
- 産後の自宅訪問、電話訪問
助産師は、妊娠出産育児に関するエキスパート的存在です。その活躍の場は病院の産婦人科だけではありません。不妊治療、助産院、クリニック、学校での性教育、育児支援施設、更年期障害に対するケアなど多岐に渡ります。女性の一生をサポートする仕事と言えます。
私は病院に勤務していますので、外来では妊婦健診での指導や母親学級、母乳外来を行っています。病棟では分娩介助や産後のママ達のおっぱいのケア、生まれたばかりの赤ちゃんのケア、沐浴指導や退院指導などを行なっています。
「助産師になったけど…分娩介助は苦手」となったとしても、他で活躍することが出来ます。それだけ価値のある資格と言えますね。
分娩介助が一番のやりがい
出産は女性にとっての一大イベントです。一生のうちに一度、二度しか経験が出来ません。そこに、助産師として加わるのですから、やりがいしかない仕事だと言えます。
「赤ちゃんが生まれる!!!」という瞬間に立ち会うのは、何度体験しても感動します。また、産婦人科医師、助産師の名前は母子手帳に記録されます。一番苦しい時にそばにいてくれた、と産婦さんにとって印象に残りやすい立場です。
短い付き合いにはなりますが、産後に感謝してくださる方が多いです。「助産師さんの声かけのおかげで頑張れました」「あなたがついていてくれて良かった」「おかげでとてもいいお産でした」と嬉しい言葉を毎日頂くことが出来ます。
出産リスクを忘れてはいけません!
助産師としての立場、また女性の立場として言わせてもらいます。出産リスクを忘れてはいけません。日本の周産期医療の安全性が、世界的に見てトップクラスです。簡単に言えば、妊娠出産で母子が命を落とすことがほとんどないのが日本です。
そのため、世間一般には妊娠出産におけるリスクが軽視される傾向にあります。母子ともに安全・健康に出産を終えることが当たり前と思われています。ですが、リスクがゼロではありません。実際、私が3年経験した中でも、妊婦さんや赤ちゃんが危うい事例をたくさん見てきました。
生まれた後、すぐ新生児集中治療室へ運ばれることもあります。産科の現場は安全に終えることができるよう尽力していますが、それには限界があります。無事に終えることが当たり前、そう思われているのは本当に怖いことです。出産リスクを追うことだけは忘れてはいけません。
最後に
こういったリスクも伴う仕事ですので、緊張感は常につきまといます。
ただ、それが「医療職」だと思っています。医師、看護師、薬剤師、放射線技師。どの立場でも同じです。他人の命を背負うからこそ、より上を目指すことが出来ます。
私たちは日々勉強を重ね、他スタッフと連携し、幸せなお産を目指して頑張っています。それは決して楽ではありません…。それでも「助産師になって良かった!」と思っています。命が誕生することは尊いこと、そこに関わることが出来るのは幸せです。

yasuです!看護師専門学校(3年)を卒業後、助産師学校へ入学!現在は助産師として3年働きました。大変だけど…この助産師という仕事が好きです!