デイサービスで働いて3年経ちました。
もともと一般企業の営業職として働いていましたが、ノルマや人間関係によるストレスで退職。そして、逃げるように福祉の仕事につきました。
別業種から介護の世界に入ってくる方はたくさんいます。それだけ人手が不足しています。一方で「介護には抵抗がある…」という方も多いのではないでしょうか。
矛盾するような考えではありますが、その気持ち分かります。
- 一般企業で受けるプレッシャーは嫌
- でもガッツリ介護の仕事も嫌
そういう方にはデイサービス勤務をオススメします。高齢者とのコミュニケーションを取るのが好き、苦手ではないのであれば「やってみたほうが良い」と思っています。
私はデイサービスに勤めて「これが天職だな」と思うほど、ゆったりと落ち着いた日々、豊かな人間になれている気がします。
デイサービスとは?
デイサービス
日帰りで受ける介護サービス。高齢者にとっては介護だけでなく一つの楽しみとして。そして家族にとっては介護疲れの解消としてお役立ちするものです。
デイサービスは日帰りの施設。入居型は読んでそのまま入居施設です。介護度が高い高齢者のみ対応です。
デイサービスは入居しなくても受けられるサービスとなっていて、お風呂、体操、レクレーションと楽しい時間を過ごして頂きます。
デイサービスの1日の流れ
1日の流れ
8:30 送迎開始
10:00 入浴
12:00 昼食
12:15 静養
14:00 体操・レクレーション
15:00 おやつ
15:30 送迎開始
17:00 記録
17:20 ミーティング
17:30 業務終了
施設によって時間のばらつきはあると思いますが、こんな感じで1日が進みます。
最も体力を使うのは入浴介助で、その時間だけ乗り切ればほとんど体力を消耗しません。入浴は役割分担があります。
洗身担当・・・体を洗う
着脱担当・・・着替え手伝い
ホール担当・・・髪を乾かす、お茶出し、その他雑務
ローテーションでポジションに着きます。
「一人で全部風呂に入れなければいけない!」という無責任なことにはなりません。自分の持ち場をしっかりこなせば良いです。「入浴中に死亡事故を起こしたらどうしよう」と不安に思う必要はありません。
昼食が終わると静養の時間になります。利用者はお昼寝タイムでまったりとした時間が流れます。テレビを見たり、新聞を読んだりする利用者もいますが、この時間はゆっくりしてもらう時間です。スタッフがやる仕事は、手帳にその日の様子を書く記録ぐらいです。
デイサービスで働くには学校での勉強が必要?
学校に入る必要はありません。3ヶ月も働けば勝手に覚えます。
もちろん専門学校では様々なことを教えてくれます。
- (皮膚の弱い方の)体を傷つけない洗身技術
- 麻痺した方のお風呂介助方法、着替え手伝い
- 自分で箸を持てない人の食事を手伝う食事介助
- おむつ交換やトイレでのズボンの上げ下ろしをする排泄介助
- 利用者を車椅子から抱えてベッドに移動させる移乗技術
どれも重要な技術ではありますが、それは土台になるだけのことです。実際の利用者は個人差があるので、正しいやり方は1つだけではありません。臨機応変に対応しなければいけないことが多く、働かないと身につかないところでもあります。
資格を持っていても初めて接する利用者様には手探り状態です。資格がなくても充分同じ事が出来ます。もしデイサービスで働きたいと思ったら、資格取得や学校に入るのではなく、すぐに現場で働き始めることをオススメします。
デイサービスの仕事をオススメする4つの理由
オススメ1.体力的に楽
デイサービスの対となるのが入居施設です。特別養護老人ホーム、老人保健施設といった名称で呼ばれています。
語弊を恐れずに言えば入居施設と比べて「デイサービスは体力的に楽」です。
介護の仕事はよく腰を痛めると言われています。お年寄りを抱えるため腰への負担がすごいのです。力の入らない人を支えるのはそれこそ重労働。入居施設に就職したはいいけど、体を痛めて退職する人もいます。
一方でデイサービスは寝たきりの人はほぼ利用しません。
歩ける方も多いですし、車椅子を使用していても、短い時間なら掴まり立ち出来る方も多いです。そのため、職員が全体重を支えなければいけない、といったことはありません。
オススメ2.夜勤なし!残業少なし!
