外資系企業に転職して3年が経ちました。年収はアップし勤務時間(残業)も減りました。そこだけ聞くとメリットしか感じないでしょうが、色々と苦労する一面もあります。
「外資系に勤めたい」
そう思っても、実際に勤めている人が少ないため情報が出回りません。
外資系企業/よく受ける質問
- お給料たくさんもらっているの?
- 英語はみんなペラペラなの?
- 結果さえ出せば働く時間は短いの?
この質問に答えつつ、日本企業とどういった点で違うのかを解説。そして、外資系のメリット・デメリットをまとめます。あくまで、私が勤めている外資系企業、また他企業に勤める友人話を参考にしています。全ての企業が一律ではないことはご理解ください。
外資系企業てなに?
「そもそも外資系企業と日本企業はどうやって区別するの?」
という疑問があります。
外資系でよく使われる名称です。知らないと日本の企業と間違えてしまいますね。
買収されたことで急に外資系へと変わるパターン
これも多い外資系のパターン。世界的な有名ブランドでよくあります。
外資系の社内公用語は英語?みんなペラペラなの?
社内公用語は英語です。ただし、全員が英語を話しているわけではありません。
日本人同士なら日本語OKです。社内では外国の方も一緒に働いていますが、日本人が圧倒的に多いため英語だけとはなりません。
答えは「NO」です。
全く話せない方も多いです。
業務によっては英語は必要ありません。また、本人が出来なくても他の誰かが対応できれば問題にはなりません。例えば、製造関連の企業においては製造従事者には英語力は求めていません。それよりも仕事のスキルを求められます。
ただし、リーダークラスや営業職には必須です。どうしても英語でやり取りする場面が多いためです。
一方で、一般職は(何となくでも)意思を伝えるだけでも仕事はできます。海外の職員とやり取りをする場合、時差があるため電話ではなくメールです。そのため、翻訳ソフトを使ったり、あるいは周りに確認をすることで解決できます。
- 語学学校で英語を学んだ
- TOIECで高得点
こういう人材でないと入社できないのか?
これも答えはNOです。
もしかしたら、転職面接において有利になるかもしれません。ですが、外資系企業が求めているのは「仕事ができるかどうか」です。
英語は話せるけど仕事は出来ない、これではすぐにお荷物扱いされます。反対に、英語は出来ないけど、それをカバーする熱意と仕事スキル。これさえあれば会社は重要な人材として重宝してくれます。
外資系で働くメリットとは?
私が感じる「外資系で働くメリット」です。
- 給与が高い
- 勤務時間がフレックス
- 先輩後輩という上下関係がない
- 外国の友人ができる
外資系メリット1.給与が高い
給与は(ほとんどの会社が)年俸制です。
と想像しがちですが違います。
会社ごとの決まった時期(たいてい3月頃)に年1回、翌年の毎月もらう給与額が決まる、ということです。ボーナスもこの時に1回のみです。
給与水準は高いです。それまでの経歴にもよりますが、30歳なら年収で500万~800万が年収となります。一般社員でも、年齢平均より多い給与を貰っているのが一般的です。
外資系メリット2.勤務時間がフレックス
- 完全週休二日制
- フレックス制
が一般的となっています。
好きな時間に出社して、仕事が終わったら帰る、というサイクルを送れます。満員電車も渋滞も関係ありません。ただし、好きな時間といっても全部が自由というわけではありません。
「10時ー14時の間は勤務してくださいね」といった最低限のルールはあります。この時間だけは社内で仕事をしつつ、残りの時間は前にしたり、後にしたりとカスタマイズしていきます。
上司に断りを入れる必要もありません。勝手に始めて勝手に終わるが基本。休日に出勤をすることもありますが、その分はしっかり平日に休むか別途手当がつきます。
外資系メリット3.先輩後輩という上下関係が無い
たとえ上司であっても「○○部長」「○○課長」と呼ぶことがありません。
普通の会話をするように、自分の意見を話し相談することができます。日本人同士でも年功序列はもちろんありません。給与面でも同じことが言えますが、年齢問わず実力のみで判断されます。誰にお伺いをたてる必要もなく、自己主張が出来ます。
外資系メリット4.外国の友人ができる
日本人が多いとはいえ、少なからず外国の社員が存在します。働いていれば違う国の人と交流を持ちます。プライベートで現地を訪問した際には、その国を案内してもらったり、オススメの観光地を教えてくれます。
仕事面でもメリットは大きく、日本人とは違う感性や価値観に触れることが出来ます。「こういう考え方もあるんだ」「バイタリティーがすごいから負けたくない」といった相乗効果もあります。
外資系で働くデメリットとは?
