エステテシャンの給料が割にあわない!計算すると…「時給540円?!」激務すぎて仕事を辞めた体験談

給料が安い

エステティシャンと聞くと何を思い浮かべますか?

「華やかな世界」と答える方もいるでしょう。

 

現実はそう甘くはありません。好景気だった頃はお客様の数も多く、繁盛していたお店がほとんどでした。その影響もありお店がたくさん並ぶようになります。その一方で、景気が後退していくとエステ業界が縮小。

 

嗜好品、高級品、その最たる例が「エステ」だからです。お客様の数は減った上に、一人あたり使う金額も限られてきます。そうなると給料にも反映されず、安月給で働かざるを得ません。

 

私「計算したら時給換算で540円しかない…」

 

「今、美容学校に行っていてエステテシャンを目指している…」といった方には、酷な話かもしれませんが、私が経験したエステティシャンの実体をお話したいと思います。

 

エステテシャンの仕事内容について

仕事内容

  • 施術
  • 商品の販売
  • 売上目標管理

 

エステテシャンの仕事内容はシンプルで、勤務の大多数は施術に使われます。美容に関わる商品を販売する営業活動も行っており、必ずノルマがあります。

 

1日のスケジュール

  • 8:30 出勤(準備)
  • 10:00 サロン開店
  • 20:00 サロン閉店
  • 21:30 勤務終了(片付け)

拘束時間:13時間

 

エステサロンは10時オープンのところが多いです。ですが、オープン前にも準備があるため、8時30分には出社が必要。営業が終わるのは20時になります。そこから片付け作業をして帰宅は21時30分となります。

 

「拘束が13時間もある!」

 

エステティシャンは華やかに見えるかもしれませんが、実情がこの結果です。早番遅番があるサロンもあると思いますが、美容業界は深刻な人手不足です。私の勤め先は通しで働くしかありませんでした。

 

エステティシャンは体力勝負!

エステティシャンってものすご〜く体力が必要です。体力勝負な仕事です。

 

私のエステサロンでは、全身脱毛・フェイシャルエステを提供していました。痩身(ダイエット施術)、全身マッサージ、これらと比較すると楽とは言われていますが、いずれにせよ座って施術している時間はほとんどありません。

 

とにかく時間勝負です。全身脱毛は、前かがみでの施術姿勢が2時間続きます。前かがみになるので肩こりがひどく、立ちっぱなしによる足のむくみもあります。

 

意外につらいのが「目」です。脱毛は当て漏れがあるとお客様にミスだと分かってしまうため、かなり神経質に施術をしないといけません。細かく光を照射して漏れがないか都度チェックしていきます。その間、13時間も酷使し続けなければいけません。とにかく、気が抜ける時間がありません。

 

ノルマという足かせ

エステに来てくれるお客様、キレイになりたいは当然として、ゆっくりとした時間を過ごしたいと考えている方も多いです。

 

のんびり施術したい、接客したい、そう思っても「ノルマが足かせ」となります。

  • どれだけお客様の回転数をあげられるか?
  • 1日にどれだけ多くのお客様の施術が出来るか?
  • 施術を早く終わらせて終わらせて「新たなコース」「化粧品販売」のご提案をするか?

 

特に営業ノルマは本当に大変でした。ひとりひとりコミュニケーションをしっかりとらないと、お客様は心を開いてくれません。エステテシャンとの信頼関係が無い限り、お客様はお金を出す気にはなりません。

 

限られた時間内で、信頼関係を築くのは至難の業。世間話のみで終わてしまえば、後から上司に「なんで商品を提案しなかったの?」と質問攻めです。

 

疲労の毎日…そして上司からのプレッシャー

 

上司からのプレッシャーがとにかくこたえました。「やっと、終わった…家でのんびり…」と思っていたのに…。「ピンポーン」とLINEの着信音と送られてくるメッセージ。

 

上司
上司

今日商品が売れなかった理由はなんですか?しっかり考えておくように

 

「家にいる時くらい開放してくれ……」と何度叫んだことか分かりません。どこにいても、身体も心も休まりません。

 

私が営業をガンガンかけていれば売れたのかもしれません。ですが、わずかな時間で信頼関係を築けるわけではありません。悩みも聞きだせないまま、押し売りは本当にやりにくい。これが毎日毎日続きます。

 

とにかく上司から「売れ売れ」が強いため、会話もそっちに持っていくしかありません。お客様を楽しませる会話ではなく、売るための会話をしていくため頭が疲れます。もちろん施術しながらです。

 

それが13時間という長い時間。1日が終わると布団にたどり着くのがやっとの思い。布団と職場の往復をしているだけとしか感じなくなります。

 

計算したら絶望的!時給換算でたったの540円

規則では通常が9時間拘束、それ以外はサービス残業となります。過労死ラインとよばれる月100時間近い残業がありましたが、残業代は1円たりともつきません。

 

手取りはたったの145,000円。ボーナスは冬に23,000円だけ。エステテシャンでは賞与がないサロンも多いためマシと考えるほど。それでもお小遣いレベルです。

 

計算して見ると…

時給540円しかない…

 

知らなかったらよかったかもしれない。計算しない方が良かったかもしれない。そう思えるほど絶望的な気分に落ち込みます。「このままだとヤバイでしょ…」、独身にも関わらず貯金も出来ません。将来の不安だけがつもり溜まっていくようになっていきます。

 

エステテシャンは「3無い」の仕事、これを覚悟すべき!

これからエステテシャンになる方には酷ですが、私が勤めていて感じたこと。それは、働くうえで必要にも関わらず無いものが3つあります。エステテシャンの「3無い」です。

 

1.定時帰りが無い

 

新卒入社で初めての仕事、入社したての頃は「社会人はこんなに働くのが普通なんだ」と気にしませんでした。しかも、先輩が当然のように長時間働いているため、残業という認識はありませんでした。

 

ですが、同じように新社会人となった友達と会う度に、異常な勤務時間について指摘をされるようになります。「この仕事おかしい…」と思うようになりました。毎日4時間近い残業、定時で帰れることはありません。

 

2.休憩時間が無い

 

エステサロンは予約制です。ですが、全てのお客様が時間通りに来てくれるわけではありません。ご来店が前後されたり、ご契約の手続きに時間がかかると、休憩時間を削らないといけません。

 

お客様第一なので、スタッフの休憩を削るのは暗黙の了解。予約は1日中つめつめなので、予定していた休憩時間で取れないと後に響いてきます。6時間以上休憩無し。取れても10分しかないため、ご飯早食いは日常茶飯事です。こんなにがむしゃらでもお給料は変わりません。身体を酷使しても、給料が見合わないと不満を感じるようになっていきました。

 

3.連休が無い

 

私の勤めていたサロンでは、連休を取れませんでした。他にも休みはいろいろな制約が多く苦労をしました。

  • 土日休みは論外
  • 旅行も当然無理
  • 平日休みのため友達とは休みが合わない

平日の休みは、施術技術向上を目的とした研修を強制されることが多く、とにかくプライベートの時間がありませんでした。

 

最後に

 

あくまで私が勤めていたサロンの話です。全てがこうだとは思いませんが、エステテシャンが激務であることは変わりありません。

 

お給料が見合えば、もう少しがんばれたかもしれません…。私には3年間が限界でした。今は全く違う分野に転職して、給与・残業ともに改善しています。