15時半には帰りの送迎が始まります。それよりも遅くなることはありません。定時になったら利用者を順番に家に送り届けます。
掃除、記録、明日の準備、ミーティングをして1日の業務が終了。残業になってもわずか30分ほどです。営業職時代ではあり得なかった…毎日定時帰りになったのは嬉しい限りです。もちろん夜勤もありません。
オススメ3.気を休める時間が多い
入居施設では常に気を貼っていないといけません。同じ労働時間でも気の貼り具合で疲労度は変わると思います。
デイサービスの仕事も気を貼って仕事をします。ですが、休める時間が多いのも事実です。まず昼食後の静養時間。利用者が各自ゆっくりとした時間を過ごしてくれるので、ほとんど仕事をする必要がありません。
次に送迎時間です。家に到着するまではほぼドライブと同じ。体調を急変させた利用者の対応に当たることはありますが、そんなに頻繁には発生しません。
「今日は楽しかったよ」
「それは良かったまた来週ね」
会話をしているだけですので仕事という感覚ではないですね。喜んでもらえると嬉しいですし。気持ち的に楽な時間です。
オススメ4.レクレーションが楽しい!
デイサービスにおいては必ずレクレーションを行います。ゲームだったり工作だったり、外部ボランティアの出し物を見るのもレクレーションに含まれます。
外部ボランティアは頻繁に施設を訪問してくれます。
- 音楽セラピー
- 民謡ショー
- 合唱
- 大正琴
- ハーモニカ
- 日本舞踊
- よさこい
- フラダンス等
また、近所の幼稚園生との交流会もあります。
「おじーちゃん、おばーちゃん、げんきでいてね」
こんなことを言うもんですから利用者は大号泣です。僕も思わずもらい泣きしそうです。
毎日同じ仕事…ではありません。1日1日が違うため充実感があります。利用者が喜んでいるのを見ると嬉しいですし、僕自身も一緒に楽しむことが出来ています。
運動を促すレクレーションではボーリング、風船バレーを行っています。安全に留意していれば、職員も一緒に遊び感覚で楽しめます。僕はレクレーションをやりたくてデイサービスを志望してました。想像通り楽しい仕事です。
それでも不安?コミュニケーションが取れれば誰でも出来ます
仕事内容、そしてオススメポイントを紹介してきました。それでも「デイサービスの仕事がちゃんと出来るか?」と不安に思う方はいるでしょう。
安心してください!
コミュニケーションが取れれば誰でも出来ます!
別に会話が上手とかでなく、笑わせる能力が必要ではなくて、昔のことを知っている必要があるわけでもありません。お年寄りと会話するのが苦手でなければ良いだけです。
どれだけ介護技術があっても、コミュニケーションが出来ないとあまり信用されません。一方で、技術は無いけど一生懸命に会話をする新人を可愛がってくれます。介護技術は3週間もあれば自然に身につきます。仕事の覚えが遅かったとしても、利用者を笑顔にできればそれで良いのです。それがデイサービスの仕事です。
最後に
デイサービスは極端な言い方をすれば、入居施設と比べてしっかりしているお年寄りが多く利用する施設です。年齢を重ねていくと、寝たきりになるリスクが伴います。それが誰に、いつ来るかは分かりません。
しかし、デイサービスを利用することでリスクを減らすことが出来ます。
- 職員、利用者同士、お友達とふれ合って楽しむ
- 体操やレクレーションを通して体の機能を維持する
脳機能低下を遅らせることが出来ると言われています。
僕はそんなサポートをするこの仕事に、すごいやりがいを感じています。営業職では得られなかった充実感があります。「福祉の仕事につきたいけど何が良いのかな…」と迷った方にはデイサービスをオススメ致します。