メリットもあればデメリットもあります。
- 夏冬のボーナスはない
- 人知れず残業をしなければいけないことがある
- 時差の問題
- 急な解雇がある
外資系デメリット1.夏冬のボーナスはない
日本企業と違い夏と冬のボーナスというのはありません。そのため、ボーナス払いでローンは組めません。
- 銀行のボーナス時期による優遇キャンペーン
- 年末年始にボーナスいっぱいもらったからお買い物
ということもできません。
外資系デメリット2.表面に出ない残業をすることがある
日本企業=残業が多い
が一般的だと思います。
聞いた話によると「月50時間〜80時間」が平均時間だそうです。外資系はそれと比較すると残業は圧倒的に少ないです。もし、外資系で20時間以上であれば、それは多い方です。
「残業はほとんどしない」が外資系では一般的ですが、それは表向きの話です。会社や自宅で仕事をすることがあります。
しかも、残業をしていることは会社にバレてはいけません。「仕事が時間内に終わらない」=「仕事が遅い」ということで能力が無いと見られます。
外資系デメリット3.時差の問題
(夜遅くの)電話会議に参加を求められることがあります。
会議会社が、夜10時からだったり、11時からだったり。時には接待で飲み会に行ったとしても、ホテルや自宅に帰って会議、なんてことがあります。役職が上がっていくほどに給与は破格になるのですが、会議数も多くなります。日本企業同様に役職は残業代がつきません。
外資系デメリット4.急な解雇がある
「給料もいいし、仕事も合ってるし、ずっと働きたいな」なんて思っていても、ある日突然「解雇通知」が来ます。別にミスをしたわけでも、怠慢だったわけでもありません。
- 「会社を合併しました、人員を減らします、さようなら」
- 「部門ごと他社に売ったのでそちらへ行ってください、さようなら」
- 「あなたの仕事は人件費の安い東南アジアの人が担当します、さようなら」
かなり驚きますが、外資系の考え方では普通です。日本企業は従業員を大切にする考えが一般的ですが、外資系では働く人も売り買いされる「モノ」なのです。
最後に
「外資系に勤務してみたい」と思っても、新卒で求人している会社は(ほぼ)ありません。なぜなら「何の経験も、経歴もない人に仕事をさせることはできない」と考えているからです。
募集は随時していますし、他企業へのヘッドハンティング電話もしています。どこの企業も人は探しているのです。大企業であればあるほど、毎月数名の新入社員が入ります。
- 転職してくる方
- 派遣社員から正社員に
ただし、同じくらいの退職者もいます。
定年退職はまず無くて辞職や解雇がほぼです。自ら辞めていく理由は様々ですが「能力に見合わない」または「能力がついていかない」のどちらかが多いと思います。
「見合わない」人は更に高みを目指して他の外資系へ。「能力がない」場合は安定を求めて日本企業へ、といったところでしょうか。すべては能力次第、会社は人件費がかかったとしてもそれに見合う結果が出ればいい、と考えています。
現在の定年は65歳ですが、もし高卒で働くとすると45年以上も勤続し続けることになります。私は外資系で働いていますが、常に結果を求められることを考えると気が遠くなりそうです。一生は一度きりなので、もしもチャレンジ精神をお持ちなら、選択肢の一つに外資系で働くことを考えてみてもいいのではないでしょうか?