一般事務から医療事務へ転職!キャリアアップに成功しました。10社落ちても…諦めないでください!

転職成功体験

「事務職」

女性にはとても人気の職業ですね。一方で求人倍率は0.25倍しかありません。簡単に説明すると、事務員の椅子1つを4人で争うことを意味しています。全職種で一番倍率が低く、それだけ求人数と希望者のバランスが悪いのです。さらには、AIが進歩していく中で、真っ先に消えると言われている仕事です。

 

私
現役事務員

この先やっていけるのかな…

 

不安に思っている方は多いのではないでしょうか?私もそのうちの一人でした。

  • 一般事務として務める
  • 将来に不安を覚える
  • 医療事務へスキルアップを図るも10社から不採用
  • それでも諦めず調剤事務へ転職
  • そこから10年間続けて現在に至る

 

「一般事務から医療事務へ転職!キャリアアップに成功」を記事として、私の体験談を書いていきます。これを読んでいるあなたのお役に立つことを願って。

 

一般事務として就職!最悪のスタート

就活は希望していた事務職を中心に回っていました。当時の私は深いことを考えておらず、なんとなく事務職を選んでいました。デスクワークで楽そう、定時に帰れる、人気職業。そんな考えだったと思います。

 

無事に就職が決まり、1ヶ月の新入社員研修を経て配属されたのは、その会社の子会社でした。私は大学で社会福祉を勉強しており、その会社を希望したのも、顧客に病院や福祉施設を多く持っているからでした。患者さんや利用者さんの直接のケアは出来なくても、間接的にお役に立てることを期待していました。

 

しかし、配属先は住宅関連事業をしている子会社の事務職。新卒で入った同期たちは3ヶ月の研修を経て各支店に配属されます。私だけなぜか違う方向へと進んでいきます。まだ研修をしている同期ともすぐに離れ、違うスケジュールで動くことに。入社して早速に孤独感を味わうことになります。

 

職場へ移動すると、そこはトタン板のボロボロの建物でした。見た目は完全に倉庫です。デスクワーク?なにそれ?ここで事務作業をするの?と不安になったのを覚えています。数年後に家族が建物を見る機会がありましたが絶句したほどです。

 

建物の中に入ると、1階は車庫と倉庫で、狭くて急な階段を登って2階に上がると机があり、外観よりは綺麗で安心しました。ただ、トイレは建物にはなく、建設現場にあるような簡易トイレだけでした。

 

先輩方に挨拶を済ませましたが、そこには同性も同世代もいませんでした。一番近い方で10歳年上。がさつな感じの職場に、社会経験がない私は、ちょっとしたショックを受けました。同期とも接点がなくなり、社内でも親しい人も出来ず、ずっと孤独。日中も一人、お昼ご飯もそれぞれの机で食事をしていたので、雑談なども出来ず、話し相手もいませんでした。

 

「最悪なスタートをきっちゃった…」不安ばかりの社会人1年目が始まります。

 

新人教育放置!そして社長からセクハラも

仕事が始まってからも不安は的中します。「前のを見て同じようにやっておいて」と言われるばかり。何を聞いても、教えている時間がないと断られていました。それでも何とか仕事をこなしますが、仕事自体はすぐに終わってしまい、時間も持て余してしまいます。充実感も一つもありません。

 

「この状況はいつまで続くのか…」

「数年経ってもこのままでいいのか?」

漠然とした恐怖も感じていました。

 

そして、同時期に社長から執拗に身体を触られるようになったり、スカートをはくことを強要されたりセクハラを受けました。相談相手もいなくて、ますます孤独を感じていきます。

 

職員と打ち解け、そして仕事内容も改善

闇の中にいた私にも転機が生まれます。数ヶ月経った頃、一人の職員が少しずつ声をかけてくれるようになりました。それをきっかけに営業職と、だんだんと交流が生まれるようになりました。

 

交流が生まれてくると、営業の皆さんが忙しいときは私も何か出来ることを手伝いたい!という思いが湧いてきて、少しずつ仕事にもやりがいを感じるようになっていきました。

 

その頃、ホームページのデザインや営業職の方がメインで使う製品案内のパンフレットやノベリティを見直すことになり、その打ち合わせにも参加させてもらえるようになりました。さらには、ビッグサイトで行われる展示会での接客とMCを務めることも。だんだんと仕事の幅が広がっていきます。

 

それとは同時に将来の不安、そして退職

人間関係が改善、そして仕事の幅が広がっていく。一見して良い状況になったと思うかもしれません。しかし、漠然とした不安は消えません。

  • 事務職としてのスキルを学んでいない
  • やっている仕事はこの会社でしか通用しない
  • 長く続ければ続けるほど取り返しがつかない

 

こんな思いを日々感じていました。頭の中でグルグルと周っています。解決しないまま、とりあえず問題には目をつむって、先延ばしの毎日。

 

そんな時、転職するきっかけが訪れます。

 

事務所移転の話が浮上、この汚いボロボロ事務所をお別れすることになります。決まった移転先は自宅から片道2時間以上かかる場所。通勤できる距離ではありません。「転職するなら、キャリアアップを図るなら、今しかない」と退職を決意します。

 

