「今の仕事を定年まで続けられる」
と自信をもって言える方はどれくらいいるのでしょうか。
すでに10年以上働いている、家族もいる、といった男性の方であれば定年まで見据える方は多いのかもしれません。一方で20代女性はどうでしょうか?
結婚後や出産後も安心して働ける環境です、と自信を持って言える方は少ないのかと。育休制度はあっても、実質的に産休や育休のとれない会社はまだまだ多いと思います。自分の働き方と、会社からの求められ方が一致しないと厳しいですよね。私もそんな体験をしました。
子供が産まれても働きたい…と思っていた
もともと私は一生続けるのが希望で仕事を選びました。結婚しても働きたい。子供が生まれても自分で収入を得たい、と思っていたからです。
「女性でも仕事をしっかりやるんだよ」
は母の言葉。バリバリのキャリアウーマン、仕事をしながら私を育ててくれました。私にも仕事は辞めないように、と思っていたのでしょう。口酸っぱく言われてきたのも、私が仕事を続けたい理由の一つでした。
旅行代理店の会社説明会ではこのような説明を受けました。
・女性が活躍する職場(7割は女性)
・結婚後も続けている人が多い
・だから産休育休の制度も充実している
「そっか、女性が多いから産休育休も充実しているよねー」
と安直に思っていましたが、事実は違うことを半年後知ることに…。
あれ?終電まで働くの?家事無理だけど…
いやいや、参りました。
毎日終電ですもの(笑)
「朝8時に出勤して、定時は17時」
・・・・のはずが23時まで仕事。
新人だから仕事が遅いというのもあるけど、先輩や上司も同じ時間。
仕事量が多すぎてどうにもなりません。
入社して1ヶ月…
「一生働くの無理じゃない?」
そんなことを毎日思うように。頭の中はぐるぐるパニック状態です。
勤務時間、拘束時間が長すぎてとにかく体がきつかったです。実家暮らしだったのはまだ良かった。両親も働いていましたけど、家事を優先にやってくれました。妹もいましたしね。新人で大変だから…と気遣ってくれていました。ありがたい…。
「結婚…できなくない?!」
夜中24時に帰ってきて家事するとか無理無理。
「そっか!時短制度を使えば良いんだ!」
と一瞬思いましたが、そんな制度は存在していませんでした(笑)
パートならそれも出来るんでしょうけど、社員では無理ですね。
「仕事をやっていて、ホワイト企業に勤めていて、家事もやってくれる旦那様!」
なんてのは夢の話。当時付き合っていた彼氏(今の旦那)はどれも当てはまりはしません。家事の「か」の字もありません。
「私が養ってやるから専業主夫になってくれ!」
なんてのは月給20万の私には口が裂けても言えず…。
一生働くどころか結婚後の生活も見えません。ましてや子供なんてね。無理です。その時点で、この会社でずっと働くのは無理だと思いました。
「旦那が残業ばかりで夜中なんだよね。いつも子育ては私一人で…子供も寂しそう」
と愚痴をこぼす友人。私はその逆ですね。
- 結婚して子供が生まれる
- 旦那がおもに面倒を見る
- 旦那がいっぱいいっぱい
- 子供は寂しい思い
いやー無理ですね
結婚、そして妊娠
そんな思いを抱えて3年後、結婚をしました。相変わらず残業だらけの毎日でしたが、仕事に慣れたこともあって夜中家事で何とかって感じですね。
「結婚したら続けるのは無理だな」
と思ってましたけど、旦那も協力的で本当に助かりましね。
そして、1年もしないうちに妊娠です。
大好きな子供!待望の赤ちゃん!ワクワクです。
さぁここで問題なのが「産休育休をとれるのか?」です。
そこで思い出したのが会社説明会
・女性が活躍する職場(7割は女性)
・結婚後も続けている人が多い
・だから産休育休の制度も充実している
これはほぼウソ(笑)
大人ってずるいですね…学生の私は騙されました。
正しくは
・女性が活躍する職場だけど、回転が早いから妊娠したらほぼ辞めるよ
・結婚後も続けている人が多いよ、でもパートさんだけね
・だから産休育休の制度も充実しているよ、でも使う(使える)人はいないよ
産休、育休の制度は法律的で決まっているので、どの会社もあると思います。
ただ、そのシステムは本当に使えるのか?そこが重要です。
私が妊娠するまでの4年間、誰も産休をとっていません。もちろん育休をとることもありません。だから、モデルがいないんですよねー。育休は実際に何年とれるのかも分かりません、社内規定見ても曖昧ですしね。ずるいずるい。
それに育休の制度うんぬんという話の前に、忙しすぎてみんな余裕がありません。
Aさん「妊娠しました!」
Bさん「おめでとう!(まじか…辞めるのかまた忙しくなる…)」
こんな光景がたびたび繰り広げらています。
もう妊娠=退職という方程式が成り立っているんですよね。「育休取ります!」なんて言えない状況です。そそくさと逃げるように辞めていきますからね。
それに小さな子供がいる社員がいませんでした。本来職場には1人か2人はいると思うんですけど、うちにはいませんでした。みんなが独身の20代前半、もしくは旦那さんとの二人家族。
これって異常ですよね。
旅行業界が全部ではないのかもしれませんけど、私のところは子供がいたら働けない環境でした。
「子供を取るか、仕事を取るか」
が私に与えられた究極の選択肢。1秒も迷うこと無く子供ですけどね。
会社のお偉い人事には言いましたけどダメでしたね。
・育休制度はあるよ、でも社員としてまた働けるのか?戻れるのか?
・復帰後にまた仕事に慣れるのは大変なんじゃないか?
・時短制度は無いからね
・あれだったらパートとしてやってみたらどうだ
結論としては、パートになれば取れるよって話でした。
人件費減らしたいのが見え見え…苦笑
人気の業界&女性社員も多いので、きっと大丈夫だろうと思ってましたけど現実は違いましたね。残念ですがここで私のキャリアは終わりました。
あれだけ「一生仕事にこだわりなさい」と言っていた母も賛成してくれました。子供より大事な仕事なんて無いですもんね。
産休、育休が取れず悩んでいる。また将来に不安がある女性の方。会社と戦ってもムダなこともあるので、スパッと辞めるのも有りですよ。きっと仕事と子供を両立できる仕事に出会える、私はそう思っています。