「バイヤーて何する仕事なの?」
すぐに答えれる人は少ないと思います。
英語の「buyer(買う人)」からきており、企業が商品販売を目的とした仕入れを担当する仕事です。一口に言っても様々なバイヤーが存在します。
・宝飾品
・中古車
・ネットショップ(雑貨)
・食料品 など
私が担当していたのは洋服仕入れを行う「アパレルバイヤー」です。ファッションバイヤーとも呼ばれる仕事です。洋服屋は自社で製造することがありません。全て自社でやるのはユニクロくらいですかね。それ以外は提携した工場に依頼をして作っています。
それ以外の方法がこの「仕入れ」にあたります。よくあるのが海外展示会。ここに出向いて良いアパレル商品があったら仕入れる、もしくは自社商品として作ってもらうという流れです。この役目を果たすのがアパレルバイヤーです。
私はアパレルバイヤーとして5年仕事をしました。妊娠を機に辞めましたが、とてもとても充実した日々でした。
ファッションが好きにぜひオススメしたい仕事です。この記事ではバイヤー歴5年で分かった6つのメリットを書いていきます。ファッション好きで仕事にしたい、と考えている方の参考になると嬉しいです。
アパレルバイヤーになるには?
アパレルバイヤーの経験があれば別ですが、新卒で入社(未経験者)した場合、すぐにバイヤーになることが出来ません。
まずは店舗勤務を経験して、その会社(ブランド)のことを知らないといけません。どういったお客様が多いのか、どんな服が売れるのか、このような経験が無いと仕事が出来ません。
「何を仕入れれば良いんだ…」
現場経験がなければきっと思うでしょう。
私は初めからバイヤーという仕事に憧れていたので、この仕事を早い段階から出来る会社を探していました。ファッション業界は人手不足で売り手市場です。ですので、私は面接でガツガツ聞いていました。
「バイヤーになりたいです、何年くらいで出来ますか?」
「新卒ですぐにバイヤー担当になっている方はいますか?」
遠慮なく聞いちゃったほうが良いです。入社したはいいけどバイヤーになれないと意味はありませんので。
2年目でアパレルバイヤーに
洋服の販売員として一年後…
無事バイヤーになることが出来ました。
入社した会社は、個人の希望を大切してくれるとの話でしたので、2年目ですぐに夢を叶えることが出来ました。社内公募でバイヤー枠は1つしかなかったのですが、希望者も少なくて無事通過という形でしたね。
ファッション業界はおしゃれでリア充な人が多いので、海外を飛び回る仕事は避ける人が多かったのでしょう(笑)
そういった幸運も重なり、自社ブランドで販売する仕入れ担当になることが出来ました。店舗勤務も楽しくて充実していましたが、アパレルバイヤーはずっと夢見ていた仕事です。合格を言われた時の感動は今でも忘れていません。
ファッション好きがアパレルバイヤーになる6つのメリット
バイヤーには店舗販売スタッフでは味わえないメリットがいくつもあります。5年働いて分かった6つのメリットを紹介します。
アパレルバイヤーのメリット1.海外を飛び回れる
海外を飛び回ることが出来ます。
主には東京への買い付け。3ヶ月に2回ペースで海外への買い付けでした。
主な海外出張場所(私の場合)・香港などアジア
・アメリカ
・ドイツ
・フランス
・イタリア
アメリカ・ヨーロッパは本当に大きなイベントのときだけ。アジアはファッションに関する展示会があるので行って買い付け、まれに卸市場に行くこともありました。
海外にたくさん行くことになるので、なんか大きな仕事をしているような気になります。中にはデメリットと感じる人も多いかもしれませんが、私は何年やっていても嬉しくてしょうがなかったですね。仕事とはいえタダで海外に行けるのは嬉しいことです。
アパレルバイヤーのメリット2.自分の選んだアパレルが販売される
ファッション好きなら分かって頂けると思いますが、自分が選んだアイテムが商品として販売される。それを購入するお客様がいる。これは本当に嬉しいことだし、アパレルバイヤーをやってよかったと感じる瞬間です。
アパレルバイヤーのメリット3.英語が習得できる
5年もやると日常会話に関しては困ることが無くなります。海外に行くときはもちろん通訳がつきますが、自分でも理解できるようになると安心感があります。
はじめは英語が話せないのがコンプレックスでしたが、出張経験や日本で英会話教室に通ったりすることで、それが解消されていきました。英語が話せると自分からどんどん話しかけることが出来ますしね。自分自身の性格も前向きになり自信がつきました。
アパレルバイヤーのメリット4.一人の時間が多い
お店で働いていると様々な人間関係が絡みます。上司、同僚、部下、お客様。バイヤーでは人と関わる時間が極めて少なくなります。最初の半年は先輩と同行していましたが、人員が不足していることもあり、すぐに独り立ちをしました。
もちろん本社への報告であったり、日本にいる時は会議出席など行事もありますが、海外に行っている時は自由な時間が多いです。飛行機に乗っているときなんかは自由に読書も出来ますしね。
アパレルバイヤーのメリット5.マーケティングの勉強が出来る
「これは売れる!」
何年か経験すると勘が働く時があります。
よくよく紐解いてみると、これは私に才能があるから分かるわけではありません。過去の経験、データから売れる商品、売れない商品というものをたくさん見ることになります。いわゆるマーケティング能力です。
これが積み重なることでバイヤーとして嗅覚が磨かれていきます。詳しいことは分かりませんが、マーケティングは重要能力だとききます。仕事をしながら実体験学習できるのが良かった点です。この時の実績をもとに、アパレルバイヤーとして再就職も出来るとも思っています。
アパレルバイヤーのメリット6.プライベートで副業
あくまで退職した後ということで…
売れる商品が何となく分かるので、個人で販売することが出来ます。あまり知られていませんが、ファッション展示会は一般人も参加が出来ます。もちろん個人でも仕入れが出来て、少ない個数から卸価格で購入が出来ます。
「売れそうだな…」というファッションアイテムは、ネットショップを使って販売することが出来ます。私もたまに展示会に参加して、少し仕入れ、メルカリで売ってみるを繰り返しています。たくさん稼ぐのは難しいですが、主婦のかたわらお小遣い稼ぎが出来ています。これもバイヤーでの経験値があるからこそだと思っています。
アパレルバイヤーの苦労すること
とにかく拘束時間が長いです。
というよりは「どこから仕事なのか?」がはっきりしません。移動時間もたくさんありますが給与が支払われることはありません。営業職のみなし残業と近いものがありますね。大体の勤務時間は8時〜20時です。時にはそれ以上に残業になることもありました。
また、アパレル業界全体にいえることですが給与は安いです。
「海外飛び回って…拘束時間も長くて…それでこの給料?」
と感じたことは何度もあります。
当時の年収は230万くらいでした。
給料が上がることもありませんでした。
あとは移動のドラブルがつきもの。
飛行機が遅れたり、スケジュールが延期になったりと海外に行った時には予想外のことがたくさんありました。空港で寝たこともありました。
最後に
苦労することも書きましたが、ファッションが好きな人はバイヤーはオススメします。あとは海外に行ってみたいという方ですね。
私は結婚を機に退職をしましたが、最後まで迷いました。とにかく充実していた日々でしたので。ただ、結婚してまで続けられる勤務時間ではなかったのでしょうがないかなと…。
子供がもう少し大きくなったらまたバイヤーに挑戦してみたい。そう思えるほど充実した5年間でした。もしバイヤーを目指している人がいるならオススメする仕事ですよ。