いろいろ仕事を経験して30代で介護業界へ!未経験で介護の仕事は出来るの?給料や残業についてお話します

転職成功体験

高齢化社会の現代において必要なもの…それは介護施設です。

 

大きな建物が建設され「スーパーでも出来るのかな?」と思っていたら、老人ホームだったとか。折り込み広告に「○○施設開所、内覧会のお知らせ」が入っていたり。本当にあちらこちらに介護施設が建てられていますよね。

 

その介護施設で働いて10年が経ちました。

  • 学校はIT関連を卒業
  • 異業種からの転職
  • 30代(33歳)で福祉の道へ
  • もちろん全くの未経験

という状況です。

 

「介護職に興味があるけど不安がある」

「実際に働いている話を聞いてみたい」

という方に向けて。

 

  • 介護職の仕事内容は?
  • 給与はどうなの?
  • 残業はあるの?
  • 休日はどうなの?
  • やりがいはある?

10年前に私自身が感じていた不安だったこと、そして働いて分かったことをお伝えしていきます。

 

なぜ介護の道を選んだの?

 

もともとは、システムエンジニアとして働いていましたが、仕事が嫌になって退職を選びました。なぜ働いているのか分からなくなってしまったのです。長時間残業、PCに向かうだけの毎日、誰の役にたっているかも分からない、同僚はお互いが無関心。そんな仕事に嫌気がさしました。

 

SE転職で会社を変えてみましたが、どこも似たようなものです。そして、最終的にいきついたのが「介護の道」です。

 

「困っている人の役に立ちたい」「人を助けたい」という思いがどこかにあったのでしょう。施設ボランティアで味わった充実感から実際に働くことに決めました。

 

結果は大正解です。

 

給料は下がりましたが、それとは引き換えに充実した毎日を送れるようになりました。やはり人と人が繋がるのは素晴らしいですし、自分に合っていたのだと思います。

 

未経験者が介護職に就くために必要なことは?

 

結論から言うと特別な資格は必要ありません。

 

無資格の方も働いていましたし、私が就職した時も無資格でした。福祉系学校卒業者でなければ、働きながら資格を取るケースがほとんどです。ヘルパーの資格は簡単に取れるため、転職前に取得する熱心な方もいますが、持っていた方が良い程度でしかありません。

 

私はいろいろ仕事の寄り道をしてしまい、福祉とはかけ離れた大学に進学してしまいました。そのため、少しスタートが遅れましたが似た状況の方はたくさんいます。専業主婦、元IT関係、元工場勤務といった方が介護職として活躍しておられます。

 

介護職の仕事内容は?

 

施設にもよりますが、介護職の主な仕事内容は以下です。

  • 食事の介助
  • 排泄の介助(トイレ、オムツ)
  • 入浴の介助
  • 移乗、移動の介助

この4つが重要な仕事になると思います。介護職に就く場合どれも外すことは出来ません。

 

その他の仕事

  • レクレーション(歌や運動など)
  • 車での送迎
  • シーツ交換、洗濯

施設の種類、雇用形態によっても変わります。

 

苦手だった「排泄介助」「レクレーション」

 

初めた頃に苦手だったのが「排泄介助」「レクレーション」です。

 

排泄介助

きつかったですね、やはり下の世話というのは抵抗があるものです。「始めから大丈夫だったスタッフはいないのよ」というのは先輩介護士の言葉。本当にその通りで、1ヶ月くらい経てば平気になっていきました。

 

レクレーション

もっと苦手だったのがレクレーションです。元IT業界ですからね…。レクレーションの「レ」の字もない仕事でしたから。人前に出るのも苦手でした。

 

これに慣れるのは3ヶ月かかりました・・・。「何をしたら喜んでもらえるか」「みんなに笑って過ごしてもらいたい」と考えているうちに自然と克服していきました。

 

介護のお給料はどうなの?

 

外から見ると「介護の給料は安い」と思っている方が多いです。

 

ニュースでは時々話題になるのですが、実際そうなのかというと必ずしも安いわけではありません。同業者に聞くとピンキリで、職場によるといったところでしょうか。

 

私は夜勤込みで月給25万円です。賞与もあり年収350万くらいになります。

 

どう見るかは人それぞれですが、私自身は特別低いと感じたことはありません。私が就職した頃は、まだ独身で実家暮らしというのもあったかもしれませんが。

 

男性職員の寿退職

 

寿退社は本来女性に使われる言葉です。結婚を機に家庭に入ることを言います。共働きが当たり前の現代では死語かもしれませんね。一方、介護職では男性が寿退社するケースがあります。

 

「この給与では結婚を考えられない」

 