医療事務を目指す!勉強の日々

私が次に選んだのは「医療事務」です。一般事務の経験を活かせることと、キャリアアップも兼ねて専門職を選択しました。

 

まだ前職の在職中でしたが、通信教育で医療事務を学べるところを検索。説明会に足を運び、自宅勉強が始まりました。有給消化中に、少しずつ勉強を進めていきましたが、慣れない言葉と仕組みに訳がわからず本気の勉強が必要でした。

 

有給消化期間が終わり、離職日になると健康保険などの社会的な手続きもしないといけません。市役所や職安に行き、何かと忙しかったのを覚えています。職安で失業給付の申請に行ったところ、2時間以上かかる場所への事業所移転は会社都合とのこと。すぐに失業給付が降りることになりました。収入が途絶え、医療事務の通信教育も高額、すぐに給付が降りるのは助かりました。

 

10社から不採用!それでも諦めない!

再就職について。通信教育を終えると、そこの会社から就職サポートを受けられることになっていました。ですが、金銭的な焦りもあり…。早く再就職先を見つけたかった私は、勉強を進めながら、病院や薬局の求人を探しては応募を繰り返していました。

 

何件か病院に応募をしていましたが、知識も経験もない私を採用してくださるところはありませんでした。不採用になった数、10社以上です。

 

それでも、拾う神あり!調剤薬局にようやく就職が決まりました。通信教育で勉強していたのは医療事務のため種別が違います。通信教育終了後、調剤薬局で働きながら調剤事務も通信教育で学び直しました。

 

たくさん不採用になりましたが、その中で学んだことがあります。

病院や薬局はたくさん⇛就職先もたくさんある

 

この事実です。都会だから、田舎だから、そんなの関係なく病院や調剤薬局は存在します。これがもし一般事務だったら?再就職は難しかったかもしれません。「何十社不採用になっても、必ず就職先が見つかります!」と断言します。諦めてはダメです。

 

前職の同僚からの励まし

 

勉強は大変、就職はなかなか決まらない。そんな時に心の支えとなったのが「前職の同僚」でした。すでに事業所は移転、直接会う機会もありません。それでも「勉強してっか?」とメールしてくれました。それも一人だけでなく何人も。就職が決まったことを報告すると、自分のことのように喜んでくれました。

 

同世代でも、同年代でもありません。言葉は悪いですがおじさんばかり。打ち解けるのに時間はかかってしまいましたが、良い先輩方に恵まれたことは感謝です。次へ行ける喜びもありましたが、同じくらい寂しさもありました。

 

調剤事務としての勤務!勉強の日々

調剤事務としてのキャリアが始まりました。最初は薬局内で飛び交う言葉が全然分からず、それまでの社会人生活は何だったんだろう?と全否定された気がしていました。異業種に転職したことを後悔することもありました。

 

それでもキャリアアップは出来ています。目指す道が先にあるのです。家に帰ってからも勉強!勉強!そんな日々を送っていました。3ヶ月もすると業務をほとんど理解します。1年もたてば一人前として、2年たてばリーダーとして後輩への指導も。一歩一歩先へと進んでいきました。

 

調剤薬局に勤めて10年が経ちました

そんな懐かしい日々から、10年の月日が経ちました。現在も調剤薬局の事務員として勤務をしています。新人だった時の感覚を大切にして、当時私が分からなかった言葉は、患者さんにも使わないようにお話をしています。

 

医療保険制度の解釈など、判断に困る場合は経験が無いことを逆手にとり、直接公的機関に尋ねるようにしてきました。公的機関に尋ねることで、確実な正解が得られますし、その一つ一つが知識として自信になっていきました。こうした姿勢が同僚も評価をしてくました。「あなたの答えは、ちゃんとしているから安心なのよね」と言われるようになりました。

 

何度か転勤も経験しました。行く先行く先で新たな経験を積み、スキルとなっていきます。医療事務の学校を出たわけではない私が、後輩育成を任され、評価して頂けるまでに。最近では管理職への打診を頂きました。

 

将来が見通せる安心感

前職では、一般的な総務や経理の知識を覚えることが出来ませんでした。この先何が出来るようになるのか、将来像が見えない不安と焦り。

 

一方、転職した調剤薬局では数年先輩のバリバリと働く姿がありました。私が同じ年になったらそうなっていたい、と目標を持てるようになりました。また、医療保険制度は全国共通、どこに行っても知識や経験が活かせるのが魅力的です。

 

「転職して、キャリアアップして良かった」と心から思います。あの時、転機が訪れなかったら、他職場で一般事務を選んでいたら、キャリアアップを考えていなかったら、途中で諦めていたら、まだ不安と戦っていたことでしょう。

 

メッセージ

 

医療事務自体の収入は決して高いわけではありません。未経験だったこともあり、転職当初は収入が大幅に減りました。何年もかけて収入は増えましたが、決して高い金額とは言えません。

 

しかし、存在価値を見出だせないまま1日を過ごしていた前職に比べると、日々やりがいを感じています。そして、不安が軽減されたことが一番嬉しいことです。

 

「このまま一般事務としてやっていって良いのか…」と考えている方がいましたら、思い切ってチャレンジしてみてください。病院も、薬局も、たくさん職場があります。きっとあなたに合った職場が見つかりますよ。