収入を最優先にして、たとえ好きな仕事でも諦めざるを得ない、ということなんだと思います。本人にとっても施設にとっても寂しい話です。

 

ただ、私は「それはどうなのか?」と疑問に思ってしまいます。私の主人も介護士をやっています。施設は違いますが同業者です。持ち家あり、子どもは2人です。また、主人の職場は男性職員がたくさんいるため、私たちだけが特別というわけではありません。

 

やっぱりこれも施設によりけりで、いろんな手当が付いたり、福利厚生が良かったり。ずいぶん給与に差が出るなと感じました。寿退社で他業界に行くよりも、介護業界で転職したほうが良いと個人的には思ってしまいます。

 

介護業界の残業は?

 

基本的に介護で残業することはありません。

 

夜勤は引き継いで終わりです。デイサービスは利用時間が決まっているので、利用者が勤務時間ギリギリまでいることはありません。

 

ただ、報告書作成やイベント準備で残ることはありません。介護職はほぼ1日動き回るので、座り作業あまり出来ないため、その処理が必要となります。会議も時間内で行うのか、時間外なのか、時間外手当が出る、もしくは出ないも施設それぞれです。

 

色々含めても…月10時間以下の残業です。システムエンジニア時代は月80時間はあったので、それと比べたら天国です(笑)

 

介護仕事の休日は?

 

休日は8~9日です。

 

他の職種と変わりませんね。ただ施設行事などで人手が欲しいということで、休日返上することがあります。ただ休日出勤として手当がつくのは安心できます。

 

子育てとの両立は?

 

子育ての両立はしやすい環境です。

 

福祉を大義名分で捉えると「人の助け合い」です。だからこそ、子育てをサポートするのは当然という社風です。これは仕事ができればいい、という優先一般企業にはない空気感だと思います。また、女性スタッフが多いため、子育てと両立が出来ないと話にならない側面があります。

 

私は子供が二人ですので、在職中に2度出産を経験することになります。妊娠前(妊活中)は夜勤を外してもらいました。妊娠中は重労働である入浴介助を外してもらいました。記録記入、食事介助など負担がかからない業務に変更して頂きました。

 

そのおかげもあり、2回とも無事に出産することができました。上司も「妊婦はどこまで出来るか」をよく理解頂けていたので、お互いで相談しリスク無く仕事を続けることが出来ました。育休に関しても問題なく1年ずつ取得できました。女性職場ですので、育児の悩みを聞いてもらえたので、子育てはやりやすいと感じています。

 

仕事のステップアップは?

  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員(ケアマネージャー)

介護職で取得できる資格はこの2種類が主です。

 

異業種からの転職組は、この2つの資格取得を目標に働いていました。私は5年目で介護福祉士を取得しました。手当がついて給与も上がりましたし、「視野を広げる」という意味でもぜひ目指してほしいです。

 

介護の仕事、やりがいは何?

 

「ありがとうと言われた時が一番やりがいを感じる」

このように話す介護士が多いです。

 

私はちょっと違っていて、利用者がふとした時に呟く一言がやりがいを感じる瞬間です。

 

「お風呂入れて気持ち良かったわ~」

「こんな美味しいもの食べたの初めて、嬉しいな」

「あなたと話をしているとホッとするよ」

 

本当に何気ない一言なんですけどね。ポロッと出てきた言葉に充実感をかみしめています。

 

言葉は悪いですが、利用者にとっては人生の終盤を迎えていらっしゃいます。少しでも、ほんの少しでも。「いい人生だな」と日々感じてもらいたいと思っています。

 

介護の仕事を辛いと思ったことはある?

 

もちろんあります(笑)

辛いと思っていること、思っていたことを紹介致します。

 

体を痛める

まず、体を痛めるのが辛いです。1日に何回も利用者を抱えたり、介助のために屈みます。そのため体への負担が大きいです。ほとんどの介護職が腰痛に悩んでいます。

楽に介助を行う方法もありますが、その方法を習得するまでに一度は腰を痛めてしまいます。そのため、完治しないまま仕事を続けているのが現状です。

 

認知症介護

認知症介護についても大変だなと感じたことはあります。辛いというより、難しいという表現が正しいです。

 

「どう接していったら良いだろう・・・」と頭を抱えることが多々あります。ただ、職員みんなで解決しなければならない問題です。カンファレンスで相談することで、1人で抱え込まないようにしていました。

 

最後に

 

簡単にですが、私が体験している介護の仕事について紹介させて頂きました。良い点もあれば、不満な点もあります。それでも、一般企業で働いていた頃と違って生き生き働いている自分がいます。誰かのお役に立つことを願っています。